3月30日に開催されたJクリテリウムツアーの第2戦「宇都宮清原クリテリウム」は、集団でのスプリント勝負に持ち込まれ、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)との競り合いを制した孫崎大樹が優勝。ヴィクトワール広島移籍後初勝利を挙げた。



コースと並走する宇都宮ライトレール(写真は女子) photo:Satoru kato

今年からスタートした「Jクリテリウムツアー」の第2戦は「宇都宮清原クリテリウム」。宇都宮市街の東に位置する清原工業団地周辺の公道に1周3kmの周回コースを設定してのクリテリウムだ。2023年8月に開業した「宇都宮ライトレール」がコースの一部で並走し、コース近くの駅から会場までは徒歩5分と、宇都宮市街からのアクセスも良くなった。

チームプレゼンテーションに登壇した宇都宮ブリッツェンに多くの声援
前日の真岡芳賀ロードレースに続きオープン参加した寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム、写真左)と、小山智也(Burgos Burpellet BH) photo:Satoru kato


前日の極寒のレースから一転、朝から晴れて陽差しが暖かな1日。とは言え午後の決勝レースがスタートする頃には雲が広がって冷たい北風が強り、ホームストレートで追い風となり、スプリント勝負への影響が予想された。

地元チームの宇都宮ブリッツェンがスタートライン最前列に並ぶ photo:Satoru kato

コース唯一の減速・加速を伴うヘアピンコーナー photo:Satoru kato

コースは1周3kmの長方形にヘアピンを追加して「凹」の字を描くように走るレイアウト。アップダウンのないフラットコースは、ハイスピードでレースが展開していく。2組に分けての予選が行われ、各組60名が決勝に進出。今回は決勝進出120名中23名をE1カテゴリーの選手が占めた。地元宇都宮ブリッツェンの下部組織ブラウ・ブリッツェンの選手も6名が決勝に残り、地元開催レースへの意気込みを見せた。

序盤、織田聖(マトリックスパワータグ)が飛び出す photo:Satoru kato

集団が割れそうな場面もあったが差は広がらず photo:Satoru kato

スタート直後からペースが上がり、4分を切るハイペースのラップタイムを刻んで周回を重ねていく。チームブリヂストンサイクリング、キナンレーシングチーム、ヴィクトワール広島などが集団前方で目立つ動きを見せるが、主導権を握るチームが無いままレースは中盤まで進む。

終盤にかけて集団が長く伸び始める photo:Satoru kato

残り2周、チームブリヂストンサイクリングのメンバーが集団前方に集まる photo:Satoru kato

終盤に入っても明確に集団をコントロールするようなチームは現れず、小集団が先行しそうな場面もあったが、1周以上続くような逃げにはならない。残り3周を切るとチームブリヂストンサイクリングのメンバーが集団前方に集まり始める。しかしスプリント勝負に持ち込みたい他チームの動きを抑えきれず、各チーム入り乱れた状態で最終周回に入る。

最終周回、番手につける孫崎大樹(ヴィクトワール広島) photo:Satoru kato

岡篤志(宇都宮ブリッツェン)と孫崎大樹(ヴィクトワール広島)が集団先頭で競り合う photo:Satoru kato

孫崎大樹(ヴィクトワール広島)が優勝 photo:Satoru kato

残り1kmを切り、チームブリヂストンサイクリングが再び隊列を整えたが「岡篤志(宇都宮ブリッツェン)選手が後方から飛んでいったので飛びついた」と孫崎大樹(ヴィクトワール広島)が言うように、残り200mの最終コーナーを岡、孫崎の順でクリアし、最後のスプリント勝負へ。孫崎が岡をまくり切って先着し、ヴィクトワール広島に今季1勝目をもたらした。

表彰式 photo:Satoru kato

孫崎大樹コメント
「激しいレースになるだろうと予想して、チームとしては逃げに注意しつつ前々で行くことにして、僕は集団内で温存してスプリント勝負に備えていた。最終周回は僕と中村(圭佑)選手が一緒にいて良い位置を取れていたが、最後のヘアピンで中村選手が接触でペダルを外してしまい位置取りを下げてしまった。でもすぐにリカバリーした。最終コーナー前でブリヂストンの列車が失速気味になったので、岡選手の番手につけて最終コーナーを回った。

中間スプリントで京都産業大学の選手が強くてモガいて脚を使っていたので、岡選手とのスプリントはキツかったけれど、自分のタイミングで行けば差せる自信はあった。今までこのクリテリウムでは毎回表彰台に乗っているが優勝がなく、自分が勝つ役割で走ったのはこれが3回目でようやく勝てた。僕としては志布志か宇都宮で最低1勝、できれば2勝と思っていたので、及第点は取れた。チームの目標は今シーズン5勝なので、今後も勝利を量産できるようにしたい」
Jクリテリウムツアー第2戦 宇都宮清原クリテリウム結果(60km)
1位 孫崎 大樹(ヴィクトワール広島) 1時間18分2秒
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3位 黒枝 士揮(Sparkle Oita Racing Team)
4位 日野 泰静(Velolien松山)
5位 松田 祥位(チームブリヂストンサイクリング) +1秒
6位 シーム・キスコネン(レバンテフジ静岡) +1秒
ベストチーム賞 ヴィクトワール広島 photo:Satoru kato
スプリントリーダージャージは日野泰静(Velolien松山)に移った photo:Satoru kato


Jクリテリウムツアーリーダー 日野泰静(Velolien松山)
中間スプリント賞 孫崎 大樹(ヴィクトワール広島)
敢闘賞 織田 聖(マトリックスパワータグ)
ベストチーム賞 ヴィクトワール広島
U23賞 柚木 伸元(KINAN Racing Team)



女子優勝 阿部花梨(イナーメ信濃山形-F) photo:Satoru kato

マスターズ優勝 遠藤優(Roppongi Express) photo:Satoru kato

E2優勝 小嶋渓円(MiNERVA-asahi) photo:Satoru kato
E3優勝 嶋田祥(NEBcycling)はギリギリ先着 photo:Satoru kato



text&photo:Satoru Kato

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