2024/12/26(木) - 16:00
近年、舗装路から未舗装路まで1台で楽しめるオールロードバイクの種類が充実し始めている。それらにフィットするタイヤをシュワルベはロードレース用”PRO ONE”の34C、グラベル系"G-ONE SPEED”の35Cでカバー。この2モデルをオールロードという視点でチェックしよう。
シュワルベが誇るフラッグシップロードタイヤ、シュワルベ PRO ONE
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シュワルベ PRO ONE 34C
PRO ONEは言わずもがなシュワルベが誇るロードレース用のフラッグシップタイヤだ。ロードレースシーンでは現在25Cから28C、30Cへとタイヤ幅が拡大傾向にあり、シュワルベももちろんそのサイズをカバー。のみならず、34Cという非常に幅広のモデルまで用意しており、オールロードバイクのジャンルまで網羅している。
34Cというワイドサイズに、ADDIX Raceコンパウンドという最高峰のテクノロジーを載せていることがポイントだ。コンパウンド由来の転がり抵抗の低さとグリップ力の高さ、そしてワイドタイヤらしいビッグボリュームの空気量による快適性や安定性の高さを両立しており、荒れた路面への適性を高めている。
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タイヤの設計はレースタイヤと同様のため、性能は折り紙付き
さらにV-Guardというパンク防止レイヤーも備えられていることも特徴。特殊な繊維を採用したベルトをトレッド下に配置することで、軽いグラベルでも安心して走破できる耐久性を獲得している。また軽量なレイヤーでもあり、34Cながら軽さも獲得している。
PRO ONEの走行インプレッション
34Cというサイズはロードタイヤとしては太めだが、実際に使ってみると、ロードバイクとの相性の良さに驚かされた。PRO ONEらしい良さは受け継がれていて、30〜40km/h程度の速度域での巡航でも軽く転がってくれるのは好印象だ。
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PRO ONEでもライトグラベルの走破性は高い
スペックの重量だけ見てしまうと、25Cや28Cと比べると妥協が必要だが、30C以上のタイヤを使ったことがある方であれば、違和感なく扱えそう。もちろん出だしの数漕ぎ分は重量を感じるもののスピードが乗ってしまえば慣性力も相まって楽に巡航ができるため、ロードタイヤとしての性能は十分に発揮される。
ワイドタイヤのメリットは重量増を補って余りある乗り心地の良さとコーナリング性能。3Bar〜3.5Barほどの空気圧で使用したが、しっかりとトラクションもかかり、ライトグラベルや芝生の上でもハンドリングの不安定さを感じられない。ほぼスリックだが、想像以上にオフロードも楽しめた。
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34Cでも舗装路をハイスピードで駆け抜けられる
日本の路面状況を考えると、このサイズのタイヤは実用性が高いと感じる。太いタイヤならではのメリットとして、急なリカバリーも取りやすく、レース以外の用途では非常に実用的な選択肢となるだろう。
パリ〜ルーべのために生まれた舗装路とグラベルをカバーするシュワルベ G-ONE SPEED
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シュワルベ G-ONE SPEED 35C
一方のG-ONE SPEEDはグラベルカテゴリーに位置付けられるものの、パリ〜ルーべ用に開発されたモデルで、砂浜を走るビーチレースでも愛用するライダーは多い一本。ロードレースに求められるスピードを備えつつも、パヴェのような荒れた路面での安定性を求めた、まさに現在のオールロードとしてぴったりだ。
スピードと安定性の両立を実現するのはトレッドを覆う円形の低いパターンだ。これによって舗装路での転がり抵抗を低減しつつ、砂利道や砂地でのグリップやトラクション性を生み出している。またブロックがあることによって突き刺しパンクなどのリスクも抑えている。
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非常に背の低いパターンだが、グリップ等の性能が高まっている
両タイヤとも、チューブレスレディ仕様を採用していることで、路面状況に応じた最適な走行特性を引き出すことが可能。舗装路では高めの空気圧で転がり抵抗を抑え、未舗装路では低めの空気圧でグリップ力と快適性を確保するという使い方ができそうだ。
G-ONE SPEEDの走行インプレッション
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落ち葉の上でもタイヤが路面を捉え続けてくれるG-ONE SPEED
センターパターンがシクロクロスタイヤに近い設計で、砂地用のトレッドパターンのよう。そのため加速感もシクロクロスタイヤに近い。スピードの伸びはPRO ONEには及ばないものの、グラベルや荒れた路面、石畳といった状況下での性能は申し分ない。
特筆すべきは路面追従性で、凹凸に対してパターンが背が低くてもしっかりと食いついてくれる。スリックタイヤでは弾かれてしまうような状況でも、パターン形状によって適切なグリップを確保できる。また、砂や小石が付きにくい設計になっているのも特徴的だ。一般的なロードタイヤでは食い込みやすい砂や小石も、このパターンなら自然と剥がれ落ちる。
気持ちよく走れる速度域は25-35km/h程度が最適で、それ以上のスピードになるとパターンの影響で進みが重くなる傾向にある。オフロード性能を重視しながらも、舗装路でも違和感なく走れるバランスの取れたタイヤで、特に荒れた路面での安定感は群を抜いている。
タイヤの選び分け方
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走行スピードや走る路面状況に合わせて選び分けよう
わずか1mmのタイヤ幅の違いだが、どういうライドスタイルか、走るエリアはどこかで選び分けることができる。舗装路メインで、たまに河川敷のグラベルのようなライトなオフロードにも顔を出したい時はPRO ONEがピッタリで、巡航スピードを高く保ちたい方におすすめだ。
オフロード割合が高くなる場合や、土路面や落ち葉が多くあるようなコーナーを曲がる必要がある時はG-ONE SPEEDを選びたい。特にグラベルに初挑戦するという方であれば、舗装路での走行感を犠牲にしすぎず、未舗装路もチャレンジしやすいセッティングとなる。
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G-ONE SPEEDはライトグラベルならものともしない
G-ONE SPEEDはグラベルカテゴリーに含まれるモデルだが、出自がパリ〜ルーべのタイヤということもあり、舗装路でも想像以上に気持ちよく走ることができる。砂利などが食い込んでのパンクリスクはG-ONE SPEEDの方が低いため、ライドを安全に走りたいという方にはおすすめ。
34C、35Cというワイドなタイヤを履くことのできるエンデュランス系、オールロード系のバイクも続々登場している現在、グラベルバイクよりも舗装路を軽快に走れる選択肢の一つとなっている。PRO ONEやG-ONE SPEEDは、それらのバイクの性能を引き出し、ライドの質を高めてくれるハイスペックなタイヤだ。
シュワルベ PRO ONE(TLE)
サイズ:34C
カラー:ブラック、トランスペアレント
重量:340g
価格:13,530円(税込)
シュワルベ G-ONE SPEED
サイズ:35C
カラー:ブラック
重量:430g
価格:12,100円(税込)
Impression:Michinari Takagi
text:Gakuto Fujiwara
シュワルベが誇るフラッグシップロードタイヤ、シュワルベ PRO ONE
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PRO ONEは言わずもがなシュワルベが誇るロードレース用のフラッグシップタイヤだ。ロードレースシーンでは現在25Cから28C、30Cへとタイヤ幅が拡大傾向にあり、シュワルベももちろんそのサイズをカバー。のみならず、34Cという非常に幅広のモデルまで用意しており、オールロードバイクのジャンルまで網羅している。
34Cというワイドサイズに、ADDIX Raceコンパウンドという最高峰のテクノロジーを載せていることがポイントだ。コンパウンド由来の転がり抵抗の低さとグリップ力の高さ、そしてワイドタイヤらしいビッグボリュームの空気量による快適性や安定性の高さを両立しており、荒れた路面への適性を高めている。
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さらにV-Guardというパンク防止レイヤーも備えられていることも特徴。特殊な繊維を採用したベルトをトレッド下に配置することで、軽いグラベルでも安心して走破できる耐久性を獲得している。また軽量なレイヤーでもあり、34Cながら軽さも獲得している。
PRO ONEの走行インプレッション
34Cというサイズはロードタイヤとしては太めだが、実際に使ってみると、ロードバイクとの相性の良さに驚かされた。PRO ONEらしい良さは受け継がれていて、30〜40km/h程度の速度域での巡航でも軽く転がってくれるのは好印象だ。
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スペックの重量だけ見てしまうと、25Cや28Cと比べると妥協が必要だが、30C以上のタイヤを使ったことがある方であれば、違和感なく扱えそう。もちろん出だしの数漕ぎ分は重量を感じるもののスピードが乗ってしまえば慣性力も相まって楽に巡航ができるため、ロードタイヤとしての性能は十分に発揮される。
ワイドタイヤのメリットは重量増を補って余りある乗り心地の良さとコーナリング性能。3Bar〜3.5Barほどの空気圧で使用したが、しっかりとトラクションもかかり、ライトグラベルや芝生の上でもハンドリングの不安定さを感じられない。ほぼスリックだが、想像以上にオフロードも楽しめた。
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日本の路面状況を考えると、このサイズのタイヤは実用性が高いと感じる。太いタイヤならではのメリットとして、急なリカバリーも取りやすく、レース以外の用途では非常に実用的な選択肢となるだろう。
パリ〜ルーべのために生まれた舗装路とグラベルをカバーするシュワルベ G-ONE SPEED
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一方のG-ONE SPEEDはグラベルカテゴリーに位置付けられるものの、パリ〜ルーべ用に開発されたモデルで、砂浜を走るビーチレースでも愛用するライダーは多い一本。ロードレースに求められるスピードを備えつつも、パヴェのような荒れた路面での安定性を求めた、まさに現在のオールロードとしてぴったりだ。
スピードと安定性の両立を実現するのはトレッドを覆う円形の低いパターンだ。これによって舗装路での転がり抵抗を低減しつつ、砂利道や砂地でのグリップやトラクション性を生み出している。またブロックがあることによって突き刺しパンクなどのリスクも抑えている。
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両タイヤとも、チューブレスレディ仕様を採用していることで、路面状況に応じた最適な走行特性を引き出すことが可能。舗装路では高めの空気圧で転がり抵抗を抑え、未舗装路では低めの空気圧でグリップ力と快適性を確保するという使い方ができそうだ。
G-ONE SPEEDの走行インプレッション
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センターパターンがシクロクロスタイヤに近い設計で、砂地用のトレッドパターンのよう。そのため加速感もシクロクロスタイヤに近い。スピードの伸びはPRO ONEには及ばないものの、グラベルや荒れた路面、石畳といった状況下での性能は申し分ない。
特筆すべきは路面追従性で、凹凸に対してパターンが背が低くてもしっかりと食いついてくれる。スリックタイヤでは弾かれてしまうような状況でも、パターン形状によって適切なグリップを確保できる。また、砂や小石が付きにくい設計になっているのも特徴的だ。一般的なロードタイヤでは食い込みやすい砂や小石も、このパターンなら自然と剥がれ落ちる。
気持ちよく走れる速度域は25-35km/h程度が最適で、それ以上のスピードになるとパターンの影響で進みが重くなる傾向にある。オフロード性能を重視しながらも、舗装路でも違和感なく走れるバランスの取れたタイヤで、特に荒れた路面での安定感は群を抜いている。
タイヤの選び分け方
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わずか1mmのタイヤ幅の違いだが、どういうライドスタイルか、走るエリアはどこかで選び分けることができる。舗装路メインで、たまに河川敷のグラベルのようなライトなオフロードにも顔を出したい時はPRO ONEがピッタリで、巡航スピードを高く保ちたい方におすすめだ。
オフロード割合が高くなる場合や、土路面や落ち葉が多くあるようなコーナーを曲がる必要がある時はG-ONE SPEEDを選びたい。特にグラベルに初挑戦するという方であれば、舗装路での走行感を犠牲にしすぎず、未舗装路もチャレンジしやすいセッティングとなる。
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G-ONE SPEEDはグラベルカテゴリーに含まれるモデルだが、出自がパリ〜ルーべのタイヤということもあり、舗装路でも想像以上に気持ちよく走ることができる。砂利などが食い込んでのパンクリスクはG-ONE SPEEDの方が低いため、ライドを安全に走りたいという方にはおすすめ。
34C、35Cというワイドなタイヤを履くことのできるエンデュランス系、オールロード系のバイクも続々登場している現在、グラベルバイクよりも舗装路を軽快に走れる選択肢の一つとなっている。PRO ONEやG-ONE SPEEDは、それらのバイクの性能を引き出し、ライドの質を高めてくれるハイスペックなタイヤだ。
シュワルベ PRO ONE(TLE)
サイズ:34C
カラー:ブラック、トランスペアレント
重量:340g
価格:13,530円(税込)
シュワルベ G-ONE SPEED
サイズ:35C
カラー:ブラック
重量:430g
価格:12,100円(税込)
Impression:Michinari Takagi
text:Gakuto Fujiwara
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