急坂と石畳のドワルス・ドール・フラーンデレンは、終盤に形成された4名のスプリントで決着。ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)がスプリントでファンアールトを退け、1対3という不利な状況から初優勝を飾った。



昨年は落車で大怪我を負ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

4月2日(水)に行われたドワルス・ドール・フラーンデレンは、ロンド・ファン・フラーンデレンを4日後に控えたセミクラシック。舞台はベルギー北西部フランドル地方のローセラーレからワレヘムまでの184.2kmで、コースには17箇所の急坂や石畳、あるいはその両方を含む区間が登場。フレミッシュ・アルデンヌを駆け巡る本大会には、ロンドに向かう有力選手が多数出場した。 

なかでも優勝候補に挙げられたのは、意外にもこのレースでの優勝経験のないワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)。昨年大会では落車により大怪我を負い、その無念を前年覇者マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)と共に払拭するべく出場。またマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)やスプリンターのヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)など有力選手たちも顔を揃えた。

激しいアタック合戦から形成された逃げ集団 photo:CorVos

アクチュアルスタートの旗が振られた直後からアタックが連続し、激しい動きが約1時間続いた末、ようやく5名の逃げ集団が形成される。しかし急坂区間に入ると逃げグループの人数が絞られていき、逃げの名手であるタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)らが脱落。残り80km地点で先頭は、デンマーク王者ラスムス・ピーダスン(デカトロンAG2Rラモンディアール)と同国出身ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツXRG)の2名に絞られた。

それを追うメイン集団はアルペシンが中心に先導し、レース後半に入るとヴィスマにスイッチする。ファンアールトが自ら集団を牽引する場面もありながら、プロトンからニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む3名がアタックし、ビョーグたち先頭2名に合流。これに対し、今度はファンアールトらヴィスマの4名が追走を開始した。

チームタイムトライアルのように姿勢を低く、1列棒状で進むヴィスマの4名(アッフィニ、ベノート、ジョーゲンソン、ファンアールト)は先行する選手たちとの差を縮め、残り70km地点でジョイン。この動きの中でジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を含む数名が脱落し、アッフィニも役割を終えて遅れていったため、結果的にレース先頭は7名の精鋭集団となった。

先頭集団を追いかけるヴィスマ・リースアバイク photo:CorVos

先頭集団を視界に捉えているプロトンからは、残り55km地点のクノクテベルグでマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が加速する。その背後にはこの日が25歳の誕生日であるビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)も食らいつき、前を追いかける。しかし先頭はヴィスマがパウレス以外を振り落とすハイペースに持ち込み、約30秒のリードを保ちながら進んだ。

順調に距離を消化していく先頭と対極的に、追走では協調が取れないアタックが連続する。また横風による集団分断(エシュロン)や落車が多発。それが先頭の4名(ベノート、ジョーゲンソン、パウレス、ファンアールト)には追い風となり、1分まで拡げたリードのまま、勝負はスプリントに持ち込まれた。

先頭はヴィスマの3名にニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)を加えた4名に絞られる photo:CorVos

チームメイト2名を擁し、時に集団スプリントから勝利することもあるファンアールトに対し、パンチャーのパウレスが挑むスプリント。圧倒的にファンアールトが有利と見られた戦いは、ベノートのリードアウトからファンアールトがスプリントを開始する。しかし先にフィニッシュラインを通過したのは、誰しもの予想を外したパウレスだった。

ファンアールトをスプリントで下したニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

「今日は脚に力を感じていたが、あの先頭集団から勝利できるなんて思ってもいなかった。(終盤は)2位になるために走っていたと思っていたぐらい。信じられないし、とても嬉しいよ」と、今シーズン初勝利を喜んだパウレス。4日後のロンド・ファン・フラーンデレンに向けて弾みをつけた。

一方、ファンアールトはスプリント中に脚が攣ったことにより勝利を逃す。「これは全て僕の責任だ。ティシュとマッテオ、そして監督にはスプリントに持ち込むべきだと進言した。ニールソンに勝てる自信があったのだが、結果的に大きな間違いを冒してしまった。3人がいた完璧な状態から負けたんだ。僕の責任だ」と、悔しさを語っている。

勝利を逃し、肩を落とすワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ドワルス・ドール・フラーンデレン2025表彰台:2位ファンアールト、1位パウレス、3位ベノート photo:CorVos
ドワルス・ドール・フラーンデレン2025結果
1位 ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) 3:57:14
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
3位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
4位 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:05
5位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) +0:45
6位 ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
7位 ドリース・デボント(ベルギー、デカトロンAG2Rラモンディアール) +0:47
8位 アリエン・リヴィンズ(ベルギー、ロット)
9位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
10位 アレック・セガールト(ベルギー、ロット)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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