逃げ集団によるスプリント勝負となったブレーデネ・コクサイデ・クラシック。エドワルト・トゥーンス(ベルギー、リドル・トレック)が若手のランパーティなどを抑え、久々の勝利を手に入れた。



今季初勝利を狙うルーク・ランパーティ(アメリカ、スーダル・クイックステップ) photo:Bredene Koksijde Classic

3月21日、ミラノ〜サンレモ前日の金曜日にベルギーのフランデレン地方で、ブレーデネ・コクサイデ・クラシック(UCI1.Pro)が開催された。その名の通りブレーデネからコクサイデまでの200.9kmのほとんどは平坦路。コース中央に短い急坂と石畳が設定されているものの、過去にはスプリンターによる争いが多く見られた。

そのためスタート地点には前年2位のディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)やミラン・フレティン(ベルギー、コフィディス)などピュアスプリンターが出場。急坂区間でアタックが繰り返され、イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック)を含む先頭集団が形成される。それをフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)ら3名がメイン集団を飛び出し、先頭を目指した。

強豪選手を含む15名の逃げ集団 photo:CorVos

追走集団は40kmをかけて先頭に合流し、15名と人数の増えたグループは逃げ切りを目指す。ウノエックス・モビリティが積極的にペースを作ったプロトンは懸命に追走。なんとか最終ストレートで逃げ集団を捉えにかかった。しかし、既に逃げ集団ではスプリントが始まり、エドワルト・トゥーンス(ベルギー、リドル・トレック)がロングスプリントを仕掛けた。

コース左側で踏み続けるトゥーンスに対し、その背後からニルス・エーコフ(オランダ、ピクニック・ポストNL)とルーク・ランパーティ(アメリカ、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、横に並ぶ。しかし最後までスピードが落ちることがなかったトゥーンスが勝利を掴み取った。

スプリント勝利したエドワルト・トゥーンス(ベルギー、リドル・トレック) photo:CorVos

息子の前で勝利を飾ったエドワルト・トゥーンス(ベルギー、リドル・トレック) photo:CorVos

「信じられないよ。息子が生まれてから勝利がなく、レースから帰って来る度に”パパ勝ったの?”と聞かれ、心を痛めていた。チームには世界トップレベルのスプリンター、ミランがいる。彼のリードアウト役には満足しているが、ようやく良い報告ができた。僕の勝利をサポートしてくれたチーム、またガールフレンドと息子に感謝したい」と、久々の勝利をトゥーンスはそう喜んだ。

2023年のジャパンカップ・クリテリウムやベルギーでの非UCIレース、また今年始めのチームタイムトライアルでは勝利しているトゥーンス。しかし、個人としてのUCIレース勝利は2019年のプリムス・クラシック以来のことだ。

一方、2日前のノケレ〜クールセで3位だったランパーティは、またも目前で勝利を逃している。
ブレーデネ・コクサイデ・クラシック2025結果
1位 エドワルト・トゥーンス(ベルギー、リドル・トレック) 4:15:50
2位 ルーク・ランパーティ(アメリカ、スーダル・クイックステップ)
3位 ニルス・エーコフ(オランダ、ピクニック・ポストNL)
4位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック)
5位 フィト・ブラーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos