パリ〜ルーベを控えるトップスプリンターが多数出場したシュヘルデプライス。集団スプリントでティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がフィリプセンら退け、連覇を達成した。



パリ〜ルーベを控えるヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

4月9日(水)に行われたシュヘルデプライス(UCI1.Pro)は、初開催が1907年まで遡るベルギー・フランドル地方最古のワンデーレースだ。今年で113回目を迎えた伝統の一戦の舞台は、オランダ・テルネーゼンからベルギー・スコーテンを結ぶ202.8km。コースには石畳区間を含む周回セクションが設定され、これを3周するものの、難易度は低いため毎年集団スプリントが繰り広げられている。

スタート地点の集団先頭には、昨年覇者ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)と過去2度優勝しているヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が並ぶ。パリ〜ルーベを控える2人の他にはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)など、「ダイヤモンド・クラシック」という別名に相応しい豪華なスプリンターたちが顔を揃えた。

プロトン先頭に人数を集め、ペースメイクしたリドル・トレック photo:CorVos

この日はバティスト・ヴァイストロファー(フランス、ロット)ら4名が逃げグループを作り、メイン集団はスーダル・クイックステップやエドワルト・トゥーンス(ベルギー)をエースに据えるリドル・トレックが牽引する。周回コースに入るとその差は徐々に縮まり、残り20km地点でその差は22秒。するとサム・ウェルスフォード(オーストラリア)を擁するレッドブル・ボーラ・ハンスグローエも先頭でペースを作り始めた。

最終周回に入り、セリエル・デサル(ベルギー、ワグナー・バザンWB)が唯一粘るなか、その姿を捉えたプロトンで大規模な落車が発生する。ウェルスフォードが巻き込まれたため、レッドブルはリードアウト役のダニー・ファンポッペル(オランダ)でのスプリントに切り替える。そしてデサルを吸収した集団は石畳を越え、集団スプリントが幕を開けた。

圧巻のスプリントで連覇を達成したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

シモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック)のリードアウトからトゥーンスがスプリントを開始する。しかしフィリプセンがすぐに追い抜くと、その横にメルリールが並ぶ。両者のトップスピードの差は明らかで、残り30mでメルリールは先頭に立つとそのままフィニッシュに飛び込んだ。

ヨーロッパ王者ジャージが見せた圧巻のスプリント。「シュヘルデプライスでの勝利が今春の目標の1つだった。また家族の前で勝つことがとても嬉しいよ。日曜(パリ〜ルーベ)に向けて自信となった」と、大会連覇を達成したメルリールは喜んだ。

息子と共に表彰台に上がったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

2位はフィリプセン、3位には今季2勝と好調のマッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)が入っている。
シュヘルデプライス2025結果
1位 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 4:15:15
2位 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
3位 マッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)
4位 ミラン・フレティン(ベルギー、コフィディス)
5位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
6位 スタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、コフィディス)
7位 マックス・カンター(ドイツ、XDSアスタナ)
8位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
9位 パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL)
10位 サシャ・ウィーマース(ベルギー、ワグナー・バザンWB)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)