オマール・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)が今シーズン限りでの引退を発表した。ブエルタ・ア・エスパーニャで2年連続山岳賞を獲得した、バスク出身の34歳クライマーだ。



2年連続でマイヨモンターニャを獲得したオマール・フライレ(スペイン) photo:CorVos

「さよならを言う時がきた。プロになって14年、ワールドチームで10年走ることができた。素晴らしい思い出や人との出会いがあったのだが、ここ数年は家を離れることが段々と辛くなってきた」と、フライレ自身のSNSに投稿した動画で引退の理由と心境を語った。

2013年にカハルラル・セグロスRGAでプロデビューしたフライレは、バスク出身選手らしい急坂を得意とするクライマーだ。その後ディメンションデータとアスタナを経て、2022年からはイネオス・グレナディアーズに所属。キャリア初期のハイライトは初出場となった2015年のブエルタ・ア・エスパーニャで、積極的な逃げから山岳賞を獲得。翌年も同賞に輝き、2年連続で山岳ジャージをマドリードに届けた。

2018年ツール・ド・フランス第14ステージで勝利したオマール・フライレ(スペイン、当時アスタナ) photo:Luca Bettini

プロ通算8勝の中でも特筆すべきはグランツールで掴んだ2勝だ。2017年のジロ・デ・イタリアでグランツール初勝利を飾ると、2018年のツール・ド・フランスではさらに大きな勝利を掴む。中央山塊が舞台の第14ステージで、ペテル・サガンやジュリアン・アラフィリップといった強豪が含まれる逃げ集団に乗り、終盤の独走から見事ステージ優勝を果たした。

2021年にはスペイン選手権ロードレースで優勝し、直近は2023年ブエルタ・ア・アンダルシアで勝利を挙げているフライレ。有終の美を飾る舞台として、自身が「特別な思いがある」と語るブエルタでの現役最後のレースを予定。「今年は(出身地である)スペイン北部を巡る。特に故郷の近くを走るステージでは、僕にとって非常に重要だったバスクのファンに別れの挨拶をしたい」と語り、キャリア最後の目標としてブエルタでのステージ優勝を狙う。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos