泥と凍結の難コンディションで開催されたシクロクロス世界選手権男子ジュニアレース。イタリアがワン・スリーで次世代台頭をアピールした。スタートでの大落車に巻き込まれた山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)は58位で完走を逃した。



スタートダッシュ中に発生した大落車。山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)も巻き込まれた photo:Nobuhiko Tanabe

チェーンを修復する山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Nobuhiko Tanabe

2日目の3カテゴリーでこね上げられたコース上の泥は、-4℃という朝の厳しい冷え込みによって再凍結。シクロクロス世界選手権3日目の開幕レースである男子ジュニアレースが、気温上昇に伴い表面だけが溶けて非常に滑りやすくなったコース上で繰り広げられた。

12月末から欧州拠点でビッグレースを経験してきた山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)を含む22カ国67名が一斉にダッシュする中、隊列中盤で大規模な落車が発生する。吹き飛ばされた選手たちの中には山田も巻き込まれ、大きく出遅れてしまう波乱の幕開けとなった。

波乱は先頭グループにも次々と襲いかかった。スリッピーな路面に足元をすくわれる落車が続出し、4周目にソレン・ブリュイエールジュマール(フランス)と先頭グループを組んでいたマッティア・アゴスティナッキオ(イタリア)がキャンバー区間で落車。開催国フランスのブリュイエールが独走したものの、「落車でシューズが壊れたけれど、"絶対追いつける"と言い聞かせてプッシュし続けた」というアゴスティナッキオがバイク無交換作戦でブリュイエールに追いつき、下り基調のテクニカル区間で突き放した。

落車のダメージを受けながら追走する山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Nobuhiko Tanabe

壊れたシューズをアピールしてフィニッシュするマッティア・アゴスティナッキオ(イタリア) photo:CorVos

wk_lievin-0001396.jpg.jpeg photo:CorVos

開催国フランスの2つ目の金メダルを阻んだアゴスティナッキオが、ダビデ・マラカルネ(2005年)とステファノ・ヴィエッツィ(2024年)に続く、イタリアに3度目のジュニアUCIシクロクロス世界選手権男子タイトルを献上。イタリアは3位にもフィリッポ・グリゴリーニを送り込み、現在エリートとU23を支配するオランダ/ベルギーに続く新世代台頭を強くアピールした。

同じく落車に巻き込まれた選手たちをバトルを繰り広げた山田だったが、遅れが響いて完走ならず。58位で自身初のシクロクロス世界選手権を終えている。



山田駿太郎のコメントは別記事で紹介します。
シクロクロス世界選手権2025 男子ジュニア
1位 マッティア・アゴスティナッキオ(イタリア) 45:47
2位 ソレン・ブリュイエールジュマール(フランス) +0:12
3位 フィリッポ・グリゴリーニ(イタリア) +0:30
4位 ベンジャミン・ノバル(スペイン) +0:31
5位 マッツ・ファンデンイェンド(ベルギー) +0:39
58位 山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)
text:So Isobe
photo:CorVos, Nobuhiko Tanabe

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