落車が多発したラ・ブエルタ フェメニーナ第2ステージで、マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が圧巻のスプリント。後続を引き離し、この春逃し続けた今シーズン初勝利を手に入れた。

カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)をエースに据えるキャニオン・スラム・ゾンダクリプト photo:A.S.O.
スペイン・バルセロナで開幕したラ・ブエルタ フェメニーナ(UCIワールドツアー)は5月5日、ロードレース初日である第2ステージを迎えた。その舞台はバルセロナ郊外のモリンス・デ・レイから、西をグルッと回りサン・ボイ・ダ・リュブラガートに至る99km。カテゴリー山岳は序盤の2級のみで、その後は平坦路が続いてくためスプリント決着が予想された。
総合リーダーの証であるマイヨロホを着用し、集団先頭でスタートの時を待ったのはエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)。現地時間午後2時43分に号砲が鳴り、地元スペイン出身のアネ・サンテステバン(ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が単独アタック。34歳のベテランは2級山岳を先頭通過し、山岳賞ジャージ着用の権利を掴み取った。

曇り空のなかスタートしたラ・ブエルタ フェメニーナ第2ステージ photo:A.S.O.
しかし下りでサンテステバンは引き戻され、振り出しに戻ったレースには雨が降り始める。残り55km地点の下りコーナーで濡れた路面に、アナスタシア・コレソワ(ロシア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)とヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ)が落車。グアジーニは2日連続の落車となったが、2名とも大きな怪我なくプロトンに復帰し、このステージは145名全員がフィニッシュしている。
直後にパリ五輪のロード金メダリストであるクリステン・フォークナー(アメリカ、EFオートリー・キャノンデール)が仕掛け、5名集団を形成する。しかしこの動きをプロトンが許さず、リドルを中心に引き戻す。雨が徐々に強まるなか、中間スプリントを先着したのはマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)。昨年区間2勝し、2年連続でポイント賞に輝いているベテランがこの日の前哨戦を制した。

エレーナ・チェッキーニ(イタリア、SDワークス・プロタイム)が単独先頭に立つシーンもあった photo:A.S.O.
残り40km地点でレーアリン・トイテンベルク(ドイツ、ロット・レディース)が飛び出し、単独先頭に立つ。トイテンベルクは弟ティムトーンがリドル・トレックで走り、また父ラールスも元選手で2001年のツアー・オブ・ジャパンの宇都宮ステージで勝利した経験のある選手。そんな自転車選手一家のトイテンベルクの独走も長くは続かず、34km地点で吸収された。
グランツールのロードレース初日であるためか、プロトンではその後落車が発生する。残り15km地点、緊張感とスピードが上がる中、ラウンドアバウトでSDワークス・プロタイムの総合エース、アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)が落車。その直後にはオリヴィア・バリル(カナダ、モビスター)もクラッシュした。
混沌とする雰囲気の中、総合優勝候補であるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)がアタック。昨年のツール・ド・フランス・ファム覇者の動きにはデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)らライバルたちが反応するなか、集団からはマイヨロホのファンダイクが遅れを喫した。

アタックと吸収が繰り返されたプロトンに、雨が振り始めた photo:A.S.O.
そのため勝負は20名程度の集団によるスプリントに持ち込まれる。最終盤、ヴィスマ・リースアバイクがトレインを組む中、残り150mの最終左コーナー手前でフォスが仕掛ける。そしてコーナーの立ち上がりから力強いスプリントを開始した。
ぐんぐんとスピードを上げるフォスに対し、背後についたレティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFオートリー・キャノンデール)らは離されていく。フィニッシュ手前で背後を確認し、ガッツポーズをする余裕を見せたフォスが悠々とフィニッシュラインを通過。圧巻のスプリントから勝利した。

スプリント勝利したマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

3年連続のマイヨプントス(ポイント賞)を狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
今シーズンはミラノ〜サンレモ・ドンネとブラバンツ・ペイルの2位が最高位と、勝利に届かないでいたフォス。「集団スプリントに備えていたが、レースを通してトラブルに注意を払わなければならなかった。チームメイトが私を守ってくれ、最終コーナーに先頭で入りたかった。彼女たちの走りに報いるためにも、この勝利が欲しかった」と、フォスは喜びを語っている。
終盤に先頭集団からファンダイク遅れたため、区間2位に入り、ボーナスタイム6秒を加算したレティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)が首位に浮上している。

総合首位に立ったレティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) photo:A.S.O.

スペイン・バルセロナで開幕したラ・ブエルタ フェメニーナ(UCIワールドツアー)は5月5日、ロードレース初日である第2ステージを迎えた。その舞台はバルセロナ郊外のモリンス・デ・レイから、西をグルッと回りサン・ボイ・ダ・リュブラガートに至る99km。カテゴリー山岳は序盤の2級のみで、その後は平坦路が続いてくためスプリント決着が予想された。
総合リーダーの証であるマイヨロホを着用し、集団先頭でスタートの時を待ったのはエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)。現地時間午後2時43分に号砲が鳴り、地元スペイン出身のアネ・サンテステバン(ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が単独アタック。34歳のベテランは2級山岳を先頭通過し、山岳賞ジャージ着用の権利を掴み取った。

しかし下りでサンテステバンは引き戻され、振り出しに戻ったレースには雨が降り始める。残り55km地点の下りコーナーで濡れた路面に、アナスタシア・コレソワ(ロシア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)とヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ)が落車。グアジーニは2日連続の落車となったが、2名とも大きな怪我なくプロトンに復帰し、このステージは145名全員がフィニッシュしている。
直後にパリ五輪のロード金メダリストであるクリステン・フォークナー(アメリカ、EFオートリー・キャノンデール)が仕掛け、5名集団を形成する。しかしこの動きをプロトンが許さず、リドルを中心に引き戻す。雨が徐々に強まるなか、中間スプリントを先着したのはマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)。昨年区間2勝し、2年連続でポイント賞に輝いているベテランがこの日の前哨戦を制した。

残り40km地点でレーアリン・トイテンベルク(ドイツ、ロット・レディース)が飛び出し、単独先頭に立つ。トイテンベルクは弟ティムトーンがリドル・トレックで走り、また父ラールスも元選手で2001年のツアー・オブ・ジャパンの宇都宮ステージで勝利した経験のある選手。そんな自転車選手一家のトイテンベルクの独走も長くは続かず、34km地点で吸収された。
グランツールのロードレース初日であるためか、プロトンではその後落車が発生する。残り15km地点、緊張感とスピードが上がる中、ラウンドアバウトでSDワークス・プロタイムの総合エース、アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)が落車。その直後にはオリヴィア・バリル(カナダ、モビスター)もクラッシュした。
混沌とする雰囲気の中、総合優勝候補であるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)がアタック。昨年のツール・ド・フランス・ファム覇者の動きにはデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)らライバルたちが反応するなか、集団からはマイヨロホのファンダイクが遅れを喫した。

そのため勝負は20名程度の集団によるスプリントに持ち込まれる。最終盤、ヴィスマ・リースアバイクがトレインを組む中、残り150mの最終左コーナー手前でフォスが仕掛ける。そしてコーナーの立ち上がりから力強いスプリントを開始した。
ぐんぐんとスピードを上げるフォスに対し、背後についたレティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFオートリー・キャノンデール)らは離されていく。フィニッシュ手前で背後を確認し、ガッツポーズをする余裕を見せたフォスが悠々とフィニッシュラインを通過。圧巻のスプリントから勝利した。


今シーズンはミラノ〜サンレモ・ドンネとブラバンツ・ペイルの2位が最高位と、勝利に届かないでいたフォス。「集団スプリントに備えていたが、レースを通してトラブルに注意を払わなければならなかった。チームメイトが私を守ってくれ、最終コーナーに先頭で入りたかった。彼女たちの走りに報いるためにも、この勝利が欲しかった」と、フォスは喜びを語っている。
終盤に先頭集団からファンダイク遅れたため、区間2位に入り、ボーナスタイム6秒を加算したレティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)が首位に浮上している。

ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第2ステージ
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 2:35:13 |
2位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
3位 | レティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFオートリー・キャノンデール) | |
4位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック) | |
5位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
6位 | アリー・ウォラストン(ニュージーランド、FDJスエズ) | |
7位 | フランシスカ・コッホ(ドイツ、ピクニック・ポストNL) | |
8位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
9位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール) | |
10位 | ラウラ・トマージ(イタリア、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ) |
個人総合成績
1位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | 2:44:40 |
2位 | フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:02 |
3位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック) | +0:03 |
4位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | |
5位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) | |
6位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | |
7位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +0:06 |
8位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
9位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
10位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
山岳賞 | アネ・サンテステバン(スペイン、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ) |
チーム総合成績 | リドル・トレック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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