2025/03/31(月) - 05:21
3月29日、気温10℃に満たない極寒の中行われたJプロツアー第2戦「真岡芳賀ロードレース」は、レース中盤に先行した4名が逃げ切り、フォン・チュンカイが優勝。宇都宮ブリッツェンに5年ぶりのJプロツアー地元レース優勝をもたらした。

極寒の雨の中スタート photo:Satoru Kato
鹿児島での開幕戦から1ヶ月のインターバルを挟んでの開催となったJプロツアー。第2戦「真岡芳賀ロードレース」は、栃木県宇都宮市の東に位置する真岡市と芳賀町にまたがる1周7.2kmの公道コースでのレースとなる。斜度が急な登りは無いものの、スタート・フィニッシュ地点となる井頭公園の前後は直角コーナーが連続する区間があり、コース幅の変化などと相まって集団が長く引き伸ばされ、周回を重ねるごとに消耗を誘う。

咲きそろったばかりの桜の木 photo:Satoru Kato
前日は宇都宮市内でも夏日に迫る暑さだったが、この日は気温が急降下して10℃にも届かない1日。Jプロツアーがスタートした午後になっても5℃前後と、真冬の寒さの中でのレースとなり、降り続く雨が追い打ちをかけた。あまりの寒さにレース距離の短縮も検討されたが、予定通り17周122.4kmで行われた。

寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム)が集団を引き伸ばす photo:Satoru Kato

レース中盤に先行した3名 photo:Satoru Kato
序盤からペースが上がる中、7周目に白川幸希(ヴィクトワール広島)、谷順成(宇都宮ブリッツェン)、高梨万里王(レバンテフジ静岡)ら3名が先行。8周目には吸収されるものの、3名の追走をきっかけに集団が分断され、20名ほどの先頭集団が形成される。

9周目に形成された5名の先頭集団 photo:Satoru Kato
9周目、その先頭集団から、織田聖(マトリックスパワータグ)、フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)、オープン参加の寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム)、松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)ら5名が先行する。

後続集団はチームブリヂストンサイクリングがペースアップ photo:Satoru Kato
10周目、先行した集団との差が1分近くまで広がると、後続集団はチームブリヂストンサイクリングが中心となってペースアップ。先行した集団から松田が下がって加わり、12周目には15秒差まで一気に差を縮める。しかしその後吸収までは行かず、差が再び広がり始める。

フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)を先頭に進む4名の先頭集団 photo:Satoru Kato

最終周回、先行する4名の後方に集団 photo:Satoru Kato
終盤、30秒前後で推移するタイム差を詰めるべく、チームブリヂストンサイクリングが再度集団牽引を開始。一方で先行する4名は寺田をはじめ独走力のあるメンバーが揃っていることもあって簡単に差を縮めさせない。最終周回に入っても20秒前後の差は縮めきれず、勝負は4名でのスプリントへ。

フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)が優勝 photo:Satoru Kato
ゆるやかな右カーブの先にあるフィニッシュラインに先頭で現れたのはフォン。寺田が追いすがるも届かず、詰めかけたブリッツェンサポーターの前でJプロツアー初優勝を決めた。

表彰式 photo:Satoru Kato
フォン・チュンカイ コメント
「レース前にはプレッシャーを感じていたし、今日は寒くて厳しいレースだったが、ベストを尽くせたと思う。レース序盤からチームでアタックを仕掛け、逃げていた谷(順成)選手が戻ってきたタイミングで、寺田選手とブリヂストンの選手(松田祥位)が行ったので誰か行かねばならないと思い、反応した。終盤は20秒前後の微妙な差が続いていたが、最後まで逃げ切ることに集中した」

プロリーダージャージのホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、左)と、ネクストリーダージャージの渡辺一気(京都産業大学) photo:Satoru Kato

敢闘賞を獲得した寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム) photo:Satoru Kato
一方、逃げ切った4名のペースを作った寺田は2位。オープン参加のため表彰対象外だが、敢闘賞を獲得した。今年からバーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチームに所属する寺田は3月中旬に一時帰国。5月に出場予定のヨーロッパでのレースまで国内で調整すると言う。
寺田吉騎コメント
「寒かったけれど想像以上にコンディションが良くて体が動き、後半に逃げに乗った後も踏み続けられて感触が良かった。捕まりたくなかったので、他の3人とは話す余裕は無かったけれど暗黙の了解というか、逃げ切ることで一致していた。
ギリシャで6レースを走って、コースも厳しかったけれどヨーロッパのレベルの高さを実感させられ、毎日グルペットで悔しい思いをしてきた。今どのくらい力があるのかを確かめたくてこのレースに出てみたが、コンディションは良いことがわかった。5月にまたヨーロッパでのレースに出る予定なので、それまでは国内で出られるレースに出てトレーニングを継続していきたい」

