ハワイのオアフ島で開催されたホノルルセンチュリーライドに参加した東武トップツアーズのライドツアーの皆さん。夜明けと共にスタートし、100マイル先のゴールを走った模様のスタートから第3エイドまでの前編を絹代さんのレポートで紹介していく。

オアフ島の東海岸を走るホノルルセンチュリーライド。今年のツアーは畑中勇介さん(キナンレーシングチーム)をサポートライダーに迎え、開催された photo:Kinuyo
東武トップツアーホノルルセンチュリーライドツアーのメインイベント、ホノルルセンチュリーライド当日の朝が来た。
ホノルルセンチュリーライドとは、ハワイ・オワフ島の東海岸を走るサイクリングイベントで、コースはカピオラニ公園をスタートし、マカプウ、ワイマナロ、カイルア、クアロアを抜け、スワンジービーチパークで折り返す100マイル(最長)。
色も風情も異なる様々なビーチ、熱帯林、街、ハワイらしい山々を眺めながら走るベストコースで、普通の旅行ではなかなか知り得ないハワイのさまざまな面を、自転車の速度で、五感で感じながら、気持ちよく走り抜けることができる。

コース内でもっとも美しいのが、100マイルの折り返し近くのクアロアエリア。水色の海が広がっている (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

コース内にはジャングルのような熱帯植物が茂るエリアも含まれている (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
最長距離は100マイル(160km)だが、25、50、75マイル(それぞれ40、80、120km)でもエントリーでき、帰路はバスを使い、80km地点の折り返しまでのワンウェイのみ走るという参加も可能。近年はe-bikeの参加者も増え、疲れたらスロットルを回すだけで進めるE-BIKEも現地でレンタルし使用できるため、現実的に、どなたでも参加できるようになった。
参加者でホテルのエレベーターが混み合うため、早めに部屋を出る。外はまだ、夜明け前。通りに出ると、暗い中、ビーチ沿いにうっすら見えるヤシの木のシルエットの前を、ライトを点けた自転車が列をなして走って行く姿が見える。壮観だ。
ツアーでは、スタート地点に朝5時半を目安に集合する。最前ブロックにVIPエントリーの方々、自己申告した走行速度のグループ順に参加者が並ぶ。ツアー参加者の目印であるリボンを肩に着けた方々にお声かけし、記念撮影しながら、スタートを待つ。皆、なんとなく気持ちが高揚している。この空気が好きだ。

スタートが楽しみで、自然に笑顔がこぼれる photo:Kinuyo

スタートを待つ参加者の皆さん photo:Kinuyo
最長距離である100マイルを完走するためには、75マイル折り返しの第3エイド(60km地点)に午前10時半までに到達しなければならない。スタートから4時間以上あり、簡単そうに感じるが、エイドで盛り上がったり、絶景が点在し、記念撮影をしたくなったりと、随所に「トラップ」があり、気を抜くと間に合わなくなってしまう。
ツアーでは、私がこの100マイルをギリギリ完走できる最後のラインで走り、畑中選手は参加者のみなさんの動向を見ながら、先行するか、多くの方がゆっくりペースであれば、皆で同じペースで行こうということになっていた。

まもなくスタート、楽しむぞ! photo:Kinuyo
明るくなり始めた頃、開会式がスタート。英語と日本語で進行する。アメリカ国歌、ハワイ州歌の斉唱があり、胸に手を当てて聴いている方々を見て、アメリカの大会なんだと再確認する。日本人が参加者の半分を占めていた時代もあったが、今は参加者の多くがアメリカ人、ハワイ州に住む地元の方々だという。さぁ、ハワイアンなイベントに飛び込んで、全力で楽しもう。

いっせいにスタート (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
6時21分にスタートのアナウンスがあり、盛大に送り出されながら、参加者たちが一気に飛び出して行った。日本のサイクリングではグループごとの出発が多く、この方式は経験したことがないと思う。速い方にスペースを譲りながら、快適に走れるラインを探す。

夜が開けたばかりの美しい海を見ながら、バイクを走らせる (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

