2025/03/27(木) - 12:30
終盤に落車が続出する、混沌のレースと化したクラシック・ブルッヘ〜デパンヌ。フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)がアーリースプリントを決め、今シーズン初勝利を手に入れた。

2連覇中のヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Classic Brugge – De Panne
49回目を迎えたクラシック・ブルッヘ〜デパンヌは、世界トップスプリンターが集うクラシックレース。3日間のステージレースから2018年にワンデー化し、2019年にワールドツアーへと昇格。舞台となるのはその名の通り、ベルギーのブルッヘから北海に面したデパンヌに向かう195.6kmだ。
現在2連覇中のヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を筆頭に、スタート地点にはティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)など名だたるスプリンターが揃い踏み。留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)は急遽レースプログラムを変更し、1月の鎖骨骨折からの復帰レースを迎えた。

ブルッヘの街をスタートした選手たち photo:Classic Brugge – De Panne

5名によって形成された逃げグループ photo:Classic Brugge – De Panne
21歳のアントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)ら5名が逃げ、ユニベット・ティテマ・ロケッツはオランダ出身の2名(ブルーム、デフリース)を入れる。メイン集団は先導するリドルがハイペースで、逃げとの差を1分前後でキープ。しかしプロトンの目論見以上に逃げが粘り、15秒差で残り5km地点を通過。そしてここから落車が連続する。
激化する位置取り争いや狭い道幅、スピードバンプの影響から発生した集団落車に、優勝候補の1人であったアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング)が巻き込まれる。プロトンは逃げから粘ったハータイス・デフリース(オランダ、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)を吸収し、残り2km地点で再び落車が発生。今度はアルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)やアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)が犠牲となった。

リドル・トレックがプロトンを牽引する photo:Classic Brugge – De Panne
残り1km地点でも落車が起こり、そこでメルリールとオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がクラッシュ。有力候補が次々に去るサバイバルな展開から、フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)がアーリースプリントを仕掛ける。それをミランらスプリンターたちが追いかけたものの、モラノがそのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。

アーリースプリントを決めたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
落車多発の混沌から、虚を突くアタックを成功させたモラノ。「とても危険かつ高速な終盤となった。最終コーナーで良い位置につけていたので仕掛けた。後ろには誰もついてきていなかったので、フィニッシュに向かって全力で踏み込んだ。今シーズン初勝利なので嬉しいよ」と喜び、同日に行われたボルタ・ア・カタルーニャ第3ステージでフアン・アユソ(スペイン)が勝利したため、UAEは1日でワールドツアー2勝を飾った。
一方、留目はDNF(途中リタイア)という結果。この後は4日後のヘント〜ウェヴェルヘム(UCIワールドツアー)への出場を予定している。

今季初勝利を掴んだフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) photo:Classic Brugge – De Panne

49回目を迎えたクラシック・ブルッヘ〜デパンヌは、世界トップスプリンターが集うクラシックレース。3日間のステージレースから2018年にワンデー化し、2019年にワールドツアーへと昇格。舞台となるのはその名の通り、ベルギーのブルッヘから北海に面したデパンヌに向かう195.6kmだ。
現在2連覇中のヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を筆頭に、スタート地点にはティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)など名だたるスプリンターが揃い踏み。留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)は急遽レースプログラムを変更し、1月の鎖骨骨折からの復帰レースを迎えた。


21歳のアントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)ら5名が逃げ、ユニベット・ティテマ・ロケッツはオランダ出身の2名(ブルーム、デフリース)を入れる。メイン集団は先導するリドルがハイペースで、逃げとの差を1分前後でキープ。しかしプロトンの目論見以上に逃げが粘り、15秒差で残り5km地点を通過。そしてここから落車が連続する。
激化する位置取り争いや狭い道幅、スピードバンプの影響から発生した集団落車に、優勝候補の1人であったアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング)が巻き込まれる。プロトンは逃げから粘ったハータイス・デフリース(オランダ、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)を吸収し、残り2km地点で再び落車が発生。今度はアルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)やアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)が犠牲となった。

残り1km地点でも落車が起こり、そこでメルリールとオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がクラッシュ。有力候補が次々に去るサバイバルな展開から、フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)がアーリースプリントを仕掛ける。それをミランらスプリンターたちが追いかけたものの、モラノがそのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。

落車多発の混沌から、虚を突くアタックを成功させたモラノ。「とても危険かつ高速な終盤となった。最終コーナーで良い位置につけていたので仕掛けた。後ろには誰もついてきていなかったので、フィニッシュに向かって全力で踏み込んだ。今シーズン初勝利なので嬉しいよ」と喜び、同日に行われたボルタ・ア・カタルーニャ第3ステージでフアン・アユソ(スペイン)が勝利したため、UAEは1日でワールドツアー2勝を飾った。
一方、留目はDNF(途中リタイア)という結果。この後は4日後のヘント〜ウェヴェルヘム(UCIワールドツアー)への出場を予定している。

クラシック・ブルッヘ〜デパンヌ2025結果
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) | 4:07:23 |
2位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
3位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
6位 | マックス・カンター(ドイツ、XDSアスタナ) | |
7位 | アレクシ・ルナール(フランス、コフィディス) | |
8位 | ローレンス・レックス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
9位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
47位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:34 |
DNF | 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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