2025/03/09(日) - 12:00
サンタカテリーナ通りの石畳坂までもつれた戦いは、デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)がファンデルブレッヘンを打破。新チームで2023年に続く、2度目のストラーデビアンケ・ドンネ優勝を手に入れた。

新チームで臨んだデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos

オフロードを得意とするプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) photo:CorVos 
今季からロードに専念するポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
男子レースより1時間半ほど早い、現地時間午前9時50分にスタートしたUCIワールドツアーの第5戦ストラーデビアンケ・ドンネ。イタリア中部トスカーナ州のシエナ近郊に広がる丘陵地帯を舞台に、別名「白い道」を意味する通り、砂利道に近い未舗装路を走る。
今年はその未舗装路が1つ増え、全13セクターが設定された。136kmコースのうち未舗装路が50.3kmと大幅に増加。過去の女子レースでも過去最長となるコースの37%が未舗装路となり、143名がこの過酷なレースに挑んだ。
優勝候補にはデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)が挙げられ、昨年覇者ロッテ・コペッキー(ベルギー)が不在のSDワークス・プロタイムは2018年の優勝者で、現役復帰したアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)をエースに据える。またオフロード最強王者で、今年からロード本格参戦のポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)も初優勝を目指して参戦した。

ストラーデビアンケ・ドンネ2025 コースプロフィール image:RCS Media group

白い砂埃を舞いながら進むプロトン photo:CorVos
レースは序盤から逃げグループは形成されることなく進み、そのまま1つ目の未舗装路セクター「ヴィドリッタ」に突入する。SDワークスやヴィスマ、FDJスエズが中心となりペースを作るメイン集団では、その後も逃げを目指す動きが連続。最高難易度である5つ星のセクター6「サン・マルティーノ・イン・グラニア(距離9.4km)」をクリアしたプロトンから、残り58km地点でエヴァ・ファンアフト(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が仕掛けた。
しかし、ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)などが反応し、このアタックも決まらない。そんな中、次のセクターに向かう舗装路の下りコーナーで落車が発生する。優勝候補にも挙げられ、これがこの日2度目の落車となったカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)はリタイアを余儀なくされた。

フェランプレヴォらが形成した先頭集団 photo:CorVos
レース先頭ではフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)の飛び出しにマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)やフェランプレヴォらが合流し、7名の集団を形成する。直後にフェランプレヴォが落車したものの、素早いリカバリーで集団に復帰。その一方、有力視されていたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)がプロトンから遅れていった。

最終セクターで仕掛けたアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
残り16km地点で、フォレリングやファンデルブレッヘンを含む追走集団が先頭にジョイン。そして最終13セクター「レ・トルフェ(1.1km)」に入ると、未舗装路の下りで、ここまで動きのなかったファンデルブレッヘンが仕掛ける。後続からリードを奪った2018年覇者だったが、最大勾配18%の登りでフォレリングとフェランプレヴォ、ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ)が追いついた。
するとフォレリングは間髪入れずに加速し、それにはファンデルブレッヘンしかついていけない。2名はシエナの旧市街に到着し、サンタカテリーナ通りの石畳坂に突入。頂上手前でフォレリングが仕掛け、ファンデルブレッヘンを引き離し、勢いそのまにカンポ広場のフィニッシュラインを通過した。

サンタカテリーナ通りの石畳坂でファンデルブレッヘンを引き離すフォレリング photo:CorVos

2度目の優勝を飾ったデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos
昨年まで監督と選手の関係性だったファンデルブレッヘンを下し、自身2度目の優勝を飾ったフォレリング。「実は最後の未舗装路でアンナ(ファンデルブレッヘン)を引き離したのだが、チェーンが落ちてしまった。だから作戦を変え、最後の坂で勝負しようと決めた。またアンナとレースができて楽しかったし、自分の成長も感じた」と、レース後にフォレリングは語った。
ファンデルブレッヘンは4年振りのストラーデビアンケを、18秒遅れの2位という好結果でフィニッシュ。3位には1分42秒遅れでフェランプレヴォが入っている。

