フランス開催のUCIシクロクロスワールドカップ第2戦で、アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)が自身初の、ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)が2戦連続のW杯優勝を達成した。

膝故障から復帰したセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) photo:CorVos
欧州シクロクロスカレンダーの中でも最高ランクを誇る「UCIシクロクロスワールドカップ」の第2戦会場は、大国ベルギー/オランダを飛び出してフランスへ。近年W杯に組み込まれることでもお馴染みとなった、フランス北部ノルマンディー地方のフラマンヴィルで開催を迎えた。
女子エリート:アルバラードがレース復帰、ファンアルフェンが独走勝利
女子エリートレースでは、連戦連勝中のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)がスペインでのトレーニングキャンプに参加するため欠場。女王不在のチャンスを狙うべく、この日は今季好調のアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)が序盤から一人ハイペースを刻み続けた。

大声援を受けて走るアマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)とエレーヌ・クラウツェル(フランス) photo:CorVos

独走勝利を挙げたアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) photo:CorVos
「レースが始まった時は、まさかレース全体を一人で走らなければならないなんて信じられなかった。でも、かなり強い気持ちで走っていたし、ミスをしないように心がけた」と言うファンアルフェンは、2周目から明確なリードを築いて独走。フランスファンの大声援に後押しされるアマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)とレオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)の2番手グループを引き離した。
この日もう一人の注目は、膝の故障から復活した元世界女王セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)だった。2列目スタートから即座にポジションを上げ、レース時間半分になると欧州女王インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン)と共に2番手パックに合流。積極的にペースを上げて隊列を引き伸ばしにかかった。

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第2戦 女子エリート表彰台 photo:CorVos
やがて2番手グループはアルバラードとフークネに絞り込まれ、最後はパワー勝負でフークネが先行。「調子もすごく良くて、ずっと後ろとの差をキープできていたので落ち着いて走れた」と、先頭をひた走ったファンアルフェンが2022年以来となる欧州シクロクロス3大シリーズ優勝を挙げ、その16秒後にフークネが大健闘の2位フィニッシュ。アルバラードは3位で復帰戦を終えた。
男子エリート:チームワークを得たネイスが開幕2連勝

勝負に絡んだものの、チェーン落ちで後退したヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム) photo:CorVos
開幕戦勝者のティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)たちが横一線のスタートダッシュを決めた男子エリートレースは、多くの選手が数珠繋ぎになって突き進む展開で幕開け。そんな展開を打ち破ったのはネイスとラース・ファンデルハール(オランダ)のチーム戦略だった。
今季限りでの引退を表明しているファンデルハールが持ち前のダッシュで先行し、ネイスはあえてペースを緩めて援護射撃。ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム)の追走によって振り出しに戻ったものの、バロワーズ勢は依然として2人を先頭グループに残す数的優位を保ち続ける。ニューウェンハイスがチェーン落ちで脱落すると、それを確認したネイスの独走が始まった。

ライバルを抑えて独走するティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) photo:CorVos

開幕2連勝をマークしたティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) photo:CorVos
「突然ヨリスに何かが起こって、数秒のボーナスがもらえた」と振り返るネイスが10秒ほどのリードを得て独走。2番手グループはファンデルハールが抑えたことで逃げ切りの青信号が灯る。最後は泥のキャンバー区間で落車したものの、その差が縮まることはなかった。
ベルギー王者にして開幕戦勝者のネイスがW杯2連勝。ファンデルハールはキャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング)とのスプリントを制したことでチームメイト同士のワンツーフィニッシュも決まった。

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第2戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos
「ファンデルハールとレースのほぼ全期間を一緒に先頭を走ってお互いをとてもよく理解しあえていた。今日はチームの勝利だった」と振り返るネイスは、サルデーニャ島で行われる次戦をスキップする見込み。スペインのトレーニングキャンプで体調を整え、年末年始の超過密スケジュールと、目標とするロードシーズンに合わせて調整するという。