タンデムで参加される方も! (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
カピオラニ公園を回り、ダイアモンドヘッドへ。陽が昇り、少しずつ景色が色づいてきた。まだ色味の浅い、早朝の海が美しい。眺望が楽しめる「ダイアモンドヘッドルックアウト」でいったんストップ。ツアーの皆さんには、ここで一時停止し、態勢を整えようと話していた。多くの方々がここでストップしてくれており、改めて顔を合わせ、美しい海を背景に記念撮影。みなさんトラブルなくスタートできている様子だ。

ツアーの皆さんの多くが、いったんダイアモンドヘッドルックアウトでストップ。皆で記念撮影 photo:Kinuyo
ここからは高級別荘街を抜けていく。美しい海が目の前に広がる邸宅では、どんな生活が営まれているのだろう。妄想が膨らむ。北上し、ハイウェイを目指す。
ハイウェイは、警官が随所に立ち、右側車線を交通規制してくれていて、安心して走ることができる。スタート後、このあたりまでは参加者が集中して混み合うが、追い抜くときには「オン・ユア・レフト(左側から抜きます)」と声を掛け合えて、お互いが見えている方が多いので、不安や怖い思いをすることもない。

ハイウェイを走る参加者たち (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

ハワイ・カイを走る (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
ハイウェイを抜け、前日に寄った「ココマリーナ」の角を回り、ハワイ・カイへ。ここで大会名物の心臓破りの坂「ハートブレイクヒル」が登場する。右折すると、ドーンと目の前に現れるので、名前の通り心が折れるが、勾配は10%を超えず、リアルに厳しい登坂ではなく、長くもない。ツアーでは最初から疲労するのを避けるため、「自信のない方は押し歩きもアリ」という作戦で臨むことにしていた。上り切ったところで、皆さんを待って、様子を見たり、写真を撮ったりして、再スタートする。

ハートブレイクヒルは最初の難所 photo:Kinuyo

マイペースで上る (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
この先は上りの後のごほうびのような下り基調区間。ゴルフ場脇を抜け、海岸線を目指して気持ちよく走る。下り切ると、一気に目の前に海が広がる。第1エイド「サンデービーチパーク」はもうすぐだ。広いフィールドにテントを建てた開放感のあるエイドに入ると、もうすでに、参加者でにぎわっていた。このエイドは全参加者対象になり、最初のエイドであることから、まとまった人数が滞留することになる。多くの参加者がエイドのフードをつまみながら、あちこちで会話を楽しんでいる。皆、ここではまだ元気で、ついにスタートした興奮が漂っており、活気のあるエイドだ。

第1エイドのサンデービーチパーク (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

フルーツが並ぶ photo:Kinuyo 
キナンレーシングチームから、参加者全員にボトルをいただきました!ありがとうございました! photo:Kinuyo
25マイル到着のステッカーを受け取り、フードをチェック。バナナやオレンジと、パッケージ入りの一口サイズのグラノーラバーが並ぶ。ドライフルーツが入り、味もよくて、ついいろんなフレーバーを食べたくなってしまう。大会のスタッフTシャツにショートパンツを履いた地元の方々が、テキパキとエイドを運営しているが、一人一人にパワーがあふれていて、その風格や明るさに、ハワイを感じる。ハワイらしいスタッフの皆さんとの交流は、センチュリーライドの大きな魅力のひとつだと思う。
ツアーの一行は、とても順調。この日もやや風が強く、ここから先が向かい風区間になる可能性もあり、早めに出ようと話し合ったが、参加者のみなさんの方が心得ていて、気付いたら皆さんは早々に旅立っていたようだ。慌てて、居合わせた皆さんと一緒に再スタート。

マカプウにて。雲がかかり少し残念 (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
絶景スポットのひとつ「マカプウ」に向けて北上する。少し風が強いが、走れないほどではない。海を感じ、これからのルートへのワクワク感が高まるパートだ。「マカプウ」の見晴らしが効くスポットまで、少しずつ上り始める。振り返れば、背後には青い海が広がっている。
上り切り、ツアーメンバーでマカプウの眺望が楽しめるスポットで記念撮影。少し曇が広がってしまったけれど、皆、そんな天気なんて吹き飛ばすほどの笑顔で盛り上がっていた。

