2025/03/31(月) - 09:12
第87回ヘント〜ウェヴェルヘムで圧倒的な力を制したのは好調マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)。ラスト56km独走という王者の走りでロンドに向けて弾みを付けた。

第一次世界大戦で戦死した兵士を弔う戦争記念碑「メニン門」からスタート photo:CorVos
ミラノ〜サンレモを終えた欧州クラシックシーズンは再びベルギーのフランドル地方へ。3月30日(日)に開催された「ヘント〜ウェヴェルヘム(UCI1.ワールドツアー)」は、西フランドル地域の丘陵地帯や石畳を駆け巡る伝統と格式あるクラシックレース。ただし250kmコースのうち3回登る「ケンメルベルグ」も含めて登坂区間は合計9箇所と、どちらかと言えばスプリンター向きのレースだ。
各チームのエースナンバー「1」を付けるのは、今期既に6勝とワールドツアー選手の中で最多勝利を誇るティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)や、昨年大会ラストのマッチスプリントでマチュー・ファンデルプール(今回は不出場)を下したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)といったスプリンターたち。
さらにはティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)といったクラシックハンター勢も来たるロンドに向けての重要なステップとして集結。今回はファンデルプールの他にタデイ・ポガチャルやワウト・ファンアールトといった面々が欠場したため集団スプリントの可能性が高いと思われていたが、そう簡単な展開とはならなかった。

合計3度登るケンメルベルグ。最大勾配は16%に及ぶ photo:CorVos

横風区間でリドル・トレックが分断作戦を決行。ここからレースが始まった photo:CorVos
この日は序盤のアタック合戦を経て、ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)を含む9名がエスケープ。ピーダスンの他にもジョナタン・ミラン(イタリア)をエースに据えるリドル・トレックの牽引で「台風の前の静けさ」とも呼べる100km地点までを消化したが、海沿いから内陸に進行方向を変えたタイミングで横風分断が発生。風向きを読んだリドルの攻撃によって約30名が先行し、合流、更なるアタックを繰り返しながら石畳/丘陵セクションへと突入した。
遅れたドゥリーがリタイアする(後のチーム発表で回復のためドワルス・ドールとロンドを欠場するという)のを尻目に飛ばす集団の勢いは止まることろを知らない。優勝候補勢も次々とアタックを繰り出し、ピーダスンの攻撃で集団はいよいよ木っ端微塵に。ピーダスンに追従したフィリプセンがパンクで後退、集団内でも落車が起こる混沌とした状況で、ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)とピーダスンが逃げグループに追いついた。

ピーダスンに追従したものの、痛恨のタイミングでパンクしたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

ケンメルベルグで攻撃を仕掛け、独走に持ち込んだマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

ラスト56kmを独走するマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos
後手を踏んだチームが必死に追走したものの、勢いよく逃げるピーダスンたちとの距離詰められず、残り57km地点の「ケンメルベルグ(登坂距離500m/平均勾配11.9%/最大16%)」では「何を考えていたかよく覚えていないけど、追い風が味方してくれた」と言うピーダスンがアタック。攻撃一発でライバル勢を引き離した元世界王者の独走が始まった。
「足の調子が良かったので攻撃しようと思っていたけれど、ある時点でもう後戻りできなくなっていたんだ。悪い結果になる可能性もあったけれど、幸い今日はうまくいった。いい判断だったと思う」と言うピーダスンは快調なペースを刻み、横風区間で消耗していたメイン集団からリードを奪い取っていく。最終的に90秒以上のリードを築いた元世界王者が逃げ切りに青信号を灯らせた。
金曜日のE3サクソクラシックで2位となったピーダスンが、じっくりと勝利の喜びを噛み締めながらフィニッシュへ。残り72km地点で集団から飛び出し、残り56kmのケンメルベルグで独走に持ち込む王者の走りで250kmレースを走り終えた。

自身3度目のヘント制覇を遂げたマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

ヘント〜ウェヴェルヘム2025表彰台:1位ピーダスン、2位メルリール、3位ミラン photo:CorVos
「こんなことができるだなんて思ってもみなかったよ。間違いなくキャリアの中で最高のコンディションで、金曜日と今日の結果がそれを裏付けてくれている。最後の5kmではもの凄い勢いで集団が迫っていたので気を抜けなかったけど、最後の300〜400mで勝利を実感できた」とプロ通算50勝目とともに、2020年、2024年に続くヘント3勝目(最多勝利タイ)を挙げたピーダスンは言う。リドルは49秒遅れのメイン集団スプリントでミランが2着に入ったため1・3フィニッシュに成功。さらに女子レースではエリーザ・バルサモ(イタリア)が2位になるという大成功の一日に。
絶好調ピーダスンは日曜日のロンドにも出場予定だが、ファンデルプールとポガチャルとの差は大きいと自重する。「マチューはE3で向かい風のラスト40kmからアタックしたんだ。でも僕は今日追い風が必要だった。タデイも秀逸なクラシックハンターだから同じ走りができるだろう。今日の勝利が自信を与えてくれることは確かだけど、決して簡単なものはないとは分かっているよ」と加えている。

