2025/03/10(月) - 08:30
フランスのパリ近郊からニースを目指す、8日間のパリ〜ニースが開幕。他を寄せ付けない圧巻のスピードを見せたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が、初日スプリントを制した。

初制覇を目指すべく出場したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:A.S.O. 
A.S.O.のプリュドム氏と言葉を交わすジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:A.S.O.
イタリアで熱戦が繰り広げられたストラーデビアンケの翌日、フランスではツール・ド・フランスと同じA.S.O.が主催する第83回パリ〜ニースが開幕。その名の通りパリ近郊から地中海沿岸のニースを目指す8日間は、1日遅れで開幕するティレーノ〜アドリアティコとともに、春のヨーロッパを代表する中級ステージレースとなっている。
全8ステージには平坦、丘陵、山岳、そしてチームタイムトライアルが詰め込まれ、それはまるで縮小版のツール・ド・フランス。前回の総合優勝者マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)と共に初日のスタートラインにはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が並び、チューダー・プロサイクリングに移籍したジュリアン・アラフィリップ(フランス)は5年振りの出場となった。

タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)ら3名が逃げた photo:A.S.O.
パリから40kmほど西にあるル・ペレ・アン・イブリーヌを発着点とする平坦ステージで、大会は幕を開けた。途中3つの3級山岳が設定されているものの、スプリンターを退けるほどではないため、集団スプリントが濃厚と見られた。
逃げの名手であるタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)ら3名が集団を飛び出し、逃げグループを形成する。最初2つの3級山岳はアレクサンドル・ドゥレトル(フランス、トタルエネルジー)が先頭通過し、約1分半の差で追いかけるメイン集団は、ヴィスマ・リースアバイクが牽引する。フィニッシュまで60kmを残し、早くもリードが30秒を切った逃げ集団からサムエル・フェルナンデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が飛び出した。
プロ2年目で21歳のフェルナンデスにはドゥレトルが追従したものの、残り50kmでプロトンに引き戻される。直後にジョシュア・ターリング(イギリス)らイネオス・グレナディアーズの3名を巻き込む落車が発生するものの、無事集団に復帰。残り21km地点に設定された3つ目の3級山岳は、アラフィリップを退けたジョーゲンソンが先着した。

新加入のヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が先頭を牽引する photo:A.S.O.
その後は初日勝利を目指したいくつかのアタックが連続したものの、いずれも決め手に欠き、集団はひと塊のまま最大6秒のボーナスタイムが与えられる中間スプリントへ。ここはジョーゲンソンをジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が上回り、総合優勝への意欲を見せた。
マッテオ・トレンティン(イタリア、チューダー・プロサイクリング)ら3名によるトライも決まらず、大会初日を締めくくる集団スプリントへ。残り650mのコーナーを抜け、フィニッシュ手前の緩い右コーナーでエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ)が先頭に立つ。横一線で各チームのスプリンターが踏み込むなか、大外から番手を上げたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が先着した。

スプリント勝利したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

初日勝利を飾ったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.
ライバルたちに並ぶことさえ許さない、圧巻のスピードで勝利したメルリール。「ステージレースを勝利でスタートするのはいつだって気持ちがいい。最後は完璧なリードアウトを楽しむように勝利した」と喜びを語った。
2位にはアルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)、3位にはアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング)が入っている。



イタリアで熱戦が繰り広げられたストラーデビアンケの翌日、フランスではツール・ド・フランスと同じA.S.O.が主催する第83回パリ〜ニースが開幕。その名の通りパリ近郊から地中海沿岸のニースを目指す8日間は、1日遅れで開幕するティレーノ〜アドリアティコとともに、春のヨーロッパを代表する中級ステージレースとなっている。
全8ステージには平坦、丘陵、山岳、そしてチームタイムトライアルが詰め込まれ、それはまるで縮小版のツール・ド・フランス。前回の総合優勝者マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)と共に初日のスタートラインにはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が並び、チューダー・プロサイクリングに移籍したジュリアン・アラフィリップ(フランス)は5年振りの出場となった。

パリから40kmほど西にあるル・ペレ・アン・イブリーヌを発着点とする平坦ステージで、大会は幕を開けた。途中3つの3級山岳が設定されているものの、スプリンターを退けるほどではないため、集団スプリントが濃厚と見られた。
逃げの名手であるタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)ら3名が集団を飛び出し、逃げグループを形成する。最初2つの3級山岳はアレクサンドル・ドゥレトル(フランス、トタルエネルジー)が先頭通過し、約1分半の差で追いかけるメイン集団は、ヴィスマ・リースアバイクが牽引する。フィニッシュまで60kmを残し、早くもリードが30秒を切った逃げ集団からサムエル・フェルナンデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が飛び出した。
プロ2年目で21歳のフェルナンデスにはドゥレトルが追従したものの、残り50kmでプロトンに引き戻される。直後にジョシュア・ターリング(イギリス)らイネオス・グレナディアーズの3名を巻き込む落車が発生するものの、無事集団に復帰。残り21km地点に設定された3つ目の3級山岳は、アラフィリップを退けたジョーゲンソンが先着した。

その後は初日勝利を目指したいくつかのアタックが連続したものの、いずれも決め手に欠き、集団はひと塊のまま最大6秒のボーナスタイムが与えられる中間スプリントへ。ここはジョーゲンソンをジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が上回り、総合優勝への意欲を見せた。
マッテオ・トレンティン(イタリア、チューダー・プロサイクリング)ら3名によるトライも決まらず、大会初日を締めくくる集団スプリントへ。残り650mのコーナーを抜け、フィニッシュ手前の緩い右コーナーでエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ)が先頭に立つ。横一線で各チームのスプリンターが踏み込むなか、大外から番手を上げたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が先着した。


ライバルたちに並ぶことさえ許さない、圧巻のスピードで勝利したメルリール。「ステージレースを勝利でスタートするのはいつだって気持ちがいい。最後は完璧なリードアウトを楽しむように勝利した」と喜びを語った。
2位にはアルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)、3位にはアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング)が入っている。
パリ〜ニース2025第1ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:32:03 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | |
3位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング) | |
4位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) | |
5位 | アクセル・ジングレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ) | |
7位 | ミック・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | ティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
9位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
10位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) |
個人総合成績
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:31:53 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:04 |
3位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | |
4位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング) | +0:06 |
5位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:08 |
7位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:10 |
8位 | アクセル・ジングレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
9位 | エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ) | |
10位 | ミック・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
山岳賞 | アレクサンドル・ドゥレトル(フランス、トタルエネルジー) |
ヤングライダー賞 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | XDSアスタナ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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