マカプウから、海岸線をダウンヒル (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
さて、ここからは下り基調。美しいビーチが連なる絶景ラインの始まりだ。右手に広がる美しい海を眺めながら、孤を描くように下っていく。海、砂、岩場が織りなす絶景だ。前日にプラクティスライドで立ち寄ったマカプウビーチを越えると、次の美しいビーチパークが現れる。濃い水色の海と、黄緑の葉を茂らせる植栽、白い砂浜が伸びている。海で遊ぶロコの様子もまた美しい景色になっていて、海を眺め、ハワイを噛み締めながら走っていく。
ワイマナロのビーチから内陸に入り、ジャングル地帯へ。ホノルルというとアロハなビーチのイメージだけれど、ハワイらしい、てっぺんが平らな形の火山を望む、熱帯植物が茂るエリアも広がっているのだ。このエリアだけ湿度が違ったり、鳥や動物の鳴き声が響いていたりと別世界を味わうことができる。ハワイには野生のニワトリが多く、めんどりが、あちこちで子育てしており、ヒヨコを連れて歩くさまがかわいらしかった。

ワイマナロのジャングル地帯へ入る一行 (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

ハワイ特有の火山の山肌を眺めながら走る (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
ジャングルを抜けてからは緑豊かな市街地に入り、街の様子を楽しみながら進む。順調に、第2エイド「カイルア・インターミディエイト・スクール」に到着。ツアーの参加者の大半はここにいて、すでに先行された方々もいらっしゃる状態。時間は9時15分。これなら余裕で完走できそうだ。
ここは色とりどりのシェイブアイスが並ぶエイド。シロップの味と色味が日本のシロップのイメージと異なっていて、面白い。今年は、ここにフルーツ、スポーツフード、おなじみのピーナッツバター、マラサダ(ドーナッツ)と豪華なラインナップが並んでいた。

第2エイドのカイルア・インターミディエイト・スクール photo:Kinuyo

ハワイの学校の校舎は開放的で、新鮮だ photo:Kinuyo 
エイドではたくさんのフードがふるまわれた photo:Kinuyo

大人気だった紫色のマラサダ photo:Kinuyo

色とりどりなシェイブアイス photo:Kinuyo 
シェイブアイスシロップ!日本とフレーバーと色味が異なっていて興味深い photo:Kinuyo
地元のイモを使った紫のマラサダを頬張ると、ふわふわで、「マラサダ止められない事件」も発生。「ついおいしくて食べちゃう!」「食べ過ぎかな?」と参加者の皆さんとわいわいエイドを囲む。全員順調で、次の関門に向けて焦る必要もない。好みのシェイブアイスを食べて、マラサダを食べて、満ち足りた気分。
フードもドリンクもふんだんに用意されており、ゴージャスなエイドだった。ここがツアー最後尾であることを確認し、9時半前にエイドを出発。とはいえ、1時間。もしトラブルが起きたら、きびしい時間ではある。緊張感を持っていこう。ここからのルートは比較的走りやすく、緩やかなアップダウンはあるものの、上り坂的なものもない。ヤシの並木を走り、市街地を越えて、ひた走る。「今年は順調ですねー」と皆でワイワイと話し、走った。

カイルアのヤシの並木を走る (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

陽気だったキープロジェクトのスタッフのみなさん (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
今年の第3エイドは「キー・プロジェクト」。ここは例年、折り返しの後のエイドとして設定されているのだが、今年は往路・復路ともに立ち寄るエイドとなった。環境や文化、社会の様々な側面からよりよい地域を目指して活動している施設とのことなのだが、そんなことは吹き飛ばすくらい、陽気なエイドで知られている。スタッフの皆さんが、歌い踊りながら運営し、到着時には「フー!」と高い声を上げて、迎え入れてくれるのだ。
昨年は曲に合わせて歌い踊りながら来訪者にクールダウンの水をかけていたけれど、今年は、かけられた曲を、大合唱しながら踊っていた。地元の皆さんは、カラダがイイので、声の響きが違うのだ。エネルギーに満ちあふれた陽気なエイド!もはやここはエンターテイメントゾーンである。普段シャイな日本人参加者も、ここでは皆笑顔になって、一緒に楽しもう。