ミラノ〜サンレモを終えた欧州クラシックシーズンは再びベルギーのフランドル地方へ。3月30日(日)に開催された「ヘント〜ウェヴェルヘム(UCI1.ワールドツアー)」は、西フランドル地域の丘陵地帯や石畳を駆け巡る伝統と格式あるクラシックレース。ただし250kmコースのうち3回登る「ケンメルベルグ」も含めて登坂区間は合計9箇所と、どちらかと言えばスプリンター向きのレースだ。
各チームのエースナンバー「1」を付けるのは、今期既に6勝とワールドツアー選手の中で最多勝利を誇るティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)や、昨年大会ラストのマッチスプリントでマチュー・ファンデルプール(今回は不出場)を下したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)といったスプリンターたち。
さらにはティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)といったクラシックハンター勢も来たるロンドに向けての重要なステップとして集結。今回はファンデルプールの他にタデイ・ポガチャルやワウト・ファンアールトといった面々が欠場したため集団スプリントの可能性が高いと思われていたが、そう簡単な展開とはならなかった。


この日は序盤のアタック合戦を経て、ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)を含む9名がエスケープ。ピーダスンの他にもジョナタン・ミラン(イタリア)をエースに据えるリドル・トレックの牽引で「台風の前の静けさ」とも呼べる100km地点までを消化したが、海沿いから内陸に進行方向を変えたタイミングで横風分断が発生。風向きを読んだリドルの攻撃によって約30名が先行し、合流、更なるアタックを繰り返しながら石畳/丘陵セクションへと突入した。
遅れたドゥリーがリタイアする(後のチーム発表で回復のためドワルス・ドールとロンドを欠場するという)のを尻目に飛ばす集団の勢いは止まることろを知らない。優勝候補勢も次々とアタックを繰り出し、ピーダスンの攻撃で集団はいよいよ木っ端微塵に。ピーダスンに追従したフィリプセンがパンクで後退、集団内でも落車が起こる混沌とした状況で、ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)とピーダスンが逃げグループに追いついた。



後手を踏んだチームが必死に追走したものの、勢いよく逃げるピーダスンたちとの距離詰められず、残り57km地点の「ケンメルベルグ(登坂距離500m/平均勾配11.9%/最大16%)」では「何を考えていたかよく覚えていないけど、追い風が味方してくれた」と言うピーダスンがアタック。攻撃一発でライバル勢を引き離した元世界王者の独走が始まった。
「足の調子が良かったので攻撃しようと思っていたけれど、ある時点でもう後戻りできなくなっていたんだ。悪い結果になる可能性もあったけれど、幸い今日はうまくいった。いい判断だったと思う」と言うピーダスンは快調なペースを刻み、横風区間で消耗していたメイン集団からリードを奪い取っていく。最終的に90秒以上のリードを築いた元世界王者が逃げ切りに青信号を灯らせた。
金曜日のE3サクソクラシックで2位となったピーダスンが、じっくりと勝利の喜びを噛み締めながらフィニッシュへ。残り72km地点で集団から飛び出し、残り56kmのケンメルベルグで独走に持ち込む王者の走りで250kmレースを走り終えた。


「こんなことができるだなんて思ってもみなかったよ。間違いなくキャリアの中で最高のコンディションで、金曜日と今日の結果がそれを裏付けてくれている。最後の5kmではもの凄い勢いで集団が迫っていたので気を抜けなかったけど、最後の300〜400mで勝利を実感できた」とプロ通算50勝目とともに、2020年、2024年に続くヘント3勝目(最多勝利タイ)を挙げたピーダスンは言う。リドルは49秒遅れのメイン集団スプリントでミランが2着に入ったため1・3フィニッシュに成功。さらに女子レースではエリーザ・バルサモ(イタリア)が2位になるという大成功の一日に。
絶好調ピーダスンは日曜日のロンドにも出場予定だが、ファンデルプールとポガチャルとの差は大きいと自重する。「マチューはE3で向かい風のラスト40kmからアタックしたんだ。でも僕は今日追い風が必要だった。タデイも秀逸なクラシックハンターだから同じ走りができるだろう。今日の勝利が自信を与えてくれることは確かだけど、決して簡単なものはないとは分かっているよ」と加えている。
ヘント〜ウェヴェルヘム2025結果
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | 5:30:21 |
2位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:49 |
3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
5位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック) | |
6位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ) | |
7位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
8位 | イェノ・ベルクムース(ベルギー、ロット) | |
9位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ローレンス・レックス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
DNF | 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) |
text:So.Isobe
Amazon.co.jp
【タカナシミルク公式通販】 パティシエ・シマ 東京の石畳 9粒入 生 チョコレート ギフト プレゼント バレンタイン 会社 同僚 上司 親戚 友人 友チョコ 本命チョコ 義理チョコ パティシエ・
タカナシミルク
¥2,579 (¥2,579 / 個)