鹿児島での開幕戦から1ヶ月のインターバルを挟んでの開催となったJプロツアー。第2戦「真岡芳賀ロードレース」は、栃木県宇都宮市の東に位置する真岡市と芳賀町にまたがる1周7.2kmの公道コースでのレースとなる。斜度が急な登りは無いものの、スタート・フィニッシュ地点となる井頭公園の前後は直角コーナーが連続する区間があり、コース幅の変化などと相まって集団が長く引き伸ばされ、周回を重ねるごとに消耗を誘う。

前日は宇都宮市内でも夏日に迫る暑さだったが、この日は気温が急降下して10℃にも届かない1日。Jプロツアーがスタートした午後になっても5℃前後と、真冬の寒さの中でのレースとなり、降り続く雨が追い打ちをかけた。あまりの寒さにレース距離の短縮も検討されたが、予定通り17周122.4kmで行われた。


序盤からペースが上がる中、7周目に白川幸希(ヴィクトワール広島)、谷順成(宇都宮ブリッツェン)、高梨万里王(レバンテフジ静岡)ら3名が先行。8周目には吸収されるものの、3名の追走をきっかけに集団が分断され、20名ほどの先頭集団が形成される。

9周目、その先頭集団から、織田聖(マトリックスパワータグ)、フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)、オープン参加の寺田吉騎(バーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチーム)、松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)ら5名が先行する。

10周目、先行した集団との差が1分近くまで広がると、後続集団はチームブリヂストンサイクリングが中心となってペースアップ。先行した集団から松田が下がって加わり、12周目には15秒差まで一気に差を縮める。しかしその後吸収までは行かず、差が再び広がり始める。


終盤、30秒前後で推移するタイム差を詰めるべく、チームブリヂストンサイクリングが再度集団牽引を開始。一方で先行する4名は寺田をはじめ独走力のあるメンバーが揃っていることもあって簡単に差を縮めさせない。最終周回に入っても20秒前後の差は縮めきれず、勝負は4名でのスプリントへ。

ゆるやかな右カーブの先にあるフィニッシュラインに先頭で現れたのはフォン。寺田が追いすがるも届かず、詰めかけたブリッツェンサポーターの前でJプロツアー初優勝を決めた。

フォン・チュンカイ コメント
「レース前にはプレッシャーを感じていたし、今日は寒くて厳しいレースだったが、ベストを尽くせたと思う。レース序盤からチームでアタックを仕掛け、逃げていた谷(順成)選手が戻ってきたタイミングで、寺田選手とブリヂストンの選手(松田祥位)が行ったので誰か行かねばならないと思い、反応した。終盤は20秒前後の微妙な差が続いていたが、最後まで逃げ切ることに集中した」


一方、逃げ切った4名のペースを作った寺田は2位。オープン参加のため表彰対象外だが、敢闘賞を獲得した。今年からバーレーンヴィクトリアス・デベロップメントチームに所属する寺田は3月中旬に一時帰国。5月に出場予定のヨーロッパでのレースまで国内で調整すると言う。
寺田吉騎コメント
「寒かったけれど想像以上にコンディションが良くて体が動き、後半に逃げに乗った後も踏み続けられて感触が良かった。捕まりたくなかったので、他の3人とは話す余裕は無かったけれど暗黙の了解というか、逃げ切ることで一致していた。
ギリシャで6レースを走って、コースも厳しかったけれどヨーロッパのレベルの高さを実感させられ、毎日グルペットで悔しい思いをしてきた。今どのくらい力があるのかを確かめたくてこのレースに出てみたが、コンディションは良いことがわかった。5月にまたヨーロッパでのレースに出る予定なので、それまでは国内で出られるレースに出てトレーニングを継続していきたい」
Jプロツアー2025第2戦 真岡芳賀ロードレース 結果(122.4km)
1位 | フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) | 2時間56分06秒 |
OPN | 寺田吉騎(Bahrain victorious development team・オープン参加) | +1秒 |
2位 | 織田 聖(マトリックスパワータグ) | +1秒 |
3位 | 宮崎泰史(KINAN Racing Team) | +2秒 |
4位 | 渡辺一気(京都産業大学) | +11秒 |
5位 | 児玉誠虎(アヴニールサイクリング山梨) | +11秒 |
6位 | シーム・キスコネン(レバンテフジ静岡) | +11秒 |
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 渡辺一気(京都産業大学)
中間スプリント賞 織田 聖(マトリックスパワータグ)
ベストチーム賞 宇都宮ブリッツェン
U23賞 渡辺一気(京都産業大学)
敢闘賞 寺田吉騎(Bahrain victorious development team・オープン参加)

F(女子)優勝 阿部花梨(イナーメ信濃山形-F) photo:Satoru Kato

E1優勝 横塚浩平(VC福岡、写真右) ©︎JBCF

マスターズ優勝 山本敦(SBC Vertex Racing Team) photo:Satoru Kato
tet&photo:Satoru Kato
U23リーダー 渡辺一気(京都産業大学)
中間スプリント賞 織田 聖(マトリックスパワータグ)
ベストチーム賞 宇都宮ブリッツェン
U23賞 渡辺一気(京都産業大学)
敢闘賞 寺田吉騎(Bahrain victorious development team・オープン参加)



tet&photo:Satoru Kato
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