ココナッツミルクで作られたハウピアタルト (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE

距離パネルの前で記念撮影! (c)HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE
プリッツェルやグラノーラのバー、ハウピア(ココナツミルクのプリンのようなデザート)やフルーツが並んでいた。ハウピアがおいしい!こっそりおかわりしちゃう。スタッフの皆さんはフードを配ることなんてそっちのけで楽しんでいる。このパワフルな盛り上げが、ここのエイドの一番のふるまいだと思う。立ち寄った皆が、水分や栄養だけでなく、気持ちのパワーチャージを行った。
ツアー参加者は全員10時半の制限時間もクリアし(実は、今年は歌に夢中で誰もタイム計測をしていないようだった)、いろいろな意味で晴れ晴れし、ライドのクライマックスパートへ向かった。
後編へつづく。
photo:HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE、Kinuyo
text:Kinuyo(東武トップツアーズホノルルセンチュリーライドスタッフ)
Special Thanks: 東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアー

東武トップツアーホノルルセンチュリーライドツアーのメインイベント、ホノルルセンチュリーライド当日の朝が来た。
ホノルルセンチュリーライドとは、ハワイ・オワフ島の東海岸を走るサイクリングイベントで、コースはカピオラニ公園をスタートし、マカプウ、ワイマナロ、カイルア、クアロアを抜け、スワンジービーチパークで折り返す100マイル(最長)。
色も風情も異なる様々なビーチ、熱帯林、街、ハワイらしい山々を眺めながら走るベストコースで、普通の旅行ではなかなか知り得ないハワイのさまざまな面を、自転車の速度で、五感で感じながら、気持ちよく走り抜けることができる。


最長距離は100マイル(160km)だが、25、50、75マイル(それぞれ40、80、120km)でもエントリーでき、帰路はバスを使い、80km地点の折り返しまでのワンウェイのみ走るという参加も可能。近年はe-bikeの参加者も増え、疲れたらスロットルを回すだけで進めるE-BIKEも現地でレンタルし使用できるため、現実的に、どなたでも参加できるようになった。
参加者でホテルのエレベーターが混み合うため、早めに部屋を出る。外はまだ、夜明け前。通りに出ると、暗い中、ビーチ沿いにうっすら見えるヤシの木のシルエットの前を、ライトを点けた自転車が列をなして走って行く姿が見える。壮観だ。
ツアーでは、スタート地点に朝5時半を目安に集合する。最前ブロックにVIPエントリーの方々、自己申告した走行速度のグループ順に参加者が並ぶ。ツアー参加者の目印であるリボンを肩に着けた方々にお声かけし、記念撮影しながら、スタートを待つ。皆、なんとなく気持ちが高揚している。この空気が好きだ。


最長距離である100マイルを完走するためには、75マイル折り返しの第3エイド(60km地点)に午前10時半までに到達しなければならない。スタートから4時間以上あり、簡単そうに感じるが、エイドで盛り上がったり、絶景が点在し、記念撮影をしたくなったりと、随所に「トラップ」があり、気を抜くと間に合わなくなってしまう。
ツアーでは、私がこの100マイルをギリギリ完走できる最後のラインで走り、畑中選手は参加者のみなさんの動向を見ながら、先行するか、多くの方がゆっくりペースであれば、皆で同じペースで行こうということになっていた。

明るくなり始めた頃、開会式がスタート。英語と日本語で進行する。アメリカ国歌、ハワイ州歌の斉唱があり、胸に手を当てて聴いている方々を見て、アメリカの大会なんだと再確認する。日本人が参加者の半分を占めていた時代もあったが、今は参加者の多くがアメリカ人、ハワイ州に住む地元の方々だという。さぁ、ハワイアンなイベントに飛び込んで、全力で楽しもう。

