2日連続の1級山岳フィニッシュで争われたボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージ。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がマッチスプリントでアユソを下し、区間優勝すると共に総合首位に立った。



前日勝者でリーダージャージを着るフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

ボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージ コースプロフィール image:A.S.O.

フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)が制したハンドル投げの接戦から一夜明け、3月27日はボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)の第4ステージが行われた。この日のコースは、序盤からカテゴリーのつかない丘をいくつも越え、終盤に2級、そしてラストに1級山岳を越える山岳ステージ。1級山岳モンセラートは登坂距離9kmに平均勾配6.2%と総合順位が動くには十分な難易度だ。

スタート後僅か11.3km地点に設定された中間スプリントは、前日に敗れたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が先頭通過し、3秒のボーナスタイムを獲得する。プロ通算21勝のベテラン、ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)が入った12名の逃げグループが形成され、メイン集団はアユソで2連勝を狙うUAEが牽引。イネオス・グレナディアーズも時折ペースメイクに力を貸した。

逃げ集団から飛び出したゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)とヨハネス・スターンミッテ(ノルウェー、デカトロンAG2Rラモンディアール) photo:A.S.O.

プロトンはUAEチームエミレーツXRGが先導した photo:A.S.O.

強力なメンバーを揃える逃げ集団だったが、丘を越える度に人数は減り、残り66km地点でゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)とヨハネス・スターンミッテ(ノルウェー、デカトロンAG2Rラモンディアール)の2名となる。23歳コンビは2級山岳を越え、逃げ切りを目指して最終山岳1級山岳モンセラートに突入した。

その時点で逃げとプロトンの差は1分7秒。チーム新加入のイギリス王者、イーサン・ヘイター(スーダル・クイックステップ)がミケル・ランダ(スペイン)のために集団先頭で牽引し、人数を絞り込んでいく。先頭ではシュタインハウザーがスターンミッテを引き離し、UAEに牽引が変わったプロトンが猛スピードでタイム差を縮めていった。

フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)のアタックに追従したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)が役割を終えると、アユソが加速する。シュタインハウザーを捉えたアユソには唯一ランダが反応し、遅れたログリッチはジワジワと自らのペースでアユソに追いつく。そしてランダが遅れ、先頭は前日と同じくアユソとログリッチの2名となった。

残り1.6km地点でログリッチが前に出ると後続との差は拡がる。しかし再び追走集団が迫り、追いつく直前に再びログリッチが加速。残り100mから2名によるスプリントが開始され、ログリッチが先頭でフィニッシュラインを通過した。

アユソとのスプリントを制したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

前日に僅差で敗れたログリッチが、即日リベンジを達成。「スタートからフィニッシュまでハイテンポで進む、厳しいステージだった。だが幸運にも最後まで力が残っていた。良いトレーニングを積んだおかげだろう。家族と離れてトレーニングに励んだ甲斐があった」とコメント。同タイムながら総合でもアユソを逆転し、首位に立った。

3秒遅れでやってきた追走集団の先頭はエンリク・マス(スペイン、モビスター)が取り、ステージ3位に入っている。

総合首位に立ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Red Bull - BORA - hansgrohe

ボルタ・ア・カタルーニャ2025第4ステージ
1位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 4:24:08
2位 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)
3位 エンリク・マス(スペイン、モビスター) +0:03
4位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
5位 ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ)
6位 フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)
7位 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット)
8位 マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) +0:06
9位 フアン・ロペス(スペイン、リドル・トレック) +0:21
10位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:26
個人総合成績
1位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 18:54:50
2位 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)
3位 エンリク・マス(スペイン、モビスター) +0:20
4位 ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) +0:21
5位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:27
6位 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット)
7位 マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) +0:45
8位 ハロルド・ロペス(エクアドル、XDSアスタナ) +0:55
9位 ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +0:58
10位 ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)
その他の特別賞
ポイント賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
山岳賞 ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)
ヤングライダー賞 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)
チーム総合成績 XDSアスタナ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos