成田光志が挑んだロード世界選手権男子ジュニアロードレースは、残り36.4km地点で飛び出したハリー・ハドソン(イギリス)が独走を決めて優勝。成田は約80km地点でバイクを降りた。



141名で争われた男子ジュニアロードレース photo:CorVos

ルワンダの首都キガリで開催中のロード世界選手権に挑む日本人選手は3名。その1人である成田光志が出場したのが、9月26日に行われた男子ジュニアロードレースだ。コースはU23女子と同じ約15kmを8周する119.3km。他のカテゴリー同様、コースに設定されたキガリ・ゴルフ峠(距離0.8km/平均8.1%)と石畳のミュール・ド・キミハーウラ(距離1.3km/平均6.3%)が選手たちの脚を削っていくタフなレイアウトだ。

レースはその直後に行われたU23男子とは異なり、1周目から動き出す。きっかけを作ったのはハイモ・フッガー(オーストリア)とロイック・シェルテンライプ(スイス)の2名。そこにTT男子ジュニアで4位だったベッカム・ドレイク(アメリカ)、続いてニコラス・ファンデルメールヴェ(ブルガリア)が合流し、4名で逃げ集団を形成した。

一方、メイン集団はイタリアやドイツがコントロール。登りのたびに逃げ集団では実力差が浮き彫りとなり、先頭はドレイクただ1人に。プロトンは残り40km付近でドレイクを引き戻し、そのカウンターでハリー・ハドソン(イギリス)が飛び出した。

先行するハリー・ハドソン(イギリス)を追うヨハン・ブラン(フランス) photo:UCI

ロード世界選手権初出場ながら、1クラスのレースで勝利を重ねるハドソンは残り36.4km地点で単独先頭に立つ。そこにロベルト・カペッロ(イタリア)とハビエル・クビラス(スペイン)が合流を試みたが届かず、ハイペースを維持するハドソンがリードを広げる。さらにベンハミン・ノバル(スペイン)らが追走を試みるも、捉えるには至らない。

ハドソンは約34秒のリードを保ったまま最終周回に突入。最後はヨハン・ブラン(フランス)とヤン・ミハウヤコヴィアク(ポーランド)の追走に差を縮められたものの、キガリ・ゴルフ峠とミュール・ド・キミハーウラでも先頭は揺るがなかった。そして雄叫びを上げながら独走でフィニッシュラインを通過した。

36.4kmの独走を決めたハリー・ハドソン(イギリス) photo:CorVos

マーク・カヴェンディッシュに祝福されるハリー・ハドソン(イギリス) photo:UCI

「まだ実感が湧かず、自分でも何が起きたかわからない。残り1周で捕まると思っていたけど、逃げ切ることができた。最後の登りは本当に辛かったが、どうにか耐え抜くことができた」とハドソンはコメント。来年からリドル・トレックの下部チーム所属が決まっている18歳が、イギリスに同カテゴリーでの初優勝をもたらした。

2位は16秒遅れでブラン、3位はミハウヤコヴィアクだった。

ロード世界選手権2025男子ジュニアロードレース表彰台:2位ブラン、1位ハドソン、3位ハウヤコヴィアク photo:UCI
ロード世界選手権2025 男子ジュニアロードレース結果
1位 ハリー・ハドソン(イギリス) 2:55:19
2位 ヨハン・ブラン(フランス) +0:16
3位 ヤン・ミハウヤコヴィアク(ポーランド)
4位 マックス・ハインズ(イギリス) +0:22
5位 マシュー・ピース(イギリス) +0:24
6位 エドゥアール・クレース(ベルギー)
7位 エリアス・ヴェンデル(スウェーデン)
8位 ダーン・ダイクマン(オランダ)
9位 モリッツ・マウス(ドイツ)
10位 ベネディクト・ベンツ(ドイツ)
DNF 成田光志
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos