ウィリエールの日本担当キット北村さんがストラーデ・ビアンケを現地レポート。市民レースの前日に開催されたプロレースを、チームプレゼンテーションからル・トルフェでの観戦までお届けしよう。



市民レースの前日にプロレースが開催され、ル・トルフェで観戦してきました photo:Kitto Kitamura

2019年から5大モニュメント制覇を目指しているウィリエールの日本国内担当者"キット北村さん"。 急遽ストラーデ・ビアンケに参戦を決め、友人宅で軽いギックリ腰になりながら電車を乗り継ぎシエナに到着。果たしてグルパマFDJチームと合流して、無事にレース現場を内側からレポート出来るのでしょうか?

それでは、"ストラーデ・ビアンケ観戦記"のお話です。

シャワーを浴びて、午後4時から始まるチームプレゼンテーションへと向かいます。ホテルを出発しようとすると、イギリスからの参加者と雑談している黒いパーカーを着たツアーガイドのアンドレア・フェリガートさんがいました。

チームプレゼンテーションへ向かう途中 ツアーガイドと遭遇 photo:Kitto Kitamura
メディチ家の要塞で行われる豪華なプレゼンテーション会場へ photo:Kitto Kitamura


要塞内はバイクエキスポ 食品や観光地のブースが賑わう photo:Kitto Kitamura
西日が眩しい中 グルパマFDJチームの登場を熱い目で待つ photo:Kitto Kitamura



チームプレゼンテーション会場のメディチ家の要塞に自転車で向かいます。要塞の中でプレゼンテーションなんて凄い事ですね。要塞内はバイクエキスポになっていました。地元の食品や観光地を紹介するブースから、自転車関連のブースまで色々とありました。

いよいよチームプレゼンテーションがスタートしたんですが、西日がまぶしくて見えません。左手で陽射しを遮りながら、グルパマFDJチームの登場を待ちます。


チームプレゼンテーションの横では、パオロ・ベッティーニ、ヴィンチェンツォ・ニバリ、マウリッツィオ・フォンドリエストのイタリアのチャンピオン3人がTV解説をやっていました。遠巻きにニバリさんに手を振ると、こちらに気付いてびっくりしてました。(ちなみにキット北村はニバリさんのツール・ド・フランスさいたまクリテリウム来日時の付き人です。)

チームプレゼンテーションを終えて、イタリア人友達のポッドキャスト出演のために着替えていると、ストラーデ・ビアンケガールズさんから『一緒に写真を撮ってくれませんか?』と声が掛かったので、一緒に記念撮影をしました。

イタリアの伝説的チャンピオン3人がTV解説する姿に興奮 photo:Kitto Kitamura
華やかなストラーデ・ビアンケガールズと嬉しい記念撮影 photo:Kitto Kitamura


陽気なポッドキャスターらと美味なキャンティワインで乾杯 photo:Kitto Kitamura

チームプレゼンテーション終えた後、チームバスへと選手のインタビューをしていたポッドキャスターのマルチェロさんとマルコさんに『トスカーナと言えばキャンティ!キャンティワインを飲みに行くぞ!』と誘われ、カンポ広場のバーで乾杯しました!ホテルに戻って、ツアー参加者が自己紹介しながらの夕食です。翌日のプロレース観戦に臨みます。

翌朝、スポルティブブレイクス社主催のグループライドです。ガイドのアンドレアさんを中心にストラーデ・ビアンケのコースの試走に向かいます。ざっと参加者は40人ぐらいでしょうか?今回、スポルティブブレイクス社の参加者は3つのホテルに分かれて泊まっているので、知らない顔もちらほら散見されました。レンタルバイクはほぼスコットでした。このグループライドには、キット北村欠席です。何故ならグループライドではなくプロレースのスタート地点に向かうからです。

朝の爽やかな空気の中 40人が集うグループライドがスタート photo:Kitto Kitamura
スポルティブブレイクス社主催のグループライドは総勢40名ほど参加する photo:Kitto Kitamura


伝説のメカニックのペンゴさんとチャンピオンのガルゼッリさんと奇跡の3ショット撮影 photo:Kitto Kitamura
スタート観戦オプションツアーに申し込んだ参加者御一行様がいました photo:Kitto Kitamura



隣のシェラトンホテルにあるピッポさんのイベントテントに挨拶に向かうと、ダミアーノ・クネゴのメカニックとして有名だったエンリコ・ペンゴさんがいました。"おっ、ペンゴさん久しぶり!ピッポさんのイベントのメカニックとして手伝いしているんだね。元ランプレメンバーに写真送るから写真を撮ろうよ!"と話すと、『俺なんかより、ほらっ、あそこにステファノ・ガルゼッリがいるよ!』と言うので、3人で記念撮影しました。そして、ピッポさんには"キット北村のモニュメントを制する旅の最終章:ミラノ~サンレモのサポートを頼むよ!"と話をして、プロレースのスタート地点へと向かいました。
https://www.ciclipengo.it/

プロレースのスタート地点に到着すると、私と同じようにスポルティブブレイクス社のグループライドに参加せずに、スタート観戦オプションツアーに申し込んだ参加者御一行様がいました。イギリス、カナダ、アメリカ、世界各国の自転車好きが参加しています。

グルパマFDJのチームカーはチームブースエリアに遅めに到着しました photo:Kitto Kitamura

鮮やかなグルパマカラーのフィランテSLRが太陽に輝く photo:Kitto Kitamura

グルパマFDJのチームカーはチームブースエリアに遅めに到着しました。たまたま車を運転していたのが去年アルデンヌクラシック三連戦でお世話になったスタッフだったので、これで無事チーム内に潜入出来そうです。フィランテSLRグルパマカラーがズラリと並んだ姿は壮観ですね。ウィリエール製のハンドルバーにはVバー、Fバー、Zバーと様々です。

ウィリエールのチームサポート担当のマッティア・パロンビーニさんと談笑していると、これまたウィリエールにゆかりのあるダニエーレ・ベンナーティさんが挨拶に来られました。イタリアナショナルチームの監督をされていて、ナショナルチームカラーのフィランテSLRに乗ってくれています。

ウィリエールにゆかりのあるダニエーレ・ベンナーティさんが挨拶に来られました photo:Kitto Kitamura

パリオリンピックで銀メダルに輝いたヴァランタン・マドゥアス選手です photo:Kitto Kitamura

総合系のエースであるダヴィド・ゴドュ選手も登場です photo:Kitto Kitamura

パリオリンピックで銀メダルに輝いたヴァランタン・マドゥアス選手です。ミケのホイールの使い心地を聞けました!ミケのホイールは決して超軽量なホイールではないが、速く走れて頑丈なのでお気に入りだそうです。

総合系のエースであるダヴィド・ゴドュ選手です。事前情報でけっこう気難しい方だと聞いていたのですが、とても優しく接して頂いて良かったです。グルパマFDJの全選手の見送りを終えたので、チームカーもチームバスも撤収です。一旦ホテルに帰って、今度はイタリアの友達と合流してプロレースの応援にル・トルフェへと向かいます!

ル・トルフェでマルコ・パンターニの応援をしているグループを探しました photo:Kitto Kitamura

パンターニファンクラブの皆さんから頂いたパニーニとワインをご相伴にあずかります photo:Kitto Kitamura
友達のエウジェニオさん(黒いTシャツのおじさん)が到着 photo:Kitto Kitamura



ル・トルフェを登り切った所でのフィードゾーンでチームカーが補給の準備をしていました photo:Kitto Kitamura

イタリアの友達との待ち合わせが、マルコ・パンターニファンクラブ前に集合だったので、ル・トルフェでマルコ・パンターニの応援をしているグループを探しました。友達が来るまで、パンターニファンクラブの皆さんから頂いたパニーニとワインをご相伴にあずかります。ファンクラブの皆さんとお話をしていると11年ほど前に訪れたパンターニ博物館で良くしてもらったおじさんの親戚だそうです。片言のイタリア語なので、11年前のパンターニ博物館での写真を見せて、怪しい人ではない事は理解してもらえたようです。

友達のエウジェニオさん(黒いTシャツのおじさん)が到着、彼の通訳でパンターニの姪っ子さんを紹介してもらいました。写真で黄色いニット帽を被っているのが、マルコ・パンターニの姪:セレナ・ボスケッティさんでした。(パンターニの妹であるマノラ・パンターニの娘)パンターニファンクラブの皆さんには大変良くしてもらって、BBQも頂きました。食べ終えると、いよいよル・トルフェの勝負所へと向かいます。

ル・トルフェの中でも一番盛り上がっている区間です photo:Kitto Kitamura

イタリアの友人でポッドキャスターのマルチェロさんとマルコさんとル・トルフェで再び合流し、再びポッドキャスト出演 photo:Kitto Kitamura
去年アムステルゴールドでお世話になったツアーガイドのクリストフ・スメケンスさんと会えました photo:Kitto Kitamura



けたたましいヘリコプターの音が近づき、オフィシャルカーが走ってきて、観客のボルテージは最高潮です photo:Kitto Kitamura

ル・トルフェの激坂を2回通過するのですが、ル・トルフェを登り切った所でのフィードゾーンでチームカーが補給の準備をしていました。ル・トルフェの中でも一番盛り上がっている区間です。選手が到着するまで、まだ1時間ぐらいあるんですが応援の観客でグチャグチャです。しかし、1時間後にはこのエリアの人口密度はこれからこの3倍に膨れ上がります。

イタリアの友人でポッドキャスターのマルチェロさんとマルコさんとル・トルフェで再び合流し、再びポッドキャスト出演です。ル・トルフェを歩いていると"ヘイ、キット!"と声が掛かりました。振り返ると去年アムステルゴールドでお世話になったツアーガイドのクリストフ・スメケンスさんです。今回は別のツアー会社の引率でイタリアに来ているそうです。

ピドコック選手がポガチャル選手を引き連れてやってきました photo:Kitto Kitamura

グルパマFDJの選手も落車したのでしょう、右半身に傷を負っています photo:Kitto Kitamura

チームカーが勢いよく走ってきます photo:Kitto Kitamura

1回目のル・トルフェの上りです。直前にタデイ・ポガチャル選手が落車したとの話なので、トム・ピドコック選手が圧倒的に有利でしょう。けたたましいヘリコプターの音が近づき、オフィシャルカーが走ってきて、観客のボルテージは最高潮です。

