デルトロ今季16勝目　シヴァコフとワンツーでUAEが通算95勝に到達

メキシコの新星イサーク・デルトロ（UAEチームエミレーツXRG）の勢いが止まらない。イタリアのワンデーレース「ジロ・デル・ヴェネト」で残り10.7kmからの独走を決め、今シーズン16勝目を飾ると共に、最多記録を更新中のチーム勝利数を95に伸ばした。

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ヨーロッパのワールドツアー最終戦であるイル・ロンバルディアで多くの選手がシーズンを終えるなか、イタリア北部のヴェネト州でジロ・デル・ヴェネト（UCI1.Pro）が開催された。今年で88回を数える歴史あるワンデーレースには、最多チーム勝利記録を更新中のUAEチームエミレーツXRGを含む6つのワールドチームが出場した。

今大会最大の注目点は、これが母国イタリアのトップスプリンターであるエリア・ヴィヴィアーニ（イタリア、ロット）の引退レースだったこと。プロ通算90勝のレジェンドはゼッケン1をつけ、地元ヴェネトのファンから大声援を受けながら最終レースのスタートを切った。

コース前半は平坦区間で、後半からヴェローナに設定されたコースを5周する161.2km。周回コースには登坂距離4km、平均勾配5%のトリチェッラ・マッシミリアーナが登場するため、ピュアスプリンターよりもパンチャーやクライマーに有利なレイアウト。序盤は逃げの形成に手間取り、50km地点でようやく8名の逃げグループが出来上がった。

その中にはヴィヴィアーニも入り、ラストレースに華を添える。しかし先頭は徐々に吸収され、残り34km地点で完全に捕まると、グルパマFDJとUAEチームエミレーツXRGが高速牽引で集団を40名程度に絞る。そこから遅れたヴィヴィアーニはDNFとなり、15年にわたるロードレースに別れを告げた。

最後のトリチェッラ・マッシミリアーナに入り、パヴェル・シヴァコフ（フランス、UAEチームエミレーツXRG）の強力な牽引からイサーク・デルトロ（メキシコ）が満を持してアタック。唯一食らいついたロマン・グレゴワール（フランス、グルパマFDJ）もすぐに引き離し、その勢いのまま、残り10.7kmで21歳の若きエースが単独先頭に立った。

後続ではシヴァコフがローテーションと追走アタックを巧みに阻害し、隊列を分断。そして最後までペースの落ちなかったデルトロがガッツポーズと共にフィニッシュラインを通過。2位争いではシヴァコフが絞られた集団スプリントを制し、UAEがワンツーフィニッシュを達成した。

シーズンラストレースを勝利で締めくくり、チーム最多である16勝目を飾ったデルトロ。「（今シーズンに）後悔はない。ジロ・デ・イタリアでの経験から多くを学び、あの経験なしには今の自分はなかったと思う。こうしてシーズンを締めくくれるのは本当に嬉しい。最高の形で終えられたし、これが自分にとって今季最後のレースだ」と語った。