6時21分にスタートのアナウンスがあり、盛大に送り出されながら、参加者たちが一気に飛び出して行った。日本のサイクリングではグループごとの出発が多く、この方式は経験したことがないと思う。速い方にスペースを譲りながら、快適に走れるラインを探す。


カピオラニ公園を回り、ダイアモンドヘッドへ。陽が昇り、少しずつ景色が色づいてきた。まだ色味の浅い、早朝の海が美しい。眺望が楽しめる「ダイアモンドヘッドルックアウト」でいったんストップ。ツアーの皆さんには、ここで一時停止し、態勢を整えようと話していた。多くの方々がここでストップしてくれており、改めて顔を合わせ、美しい海を背景に記念撮影。みなさんトラブルなくスタートできている様子だ。

ここからは高級別荘街を抜けていく。美しい海が目の前に広がる邸宅では、どんな生活が営まれているのだろう。妄想が膨らむ。北上し、ハイウェイを目指す。
ハイウェイは、警官が随所に立ち、右側車線を交通規制してくれていて、安心して走ることができる。スタート後、このあたりまでは参加者が集中して混み合うが、追い抜くときには「オン・ユア・レフト(左側から抜きます)」と声を掛け合えて、お互いが見えている方が多いので、不安や怖い思いをすることもない。


ハイウェイを抜け、前日に寄った「ココマリーナ」の角を回り、ハワイ・カイへ。ここで大会名物の心臓破りの坂「ハートブレイクヒル」が登場する。右折すると、ドーンと目の前に現れるので、名前の通り心が折れるが、勾配は10%を超えず、リアルに厳しい登坂ではなく、長くもない。ツアーでは最初から疲労するのを避けるため、「自信のない方は押し歩きもアリ」という作戦で臨むことにしていた。上り切ったところで、皆さんを待って、様子を見たり、写真を撮ったりして、再スタートする。


この先は上りの後のごほうびのような下り基調区間。ゴルフ場脇を抜け、海岸線を目指して気持ちよく走る。下り切ると、一気に目の前に海が広がる。第1エイド「サンデービーチパーク」はもうすぐだ。広いフィールドにテントを建てた開放感のあるエイドに入ると、もうすでに、参加者でにぎわっていた。このエイドは全参加者対象になり、最初のエイドであることから、まとまった人数が滞留することになる。多くの参加者がエイドのフードをつまみながら、あちこちで会話を楽しんでいる。皆、ここではまだ元気で、ついにスタートした興奮が漂っており、活気のあるエイドだ。



25マイル到着のステッカーを受け取り、フードをチェック。バナナやオレンジと、パッケージ入りの一口サイズのグラノーラバーが並ぶ。ドライフルーツが入り、味もよくて、ついいろんなフレーバーを食べたくなってしまう。大会のスタッフTシャツにショートパンツを履いた地元の方々が、テキパキとエイドを運営しているが、一人一人にパワーがあふれていて、その風格や明るさに、ハワイを感じる。ハワイらしいスタッフの皆さんとの交流は、センチュリーライドの大きな魅力のひとつだと思う。
ツアーの一行は、とても順調。この日もやや風が強く、ここから先が向かい風区間になる可能性もあり、早めに出ようと話し合ったが、参加者のみなさんの方が心得ていて、気付いたら皆さんは早々に旅立っていたようだ。慌てて、居合わせた皆さんと一緒に再スタート。

絶景スポットのひとつ「マカプウ」に向けて北上する。少し風が強いが、走れないほどではない。海を感じ、これからのルートへのワクワク感が高まるパートだ。「マカプウ」の見晴らしが効くスポットまで、少しずつ上り始める。振り返れば、背後には青い海が広がっている。
上り切り、ツアーメンバーでマカプウの眺望が楽しめるスポットで記念撮影。少し曇が広がってしまったけれど、皆、そんな天気なんて吹き飛ばすほどの笑顔で盛り上がっていた。

