シマノ S-PHYRE RX910　革新的なPontoonシステムを搭載した新時代のグラベルシューズ

シマノが誇るハイエンドレーシングシューズ、S-PHYREシリーズに待望のグラベルモデルが登場。RX910と名付けられた新作は、革新的なPontoonクリートシステムを搭載し、オフロードへの対応力とオンロードシューズレベルのペダリング効率を両立。グラベルレーシングシューズの新たな基準となる一足だ。

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長い歴史とサイクリストからの高い支持を受けるシマノのシューズラインアップ。その頂点に位置するのがプレミアムなレーシングシューズ、S-PHYREシリーズだ。ロード向けのRC、クロスカントリー向けのXCという2つのモデル展開を続けてきたS-PHYREに、ついに3本目の柱となるグラベルモデル"RX910"が追加された。

ロードレース、あるいはそれ以上の競技時間/距離を走破するため、軽量かつ優れたペダリング効率を求められるグラベルレースシューズ。一方で、マッドセクションやリバークロス、担ぎを強いられるテクニカルな地形においては、路面へのグリップ、高い歩行性が求められる。

RX910の開発に携わったプログラベルレーサー、ピーター・ステティナは「グラベル性能を最適化するには、軽量で剛性が高く、安定したペダルとの接地面を持ち、時にはバイクを担いだり泥の中を走ったりできる能力が必要」だと、シマノの開発陣へリクエストしたという。

この二律背反を昇華するべく、シマノが生み出したのがPontoon クリートシステム。ロードとMTBの単なる中間的な存在ではなく、グラベルレースそのものにフォーカスし、その課題を解決するためRX910に与えられた新機構だ。

Pontoonクリートシステムとは、クリートとシューズの間に挟み込むモジュールで、クリートを左右から囲むように配置されたTPU製のコンタクトブロックがシューズとペダルの接触面積を劇的に増加させるというもの。このシステムにより、SPD-SLシステムに迫るペダリング効率を実現しつつ既存のSPDペダルと互換性を持つことでオフロードにも対応する。

従来のオフロードシューズでも、ペダルと接地するコンタクトブロックは備えられていた。しかしこのPontoonシステムはクリートを上下左右へと調整しても同時に動き、どんなセッティングにおいても安定した効用をもたらす。また、交換可能となっているため、各レースにおいて100%のコンディションでスタートラインに立てるのも大きなメリットだ。

ピーター・ステティナは「私にとって、このPontoonクリートシステムはこのシューズの中で最もエキサイティングなポイントです。ロードの安定性とパワー伝達を得ながら、泥の排出性やSPDの素早いエンゲージといったオフロードでの利点も維持できるのです」とそのメリットを強調する。

革新的なPontoonシステムをコアとしつつ、S-PHYREシューズらしいスペックで身を固めるRX910。軽量なカーボンソールは、剛性指数12とシマノシューズでは最高の剛性値とされ、比類ないペダリング効率を実現。低スタックハイトによる安定したペダリングに繋がるシームレスミッドソール構造や、踵を固定しねじれを防ぐアンチツイストスタビライザーヒールカップ、快適なフィット感を提供するサラウンドラップアッパーなど、多くのテクノロジーを搭載した。

グラベルシューズらしく、アウトソールにはTPU製のラグが配置され、ルーズな路面での歩行時にも十分なトラクションを確保している。また、ソールには排水の為に2つの穴が設けられており、川を渡渉する際や雨天時においてもシューズ内から水分を効率的に排出可能となっている。

重量は304g（43サイズ）となり、サイズは36-48（ハーフサイズは39.5～43.5）の展開となる。カラーはホワイトのみでの展開となる。価格は66,000円（税込）。

S-PHYRE初のグラベルシューズとなるRX910は、今週末に開催される「グラベルクラシックやくらい」に出場する沢田時（宇都宮ブリッツェン）が着用するとのこと。現地に赴くライダーは要注目だ。

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シマノ S-PHYRE RX-910
重量：304g（size 43）
カラー：ホワイト
ソール剛性：12
サイズ展開：36-48（スタンダード幅のみ、ハーフサイズ：39.5～43.5）
価格：66,000円（税込）