2025/03/23(日) - 13:00
ヨーロッパ王者ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)がチプレッサとポッジオを乗り越え、スプリント勝利。初代ミラノ〜サンレモ・ドンネの覇者となった。

デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos 
マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ウィーベスとコペッキーが揃うSDワークス・プロタイム photo:CorVos

ミラノ〜サンレモ・ドンネ2025 コースプロフィール photo:RCS Sport 男子レースが行われた3月22日、同じイタリア北部のロンバルディア州でミラノ〜サンレモ・ドンネが産声を上げた。1999年から2005年まで「プリマヴェーラ・ローザ」という名前で開催されていたものの、ミラノ〜サンレモの名を冠するのは今回が初となる。
コースはリグーリア海に面した港湾都市ジェノヴァからサンレモまでの160km。男子レース同様、「トレ・カーピ(3つの岬)」からレースは本格的に動き出し、勝負どころのチプレッサとポッジオが登場するレイアウトだ。
スタート地点には、世界王者のロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)を筆頭に、ストラーデビアンケ覇者デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)強豪勢が揃う。またスプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)やマリアンヌ・フォス(オランダ)を擁するヴィスマ・リースアバイクの動きも注目された。

単独逃げを見せたアンネ・クナイネンブルグ(オランダ、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング) photo:CorVos
雨の中スタートしたレースは、アンネ・クナイネンブルグ(オランダ、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング)の単独逃げで幕を開ける。逃げ切りの決まったオムロープ・ヘットニュースブラットの教訓から、ヴィスマやSDワークスがメイン集団のペースをコントロール。そのため集団はトレ・カーピの1つ目「カーポ・メーレ」の直後、残り50km地点で早くもクナイネンブルグを吸収した。
上下白のアルカンシエルに身を包んだコペッキーが中央付近で脚を回すプロトンでは、チプレッサを前に落車が発生する。ロンゴボルギーニが間一髪で回避する一方、ヴィスマのフォスとフェランプレヴォが巻き込まれた。
バラバラとなった集団はそのままチプレッサ(距離5.65km/平均4.1%/最大9%)に突入。リドル・トレックが高速牽引するなか、集団復帰したフェランプレヴォがペースアップし、コペッキーやフォレリングを含む12名ほどの先頭集団が形成された。

リグーリア海の沿岸を進む選手たち photo:CorVos

ポッジオで加速したセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) photo:CorVos
しかし、チプレッサを越えてポッジオまでの平坦区間で先頭集団のスピードが緩み、フォスを含む追走集団が合流。そして突入したポッジオ(距離3.7km/平均3.7%)では、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)がハイペースに持ち込むと、頂上まで残り1km地点でフランス王者のジュリエット・ラブース(FDJスエズ)がアタックを仕掛けた。
続いて飛び出したカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)のアタックは決まらず、フォレリングを先頭に下りへ。MTB世界王者のプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が卓越したハンドリングで集団を縦長にし、残り4km地点でロンゴボルギーニがアタックを敢行。

平坦区間で飛び出したエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) photo:CorVos
母国の大声援を受けるイタリア王者は単独で最終ストレートに突入するも、コペッキーが猛追し、フィニッシュ手前でキャッチ。その背後からウィーベスがスプリントを開始し、先に踏み始めたフォスを抜き去って勝利を掴んだ。

先に踏み込んだフォスに並ぶウィーベス photo:CorVos

スプリントを制したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
見事なチームワークにより、ミラノ〜サンレモ・ドンネの初代優勝者となったウィーベス。「選手キャリアの中で最も嬉しい勝利の1つ。チームで繋げたこのレースは、勝利で締めくくらなければならなかった。チプレッサから脚に力を感じており、ポッジオの頂上を5番手で通過した時点で、勝利が狙えると確信した。ロッテ(コペッキー)がロンゴボルギーニを捉え、先にスプリントを開始したフォスに驚かされた。でも即座に反応し、この勝利を掴み取った」と勝利を振り返った。
2位はフォス、そして3位には今年のサントス・ツアー・ダウンアンダーで総合優勝したノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール)が入り、フォレリングは4位で表彰台を逃している。

ミラノ〜サンレモ・ドンネ2025表彰台:2位フォス、1位ウィーベス、3位リュエッグ photo:CorVos




コースはリグーリア海に面した港湾都市ジェノヴァからサンレモまでの160km。男子レース同様、「トレ・カーピ(3つの岬)」からレースは本格的に動き出し、勝負どころのチプレッサとポッジオが登場するレイアウトだ。
スタート地点には、世界王者のロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)を筆頭に、ストラーデビアンケ覇者デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)強豪勢が揃う。またスプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)やマリアンヌ・フォス(オランダ)を擁するヴィスマ・リースアバイクの動きも注目された。

雨の中スタートしたレースは、アンネ・クナイネンブルグ(オランダ、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング)の単独逃げで幕を開ける。逃げ切りの決まったオムロープ・ヘットニュースブラットの教訓から、ヴィスマやSDワークスがメイン集団のペースをコントロール。そのため集団はトレ・カーピの1つ目「カーポ・メーレ」の直後、残り50km地点で早くもクナイネンブルグを吸収した。
上下白のアルカンシエルに身を包んだコペッキーが中央付近で脚を回すプロトンでは、チプレッサを前に落車が発生する。ロンゴボルギーニが間一髪で回避する一方、ヴィスマのフォスとフェランプレヴォが巻き込まれた。
バラバラとなった集団はそのままチプレッサ(距離5.65km/平均4.1%/最大9%)に突入。リドル・トレックが高速牽引するなか、集団復帰したフェランプレヴォがペースアップし、コペッキーやフォレリングを含む12名ほどの先頭集団が形成された。


しかし、チプレッサを越えてポッジオまでの平坦区間で先頭集団のスピードが緩み、フォスを含む追走集団が合流。そして突入したポッジオ(距離3.7km/平均3.7%)では、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)がハイペースに持ち込むと、頂上まで残り1km地点でフランス王者のジュリエット・ラブース(FDJスエズ)がアタックを仕掛けた。
続いて飛び出したカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)のアタックは決まらず、フォレリングを先頭に下りへ。MTB世界王者のプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が卓越したハンドリングで集団を縦長にし、残り4km地点でロンゴボルギーニがアタックを敢行。

母国の大声援を受けるイタリア王者は単独で最終ストレートに突入するも、コペッキーが猛追し、フィニッシュ手前でキャッチ。その背後からウィーベスがスプリントを開始し、先に踏み始めたフォスを抜き去って勝利を掴んだ。


見事なチームワークにより、ミラノ〜サンレモ・ドンネの初代優勝者となったウィーベス。「選手キャリアの中で最も嬉しい勝利の1つ。チームで繋げたこのレースは、勝利で締めくくらなければならなかった。チプレッサから脚に力を感じており、ポッジオの頂上を5番手で通過した時点で、勝利が狙えると確信した。ロッテ(コペッキー)がロンゴボルギーニを捉え、先にスプリントを開始したフォスに驚かされた。でも即座に反応し、この勝利を掴み取った」と勝利を振り返った。
2位はフォス、そして3位には今年のサントス・ツアー・ダウンアンダーで総合優勝したノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール)が入り、フォレリングは4位で表彰台を逃している。

ミラノ〜サンレモ・ドンネ2025結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 3:43:32 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | ノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール) | |
4位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | |
5位 | キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) | |
6位 | クロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
7位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | |
8位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | |
9位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | |
10位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
11位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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