2025/02/22(土) - 08:15
終盤の落車が混沌を生み出したUAEツアー第5ステージで、ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がライバルを一蹴。前日の2位の雪辱を果たす、スプリント勝利を手に入れた。
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スタート前に拳を合わせるミランとポガチャル photo:UAE Tour
中東の国、アラブ首長国連邦で開催中の第7回UAEツアー(UCIワールドツアー)は5日目を迎え、この日の舞台は丘一つない平坦路。大都市ドバイにある2つの大学を結ぶ160kmコースで、混沌のスプリント勝負が繰り広げられた。
横風による集団分断の可能性も高いステージでは、プロチームであるソリューションテック・ヴィーニファンティーニとVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネの5名で逃げグループが形成される。それを見送ったメイン集団はリラックスモードに移行すると思いきや、残り148km地点で総合首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が動く。
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逃げに乗り、中間スプリントを先頭通過したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
ドメン・ノヴァク(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)の牽引を受けたポガチャルはプロトンを飛び出し、そこに総合10位のレナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット)ら4名が反応する。ポガチャルの目的は残り116km地点に設定された、ボーナスタイム最大3秒が与えられる中間スプリント。ノヴァクの力強い牽引で先頭集団に合流すると、ファンイートヴェルトらとのスプリントをポガチャルが制し、総合2位とのタイム差を18秒から21秒拡げることに成功した。
その後ポガチャルは逃げ集団に残り続け、残り39km地点でプロトンに引き戻される。残り距離が減るのに比例してスピードと緊張感を増す選手たちは、砂漠地帯を経て再びドバイの市街地に帰還。残り3.7km地点で発生した集団落車に総合3位のパブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター)が巻き込まれ、チームメイトの力も借りながら集団復帰を目指したものの、58秒遅れでタイムを失った。
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ドバイ周辺を巡るプロトン photo:UAE Tour
残り600mの右コーナーを先頭で駆け抜けたルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー)がアーリーアタック。後続では集団中盤で落車が発生したため、スプリントは先頭の15名程度に絞られる。メズゲッツをダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が捉え、コース左側でスプリントが開始された。
前日勝者のジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が踏み込み、その横にティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が並ぶ。さらに元JCLチーム右京のマッテオ・マルチェッリ(イタリア、XDSアスタナ)が迫るなか、ハンドル投げの僅差をメルリールが制した。
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ハンドル投げるティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour
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集団スプリントを制したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour
全身白に彩られたヨーロッパ王者ジャージでスプリント勝利を掴んだメルリール。「3年連続となるこの大会での勝利だ。チームのアシストにより適切なタイミングで踏み始めることができた。前日のスプリントを反省し、それを今日活かすことができた。明日もスプリントステージなのでベストを尽くしたい」と語った。
2位はマルチェッリ、3位はミランが入っている。
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中東の国、アラブ首長国連邦で開催中の第7回UAEツアー(UCIワールドツアー)は5日目を迎え、この日の舞台は丘一つない平坦路。大都市ドバイにある2つの大学を結ぶ160kmコースで、混沌のスプリント勝負が繰り広げられた。
横風による集団分断の可能性も高いステージでは、プロチームであるソリューションテック・ヴィーニファンティーニとVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネの5名で逃げグループが形成される。それを見送ったメイン集団はリラックスモードに移行すると思いきや、残り148km地点で総合首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が動く。
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ドメン・ノヴァク(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)の牽引を受けたポガチャルはプロトンを飛び出し、そこに総合10位のレナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット)ら4名が反応する。ポガチャルの目的は残り116km地点に設定された、ボーナスタイム最大3秒が与えられる中間スプリント。ノヴァクの力強い牽引で先頭集団に合流すると、ファンイートヴェルトらとのスプリントをポガチャルが制し、総合2位とのタイム差を18秒から21秒拡げることに成功した。
その後ポガチャルは逃げ集団に残り続け、残り39km地点でプロトンに引き戻される。残り距離が減るのに比例してスピードと緊張感を増す選手たちは、砂漠地帯を経て再びドバイの市街地に帰還。残り3.7km地点で発生した集団落車に総合3位のパブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター)が巻き込まれ、チームメイトの力も借りながら集団復帰を目指したものの、58秒遅れでタイムを失った。
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残り600mの右コーナーを先頭で駆け抜けたルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー)がアーリーアタック。後続では集団中盤で落車が発生したため、スプリントは先頭の15名程度に絞られる。メズゲッツをダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が捉え、コース左側でスプリントが開始された。
前日勝者のジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が踏み込み、その横にティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が並ぶ。さらに元JCLチーム右京のマッテオ・マルチェッリ(イタリア、XDSアスタナ)が迫るなか、ハンドル投げの僅差をメルリールが制した。
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全身白に彩られたヨーロッパ王者ジャージでスプリント勝利を掴んだメルリール。「3年連続となるこの大会での勝利だ。チームのアシストにより適切なタイミングで踏み始めることができた。前日のスプリントを反省し、それを今日活かすことができた。明日もスプリントステージなのでベストを尽くしたい」と語った。
2位はマルチェッリ、3位はミランが入っている。
UAEツアー2025第5ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:16:55 |
2位 | マッテオ・マルチェッリ(イタリア、XDSアスタナ) | |
3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | オデッド・コグット(イスラエル、イスラエル・プレミアテック) | |
6位 | マイケル・ゼイラート(オランダ、チューダー・プロサイクリング) | |
7位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | エルマール・ラインダルス(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 15:40:34 |
2位 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:21 |
3位 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) | +0:27 |
4位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:28 |
5位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:36 |
6位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +0:37 |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:38 |
8位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット) | |
9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +0:41 |
10位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +0:44 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) |
ヤングライダー賞 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:UAE Tour
photo:UAE Tour
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