元世界王者で2022年に引退したアレハンドロ・バルベルデが、スペインのナショナルチーム監督に就任した。9月21日開幕のルワンダ世界選手権が初陣。バルベルデは「スペイン自転車界の価値を示すため全力を尽くす」と意気込みを語った。



スペインのナショナルチーム監督に就任したバルベルデ photo:Real Federación Española de Ciclismo

スペイン自転車競技連盟にて就任会見に出席したバルベルデは、「会長と理事会から寄せられた信頼に感謝している。並々ならぬ熱意を持って臨み、まずはスペイン人選手に(コースレイアウトが)適したロード世界選手権で、スペイン自転車界の価値を示すため全力を尽くす」と語った。就任期間は2028年までの4年間。

スペイン自転車競技連盟の会長であるホセ・ビシオソ氏は、バルベルデについて「我が国における史上最高の自転車選手の1人。彼の知識と経験をチームに与え、若い世代の選手たちに刺激を与えてくれることは、我々にとって大きな誇りだ。アレハンドロ以上のリーダーはスペイン代表には存在しないのだから」とコメントした。


バルベルデは現在44歳。長らくモビスターのエースとして活躍し、現役時代はブエルタ・ア・エスパーニャの総合優勝(2009年)をはじめツール・ド・フランスで4度の区間優勝やロード世界選手権優勝(2018年)など、プロ21年で133勝を飾ったスペインのレジェンドだ。2022年にロードを引退後はグラベルレースに参戦。2023年から今年2月のレースまで、3年連続でUCIグラベルワールドシリーズで勝利を飾るなど、選手としてもその力は衰えを知らない。

バルベルデが監督に就任し、初戦となるのは9月21日にアフリカのルワンダ・キガリで開幕するロード世界選手権。バルベルデの言葉通り、男子エリートのコースは距離267.5kmで、獲得標高差5,475mと近年稀にみる過酷なレイアウト。クライマーやパンチャーが有利となるため、その脚質が豊富なスペインは優勝を狙うことができる。その後は10月5日にフランスのアルデシュとドロームがで開催されるロードヨーロッパ選手権に臨む。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Makoto AYANO