3級山岳にフィニッシュしたツール・ド・スイス7日目は、総合上位陣によるスプリントで決着。ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が今大会2勝目を掴み、総合首位ヴォークランとのタイム差を縮めた。

ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

ツール・ド・スイス第7ステージ image:Tour de Suisse 今大会の最長距離である207.3kmで争われたツール・ド・スイス第7ステージは、最後に3級山岳を駆け上がる山頂フィニッシュ。コース中盤に2級山岳を越え、さらなる登りと下りを経て、その後は約40kmの平坦路。そしてまずは2級山岳(距離5.5km/平均7.8%)をクリアし、ラストの3級山岳エメッテン(距離3.9km/平均8.3%)は短いながらも急斜面だ。
翌日が個人タイムトライアルのため、ロードレース最終日となったこの日は、気温25度を超える暑さでも序盤から激しいアタックが繰り広げられた。逃げを目指した戦いはスタートから60kmに及び、8名の逃げグループが形成される。その中には3日目勝者のクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)や山岳賞ジャージを着るアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が入り、ツール・ド・フランスへの出場が濃厚なティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)などワールドツアーにふさわしい強力なメンバーで構成された。

クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)が乗った8名の逃げグループ photo:CorVos

プロトンは終始UAEチームエミレーツXRGが先導した photo:CorVos
そのためメイン集団を牽引するUAEチームエミレーツXRGは、100km地点の3分半を最大とし、その後は徐々にタイムを縮めていく。最初の2級山岳はウラソフがトップ通過して6ポイントを加算。最終的な山岳賞ジャージの獲得を決めた。
逃げ集団が50秒差で2級山岳(距離5.5km/平均7.8%)に入ると、シモンズがダンシングで加速し、単独先頭に立つ。他の逃げていたメンバーはプロトンに吸収され、シモンズも頂上手前2.4km地点で捉えられる。そして勝負は、最終山岳を前に6名に絞られた。
3級山岳エメッテン(距離3.9km/平均8.3%)に最も有利な状況で入ったのは、唯一フランク・ファンデンブルーク(オランダ、ピクニック・ポストNL)をアシストに残すオスカー・オンリー(イギリス)だった。そしてファンデンブルークが役割を終えると総合7位のフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)がアタック。しかしこれは決まらず、残り500mで総合リーダーのケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)が仕掛けた。

スプリントから今大会2勝目をゲットしたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
これにオンリーとアルメイダが反応し、ヴォークランを先頭で最終ストレートに突入する。残り50mで後方にいたアルメイダがオンリー、そしてヴォークランを抜き、今大会2勝目を手に入れた。
「失うものはないのでステージ優勝を狙いに行った。大きかった総合タイムの遅れも徐々に取り戻すことができた。レースを通してチームメイトが牽引してくれたので、勝つことできて嬉しいよ。明日(の個人TT)はフルガスで踏み続けるだけだ」と、アルメイダは喜んだ。

総合でも2位に浮上したジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:Tour de Suisse
勝利を逃しながらも、ヴォークランは総合首位を堅守。アラフィリップと入れ替わるようにアルメイダが総合2位に浮上し、その差を39秒から33秒に縮めている。そして大会最終日となる翌日は、10kmの登り個人TTだ。


翌日が個人タイムトライアルのため、ロードレース最終日となったこの日は、気温25度を超える暑さでも序盤から激しいアタックが繰り広げられた。逃げを目指した戦いはスタートから60kmに及び、8名の逃げグループが形成される。その中には3日目勝者のクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)や山岳賞ジャージを着るアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が入り、ツール・ド・フランスへの出場が濃厚なティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)などワールドツアーにふさわしい強力なメンバーで構成された。


そのためメイン集団を牽引するUAEチームエミレーツXRGは、100km地点の3分半を最大とし、その後は徐々にタイムを縮めていく。最初の2級山岳はウラソフがトップ通過して6ポイントを加算。最終的な山岳賞ジャージの獲得を決めた。
逃げ集団が50秒差で2級山岳(距離5.5km/平均7.8%)に入ると、シモンズがダンシングで加速し、単独先頭に立つ。他の逃げていたメンバーはプロトンに吸収され、シモンズも頂上手前2.4km地点で捉えられる。そして勝負は、最終山岳を前に6名に絞られた。
3級山岳エメッテン(距離3.9km/平均8.3%)に最も有利な状況で入ったのは、唯一フランク・ファンデンブルーク(オランダ、ピクニック・ポストNL)をアシストに残すオスカー・オンリー(イギリス)だった。そしてファンデンブルークが役割を終えると総合7位のフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)がアタック。しかしこれは決まらず、残り500mで総合リーダーのケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)が仕掛けた。

これにオンリーとアルメイダが反応し、ヴォークランを先頭で最終ストレートに突入する。残り50mで後方にいたアルメイダがオンリー、そしてヴォークランを抜き、今大会2勝目を手に入れた。
「失うものはないのでステージ優勝を狙いに行った。大きかった総合タイムの遅れも徐々に取り戻すことができた。レースを通してチームメイトが牽引してくれたので、勝つことできて嬉しいよ。明日(の個人TT)はフルガスで踏み続けるだけだ」と、アルメイダは喜んだ。

勝利を逃しながらも、ヴォークランは総合首位を堅守。アラフィリップと入れ替わるようにアルメイダが総合2位に浮上し、その差を39秒から33秒に縮めている。そして大会最終日となる翌日は、10kmの登り個人TTだ。
ツール・ド・スイス2025第7ステージ結果
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | 4:38:25 |
2位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | |
3位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | |
4位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:04 |
5位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | +0:08 |
6位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG) | +1:07 |
7位 | ジョセフ・ブラックモア(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | +1:09 |
8位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
9位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | |
10位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | +1:11 |
個人総合成績
1位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | 29:00:55 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:33 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | +0:41 |
4位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +1:19 |
5位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +2:28 |
6位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | +2:59 |
7位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +3:34 |
8位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | +4:27 |
9位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +4:30 |
10位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | +6:07 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) |
山岳賞 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
ヤングライダー賞 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) |
チーム総合成績 | イスラエル・プレミアテック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour de Suisse
photo:CorVos, Tour de Suisse
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