ドイツのミュンスターにフィニッシュしたシュパルカッセン・ミュンスターラント・ジロはスプリントで決着。ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がアルノー・ドゥリーらを退け、本格化する秋のクラシックに向けて上々の滑り出しを見せた。



10月3日に行われたシュパルカッセン・ミュンスターラント・ジロ photo:Unibet Tietema Rockets

2006年の初開催から今年で19回目を迎えたのがシュパルカッセン・ミュンスターラント・ジロ(UCI1.Pro)。ドイツ西部のシュトロムベルクからミュンスターを結ぶ全長192kmに短い丘はあるものの、概ね平坦路のため、歴代の優勝者にはマルセル・キッテル(ドイツ)など有力スプリンターの名が並ぶ。

昨年の覇者ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を先頭にレースはスタートし、今年3月に下部チームから昇格したコルビー・シモンズ(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)ら3名が逃げる。メイン集団は横風で緊張が高まる場面もあったが、残り45kmで逃げは吸収。以降は繰り返されたアタックをアルペシン・ドゥクーニンクをはじめとするスプリンターチームが抑え込み、レースは例年同様に集団スプリントに持ち込まれた。

ミュンスター市街地に敷かれた石畳に各チームがトレインの維持に苦労するなか、荒れた路面に強いベルギー人を多く擁するアルペシンが先頭で主導。ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)のリードアウトからティムトーン・トイテンベルク(ドイツ)が真っ先に踏み始める。しかしそのスピードは伸びに欠き、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)が先頭へ。

連覇を達成したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Alpecin - Deceuninck

緩く右に曲がる最終ストレートのイン側の最短距離を進んだドゥリーだったが、白線で一瞬滑りスピードが緩む。外側から圧倒的な伸びで迫ったフィリプセンがフィニッシュライン直前でこれを追い抜いた。

「終盤に小規模の集団落車が発生し、少し緊張感の高い状態だった。長いシーズンに皆疲れており、モチベーションも最高という訳ではない。だがそんななかでも僕たちはベストを尽くすし、勝てて嬉しいよ」と、大会連覇を達成したフィリプセンは語った。

表彰台でビールを啜るヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Lotto
シュパルカッセン・ミュンスターラント・ジロ2025結果
1位 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) 4:10:53
2位 アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)
3位 パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL)
4位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
5位 ルカシュ・クビシュ(スロバキア、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:Alpecin - Deceuninck

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