欧州シクロクロスカレンダーの中でも最高ランクを誇る「UCIシクロクロスワールドカップ」の第2戦会場は、大国ベルギー/オランダを飛び出してフランスへ。近年W杯に組み込まれることでもお馴染みとなった、フランス北部ノルマンディー地方のフラマンヴィルで開催を迎えた。
女子エリート:アルバラードがレース復帰、ファンアルフェンが独走勝利
女子エリートレースでは、連戦連勝中のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)がスペインでのトレーニングキャンプに参加するため欠場。女王不在のチャンスを狙うべく、この日は今季好調のアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)が序盤から一人ハイペースを刻み続けた。


「レースが始まった時は、まさかレース全体を一人で走らなければならないなんて信じられなかった。でも、かなり強い気持ちで走っていたし、ミスをしないように心がけた」と言うファンアルフェンは、2周目から明確なリードを築いて独走。フランスファンの大声援に後押しされるアマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)とレオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)の2番手グループを引き離した。
この日もう一人の注目は、膝の故障から復活した元世界女王セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)だった。2列目スタートから即座にポジションを上げ、レース時間半分になると欧州女王インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン)と共に2番手パックに合流。積極的にペースを上げて隊列を引き伸ばしにかかった。

やがて2番手グループはアルバラードとフークネに絞り込まれ、最後はパワー勝負でフークネが先行。「調子もすごく良くて、ずっと後ろとの差をキープできていたので落ち着いて走れた」と、先頭をひた走ったファンアルフェンが2022年以来となる欧州シクロクロス3大シリーズ優勝を挙げ、その16秒後にフークネが大健闘の2位フィニッシュ。アルバラードは3位で復帰戦を終えた。
男子エリート:チームワークを得たネイスが開幕2連勝

開幕戦勝者のティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)たちが横一線のスタートダッシュを決めた男子エリートレースは、多くの選手が数珠繋ぎになって突き進む展開で幕開け。そんな展開を打ち破ったのはネイスとラース・ファンデルハール(オランダ)のチーム戦略だった。
今季限りでの引退を表明しているファンデルハールが持ち前のダッシュで先行し、ネイスはあえてペースを緩めて援護射撃。ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム)の追走によって振り出しに戻ったものの、バロワーズ勢は依然として2人を先頭グループに残す数的優位を保ち続ける。ニューウェンハイスがチェーン落ちで脱落すると、それを確認したネイスの独走が始まった。


「突然ヨリスに何かが起こって、数秒のボーナスがもらえた」と振り返るネイスが10秒ほどのリードを得て独走。2番手グループはファンデルハールが抑えたことで逃げ切りの青信号が灯る。最後は泥のキャンバー区間で落車したものの、その差が縮まることはなかった。
ベルギー王者にして開幕戦勝者のネイスがW杯2連勝。ファンデルハールはキャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング)とのスプリントを制したことでチームメイト同士のワンツーフィニッシュも決まった。

「ファンデルハールとレースのほぼ全期間を一緒に先頭を走ってお互いをとてもよく理解しあえていた。今日はチームの勝利だった」と振り返るネイスは、サルデーニャ島で行われる次戦をスキップする見込み。スペインのトレーニングキャンプで体調を整え、年末年始の超過密スケジュールと、目標とするロードシーズンに合わせて調整するという。
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第2戦 女子エリート結果
| 1位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) | 47:26 |
| 2位 | アマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +0:16 |
| 3位 | セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:22 |
| 4位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +0:44 |
| 5位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +0:50 |
| 6位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +1:03 |
| 7位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:07 |
| 8位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス) | +1:19 |
| 9位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +1:21 |
| 10位 | フルール・ムーアス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +1:45 |
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第2戦 男子エリート結果
| 1位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | 1:03:01 |
| 2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +0:03 |
| 3位 | キャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング) | +0:05 |
| 4位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:23 |
| 5位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:26 |
| 6位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム) | +0:32 |
| 7位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +0:38 |
| 8位 | イェンテ・マイケルズ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:49 |
| 9位 | エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:12 |
| 10位 | ヴィクトール・ファンデプッテ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム) | +1:23 |
text:So.Isobe
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