2025/03/16(日) - 08:55
悪天候のためレース距離が短縮されたパリ〜ニース7日目は、1級山岳オロンを駆け上がる山岳ステージ。マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング)がアラフィリップのアシストを受け、逃げ切り勝利を決めた。

スタートを待つポイント賞のピーダスンと総合首位のジョーゲンソン photo:A.S.O.

パリ〜ニース第7ステージ コースプロフィール image:A.S.O. ヴィスマ・リースアバイクが横風分断を成功させた前日から一夜明け、第83回パリ〜ニースは第7ステージを迎えた。連日続く悪天候の影響で、ニースを出発するコースは約40kmの短縮が発表される。そのため終盤の山岳が削除されたものの、フィニッシュ地点は変わらず1級山岳オロン(距離7.3km/平均7.2%)というタフなレイアウトのままとなった。
総合首位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)と2位のフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)との差は40秒。前日に遅れを取ったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)は5位(2分40秒遅れ)のなか、レースはスタートした。直後にジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)を含む15名が逃げ集団を形成した。

チューダー・プロサイクリングが3名入れた逃げ集団は15名 photo:A.S.O.

アイウェアをして集団を牽引するヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
スタート時は止んでいた雨が降り出すなか、残り51km地点でマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)がメイン集団内で落車する。中央分離帯に乗り上げ、身体を地面に叩きつけられたスケルモースは肘を縫う怪我を負ってリタイア。総合3位が姿を消したプロトンはヴィスマのコントロールの下、強力な逃げグループを追いかけた。
マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)など有力勢を含む逃げ集団では、マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング)のためにアラフィリップが高速牽引を見せる。そのため残り25kmを切っても逃げは3分差を保ち、プロトンはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやXDSアスタナが先頭に人数を集めてペースを上げる。ストーラーは中間スプリントポイントを先頭で通過し、ボーナスタイム6秒を得た。
沿道に雪はないものの、雨と厳しい寒さのなか逃げ集団は1級山岳オロン(距離7.3km/平均7.2%)に足を踏み入れる。その時点でメイン集団との差は1分55秒。アラフィリップが役割を終えて遅れ、先頭集団の人数は絞られていった。

アシストに徹するジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:A.S.O.

単独先頭に立ったマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) photo:A.S.O.
逃げからはゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れ、残されたのはストーラーとシュミットの2名。後続では総合4位のテイメン・アレンスマン(オランダ)のため、イネオス・グレナディアーズがハイペースで逃げを追う。しかし最後までその差はゼロになることはなく、レース先頭では残り2.7km地点でストーラーがスイス王者のシュミットを引き離した。
プロトンからはフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)の飛び出しにレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)が反応し、総合タイムを稼ぎに行く。しかしこの2名も前に追いつくことはなく、冷たい雨が降るフィニッシュ地点にストーラーが到着した。

逃げ切り勝利したマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) photo:A.S.O.
グルパマFDJから昨年移籍したチューダーに、ようやく勝利をもたらしたストーラー。「なんて素晴らしい日なんだ!ジュリアン(アラフィリップ)だけが逃げに乗る予定だったが、マルコ(ハラー)と共に動きに反応したんだ。逃げでは2度の世界王者であるジュリアンが僕をサポートしてくれた。本当に信じられない勝利だよ」と、喜びを語った。
2位には20秒遅れでシュミットがフィニッシュ。プロトンから飛び出したフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)が57秒遅れの6位に入り、区間12位でレースを終えたジョーゲンソンは総合首位キープに成功している。

勝利を喜ぶマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) photo:A.S.O.


総合首位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)と2位のフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)との差は40秒。前日に遅れを取ったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)は5位(2分40秒遅れ)のなか、レースはスタートした。直後にジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)を含む15名が逃げ集団を形成した。


スタート時は止んでいた雨が降り出すなか、残り51km地点でマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)がメイン集団内で落車する。中央分離帯に乗り上げ、身体を地面に叩きつけられたスケルモースは肘を縫う怪我を負ってリタイア。総合3位が姿を消したプロトンはヴィスマのコントロールの下、強力な逃げグループを追いかけた。
マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)など有力勢を含む逃げ集団では、マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング)のためにアラフィリップが高速牽引を見せる。そのため残り25kmを切っても逃げは3分差を保ち、プロトンはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやXDSアスタナが先頭に人数を集めてペースを上げる。ストーラーは中間スプリントポイントを先頭で通過し、ボーナスタイム6秒を得た。
沿道に雪はないものの、雨と厳しい寒さのなか逃げ集団は1級山岳オロン(距離7.3km/平均7.2%)に足を踏み入れる。その時点でメイン集団との差は1分55秒。アラフィリップが役割を終えて遅れ、先頭集団の人数は絞られていった。


逃げからはゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れ、残されたのはストーラーとシュミットの2名。後続では総合4位のテイメン・アレンスマン(オランダ)のため、イネオス・グレナディアーズがハイペースで逃げを追う。しかし最後までその差はゼロになることはなく、レース先頭では残り2.7km地点でストーラーがスイス王者のシュミットを引き離した。
プロトンからはフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)の飛び出しにレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)が反応し、総合タイムを稼ぎに行く。しかしこの2名も前に追いつくことはなく、冷たい雨が降るフィニッシュ地点にストーラーが到着した。

グルパマFDJから昨年移籍したチューダーに、ようやく勝利をもたらしたストーラー。「なんて素晴らしい日なんだ!ジュリアン(アラフィリップ)だけが逃げに乗る予定だったが、マルコ(ハラー)と共に動きに反応したんだ。逃げでは2度の世界王者であるジュリアンが僕をサポートしてくれた。本当に信じられない勝利だよ」と、喜びを語った。
2位には20秒遅れでシュミットがフィニッシュ。プロトンから飛び出したフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール)が57秒遅れの6位に入り、区間12位でレースを終えたジョーゲンソンは総合首位キープに成功している。

パリ〜ニース2025第7ステージ結果
1位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) | 2:43:31 |
2位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | +0:20 |
3位 | ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:30 |
4位 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) | +0:45 |
5位 | ジョルダン・ジェガット(フランス、トタルエネルジー) | +0:50 |
6位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:57 |
7位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:04 |
8位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:11 |
9位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | +1:14 |
10位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) |
個人総合成績
1位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | 23:37:42 |
2位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:37 |
3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +1:20 |
4位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) | +2:25 |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +2:40 |
6位 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) | +2:54 |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | +3:05 |
9位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | +3:22 |
9位 | トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) | +3:28 |
10位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +3:36 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) |
山岳賞 | トマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー) |
ヤングライダー賞 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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