ストラーデビアンケ・ドンネ2025表彰台:2位ファンデルブレッヘン、1位フォレリング、3位フェランプレヴォ photo:CorVos



男子レースより1時間半ほど早い、現地時間午前9時50分にスタートしたUCIワールドツアーの第5戦ストラーデビアンケ・ドンネ。イタリア中部トスカーナ州のシエナ近郊に広がる丘陵地帯を舞台に、別名「白い道」を意味する通り、砂利道に近い未舗装路を走る。
今年はその未舗装路が1つ増え、全13セクターが設定された。136kmコースのうち未舗装路が50.3kmと大幅に増加。過去の女子レースでも過去最長となるコースの37%が未舗装路となり、143名がこの過酷なレースに挑んだ。
優勝候補にはデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)が挙げられ、昨年覇者ロッテ・コペッキー(ベルギー)が不在のSDワークス・プロタイムは2018年の優勝者で、現役復帰したアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)をエースに据える。またオフロード最強王者で、今年からロード本格参戦のポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)も初優勝を目指して参戦した。


レースは序盤から逃げグループは形成されることなく進み、そのまま1つ目の未舗装路セクター「ヴィドリッタ」に突入する。SDワークスやヴィスマ、FDJスエズが中心となりペースを作るメイン集団では、その後も逃げを目指す動きが連続。最高難易度である5つ星のセクター6「サン・マルティーノ・イン・グラニア(距離9.4km)」をクリアしたプロトンから、残り58km地点でエヴァ・ファンアフト(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が仕掛けた。
しかし、ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)などが反応し、このアタックも決まらない。そんな中、次のセクターに向かう舗装路の下りコーナーで落車が発生する。優勝候補にも挙げられ、これがこの日2度目の落車となったカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)はリタイアを余儀なくされた。

レース先頭ではフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)の飛び出しにマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)やフェランプレヴォらが合流し、7名の集団を形成する。直後にフェランプレヴォが落車したものの、素早いリカバリーで集団に復帰。その一方、有力視されていたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)がプロトンから遅れていった。

残り16km地点で、フォレリングやファンデルブレッヘンを含む追走集団が先頭にジョイン。そして最終13セクター「レ・トルフェ(1.1km)」に入ると、未舗装路の下りで、ここまで動きのなかったファンデルブレッヘンが仕掛ける。後続からリードを奪った2018年覇者だったが、最大勾配18%の登りでフォレリングとフェランプレヴォ、ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ)が追いついた。
するとフォレリングは間髪入れずに加速し、それにはファンデルブレッヘンしかついていけない。2名はシエナの旧市街に到着し、サンタカテリーナ通りの石畳坂に突入。頂上手前でフォレリングが仕掛け、ファンデルブレッヘンを引き離し、勢いそのまにカンポ広場のフィニッシュラインを通過した。


昨年まで監督と選手の関係性だったファンデルブレッヘンを下し、自身2度目の優勝を飾ったフォレリング。「実は最後の未舗装路でアンナ(ファンデルブレッヘン)を引き離したのだが、チェーンが落ちてしまった。だから作戦を変え、最後の坂で勝負しようと決めた。またアンナとレースができて楽しかったし、自分の成長も感じた」と、レース後にフォレリングは語った。
ファンデルブレッヘンは4年振りのストラーデビアンケを、18秒遅れの2位という好結果でフィニッシュ。3位には1分42秒遅れでフェランプレヴォが入っている。

ストラーデビアンケ・ドンネ2025結果
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | 3:49:04 |
2位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:18 |
3位 | ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:42 |
4位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | |
5位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +1:47 |
6位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:48 |
7位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:49 |
8位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | +1:54 |
9位 | ノエミ・リュエッグ(スイス、EFオートリー・キャノンデール) | +1:55 |
10位 | シルケ・スムルデルス(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +1:59 |
55位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) | +16:09 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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