さて、ここからは下り基調。美しいビーチが連なる絶景ラインの始まりだ。右手に広がる美しい海を眺めながら、孤を描くように下っていく。海、砂、岩場が織りなす絶景だ。前日にプラクティスライドで立ち寄ったマカプウビーチを越えると、次の美しいビーチパークが現れる。濃い水色の海と、黄緑の葉を茂らせる植栽、白い砂浜が伸びている。海で遊ぶロコの様子もまた美しい景色になっていて、海を眺め、ハワイを噛み締めながら走っていく。
ワイマナロのビーチから内陸に入り、ジャングル地帯へ。ホノルルというとアロハなビーチのイメージだけれど、ハワイらしい、てっぺんが平らな形の火山を望む、熱帯植物が茂るエリアも広がっているのだ。このエリアだけ湿度が違ったり、鳥や動物の鳴き声が響いていたりと別世界を味わうことができる。ハワイには野生のニワトリが多く、めんどりが、あちこちで子育てしており、ヒヨコを連れて歩くさまがかわいらしかった。


ジャングルを抜けてからは緑豊かな市街地に入り、街の様子を楽しみながら進む。順調に、第2エイド「カイルア・インターミディエイト・スクール」に到着。ツアーの参加者の大半はここにいて、すでに先行された方々もいらっしゃる状態。時間は9時15分。これなら余裕で完走できそうだ。
ここは色とりどりのシェイブアイスが並ぶエイド。シロップの味と色味が日本のシロップのイメージと異なっていて、面白い。今年は、ここにフルーツ、スポーツフード、おなじみのピーナッツバター、マラサダ(ドーナッツ)と豪華なラインナップが並んでいた。






地元のイモを使った紫のマラサダを頬張ると、ふわふわで、「マラサダ止められない事件」も発生。「ついおいしくて食べちゃう!」「食べ過ぎかな?」と参加者の皆さんとわいわいエイドを囲む。全員順調で、次の関門に向けて焦る必要もない。好みのシェイブアイスを食べて、マラサダを食べて、満ち足りた気分。
フードもドリンクもふんだんに用意されており、ゴージャスなエイドだった。ここがツアー最後尾であることを確認し、9時半前にエイドを出発。とはいえ、1時間。もしトラブルが起きたら、きびしい時間ではある。緊張感を持っていこう。ここからのルートは比較的走りやすく、緩やかなアップダウンはあるものの、上り坂的なものもない。ヤシの並木を走り、市街地を越えて、ひた走る。「今年は順調ですねー」と皆でワイワイと話し、走った。


今年の第3エイドは「キー・プロジェクト」。ここは例年、折り返しの後のエイドとして設定されているのだが、今年は往路・復路ともに立ち寄るエイドとなった。環境や文化、社会の様々な側面からよりよい地域を目指して活動している施設とのことなのだが、そんなことは吹き飛ばすくらい、陽気なエイドで知られている。スタッフの皆さんが、歌い踊りながら運営し、到着時には「フー!」と高い声を上げて、迎え入れてくれるのだ。
昨年は曲に合わせて歌い踊りながら来訪者にクールダウンの水をかけていたけれど、今年は、かけられた曲を、大合唱しながら踊っていた。地元の皆さんは、カラダがイイので、声の響きが違うのだ。エネルギーに満ちあふれた陽気なエイド!もはやここはエンターテイメントゾーンである。普段シャイな日本人参加者も、ここでは皆笑顔になって、一緒に楽しもう。


プリッツェルやグラノーラのバー、ハウピア(ココナツミルクのプリンのようなデザート)やフルーツが並んでいた。ハウピアがおいしい!こっそりおかわりしちゃう。スタッフの皆さんはフードを配ることなんてそっちのけで楽しんでいる。このパワフルな盛り上げが、ここのエイドの一番のふるまいだと思う。立ち寄った皆が、水分や栄養だけでなく、気持ちのパワーチャージを行った。
ツアー参加者は全員10時半の制限時間もクリアし(実は、今年は歌に夢中で誰もタイム計測をしていないようだった)、いろいろな意味で晴れ晴れし、ライドのクライマックスパートへ向かった。
後編へつづく。
photo:HM-A / HONOLULU CENTURY RIDE、Kinuyo
text:Kinuyo(東武トップツアーズホノルルセンチュリーライドスタッフ)
Special Thanks: 東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアー
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