ピドコック選手がポガチャル選手を引き連れてやってきました。ポガチャル選手が何とかピドコック選手に喰らいついているような雰囲気だと思いましたが、ポガチャル選手の目が全然死んでいません。グルパマFDJの選手も落車したのでしょう。ポガチャル選手ほどではないですが右半身に傷を負って走っています。

第一集団が過ぎ去ると、その後を追ってチームカーが勢いよく走ってきます。観客とチームカーは接触スレスレな状態です。数日前からポッドキャストに出演しているせいか?ポッドキャストを聞いてくれたイタリアのファンが私に会いに来てくれました。理由はよく分かりませんが、イタリアで知らない人によく食べ物や寝る所を提供してもらえるので、いつかイタリア放浪の旅をしたいと思います。

ポッドキャストを聞いてくれたイタリアのファンが会いに来てくれました photo:Kitto Kitamura

2回目のル・トルフェの上りで、まさかのポガチャル選手の独走 photo:Kitto Kitamura
ポガチャル選手から遅れる事1分。ピドコック選手がやってきました photo:Kitto Kitamura


ヴァランタン・マドゥアス選手も戻ってきました photo:Kitto Kitamura

2回目のル・トルフェの上りです。まさかのポガチャル選手の独走です。あれほどの落車をして傷を負った選手が優勝するなんて前代未聞です。正直信じられません。ロード選手はF1カーと同じで、速く走れるが繊細で壊れやすいものだと思っていましたが、ポガチャル選手はF1カーの速さでブルドーザー並みの耐久力があるのでしょう。

ポガチャル選手から遅れる事1分。ケガをしていないピドコック選手がやってきましたが、地面を見て走っていて大変苦しそうです。ヴァランタン・マドゥアス選手も戻ってきました。勝負所で前に出られなかったので、まだ力の余裕はありそうでした。

ル・トルフェから徐々にホテルへと戻りながら、集団から遅れた選手達を応援します photo:Kitto Kitamura

XDSアスタナのミケーレ・パリーニさんが覚えていてくれました photo:Kitto Kitamura

ある程度の集団がゴールへと向かったので、観客は徐々に退却を始めています。私もル・トルフェから徐々にホテルへと戻りながら、集団から遅れた選手達を応援します。

後続集団を応援していると、各チームのチームカーも選手の後方に付いてゴールを目指します。颯爽とXDSアスタナチームのチームカーが眼の前を通り過ぎ、何と私から30m過ぎたあたりで沿道に車が乗り上げました。"何事か?"と思ってチームカーを見ると、助手席の窓からは見慣れた顔が!去年・一昨年とお世話なったマッサーのミケーレ・パリーニさんでした。"よく爆走するチームカーから私の顔を認識出来るもんだなぁ!"と感心しました。5年間私はアスタナチームにお世話になりましたが、プロレースの世界で顔を憶えられたというのは大変光栄な事です。ミケーレさんとは1分ほど雑談をして、もうゴール地点でのセレモニーには間に合いそうにないのでホテルへと戻りました。

プロレースの観戦からホテルに戻り、夕方6時から翌日のグランフォンドのためのチームブリーフィングが行われました。ガイドのアンドレアさんからは『スタートしてから20㎞までは、集団が安定しないので無理をしないように!いつもここで落車が発生します。また、スポルティブブレイクス社がツアー参加者専用のフィードゾーンを用意しますので、大混雑するオフィシャルのフィードゾーンは使用しなくて良いですよ!』とのアドバイスを頂きました。

翌日のグランフォンドのためのチームブリーフィングが行われました photo:Kitto Kitamura

スポルティブブレイクス社がゼッケンなどを手配してくれました photo:Kitto Kitamura
ナンバープレートとレースセンサーチップ取り付けて、翌日いよいよ自らの出走です! photo:Kitto Kitamura



通常であれば、参加者自らストラーデ・ビアンケのレセプション会場に赴き、ゼッケンやレースセンサーチップ等を受け取りに行かねばならないのですが、今回はツアー旅行なんで、そこはスポルティブブレイクス社がやってくれました。ナンバープレートとレースセンサーチップ取り付けて、翌日いよいよ自らの出走です!つづく…。

ストラーデ・ビアンケ市民レース参戦記に続く…

Special Thanks to
Andrea Ferrigato (Sportive Breaks & Girolibero)
Marcello Finelli (Scannellatori Seriali)
Marco Pianura (Scannellatori Seriali)
Enrico Pengo (Cicli Pengo)
Stefano Garzelli
Mattia Palombini (Wilier Triestina)
Daniele Bennati
Team Groupama FDJ
Eugenio Malaspina (in Giro News)
Caterina Bolzonella (in Giro News)
Serena Boschetti (Pantani Fan Club)
Chirstophe Smekens
Michele Pallini (XDS Astana Team)


Report:Kitto Kitamura

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