2024/11/28(木) - 21:20
海外ツアーを専門とする旅行会社フェロートラベルが、海外サイクリングのツアーの魅力を紹介する「フェローサイクルフェスタ」を11月3日(日)に東京で開催した。別府史之さんをゲストに招いてのトークショーとツアーを紹介するイベントで、2025年のツール・ド・フランス観戦ツアーの概要も発表された。
「フェローサイクル」とは、ヨーロッパへのスキーツアー等を得意とする創業50年を迎える旅行会社フェロートラベルが、長年のアウトドアアクティビティとツアーのノウハウを活かして企画したサイクリスト向けのツアーブランド。同社は過去数々の海外サイクルツアーを企画・催行してきた実績があり、そのツアーの模様などはシクロワイアードでも度々お伝えしてきた。
今回企画された「フェローサイクルフェスタ」は、来季の海外サイクリングツアーやツール・ド・フランス観戦ツアーの内容についての発表とその概要の説明会だ。しかもゲストには元プロロードレーサーの別府史之さんが登場し、サイクルファン注目のイベントになった。
開催されたのはツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの翌日の11月3日。会場は東京・九段下の九段会館テラス。別府さん効果か、約80人もの参加者を集めた。フェロートラベルは海外ツアーの老舗とあって常連と呼べるファンも多く、何度もツアーに参加しているという人も。なかにはさいたまクリテリウムから続けて東京に残り、参加したという地方からの方もいた。ちなみに参加は無料だが事前のオンライン予約が必要だった。
会は2部構成で開催。まずは来年のツール・ド・フランス観戦ツアーの紹介から。ツール・ド・フランス2025のコースが発表されたのは数日前とあって、まずはそのコースを見ながら別府さんが概要や見どころを紹介。そしてツアーの紹介へと入っていく。
フェローサイクルのツール・ド・フランス観戦ツアーで重視しているのは山岳ステージだ。それは最もレースが盛り上がるステージということもあるが、なにより交通規制等があることで一般の人のアクセスが非常に難しいため。そこは何度も観戦ツアーを実施してきた同社のノウハウで沿道での観戦を可能にしてくれる。ときにクルマでのアクセスが難しいポイントまで自転車を活用しての自走による移動と観戦も組み合わせる。そしてレースが決する終盤のタイムトライアルなども観戦に組み入れる。
さっそく組まれた2025年のツアーは8日間と10日間の2コース。7月20日に出発、マルセイユヘ。モンペリエでの休息日を迎えるツール・ド・フランスに合流する。翌日の第16ステージはモン・ヴァントゥーの山岳ステージで、山頂付近で観戦。平坦の第17ステージはレース中間地点で観戦。第18ステージはクーシュベル(コル・デ・ラ・ロゼ)フィニッシュの山岳ステージではロズ峠で観戦。第19ステージはゴール地点のラ・プラーニュ山頂にて山頂フィニッシュを観戦。
翌日、8日間コースはジュネーブ空港へ移動後、夜便にて帰国の途へ。10日間コースは丘陵ステージとなる第20ステージへ。ナンチュア周辺のスタート付近で観戦し、パリへ移動。レース最終日の第21ステージはフリータイムののちパリ・シャンゼリゼで観戦。翌日に帰国の途へ。以上のような概略でツアーが実施される。細かくは現在手配&調整中だ。
第2部はサイクリングツアーの紹介。過去のツアーの様子やスタッフが視察した様子がわかるスライドを上映しながらの説明会形式で行われた。なかでもフェローサイクルが最近力を入れているスペイン・バスク周辺、フランスの「ヴィアローナ」を中心にサイクリングツアーの魅力が語られた。
スペイン・バスク地方は2023年のツール・ド・フランスのグランデパール(開幕地)としてサイクルファンに急速に知名度を高めたが、もともとスペインとは異なるユニークなバスク文化圏が特長であり、「ビスケー湾の真珠」と称される街サン・セバスティアンは世界屈指の美食の街としても知られる。ツアーではツール・ド・フランス第1ステージのコースになったルートも実際に走る予定だという。
また、バスク地方には自転車メーカーのオルベアの本社工場がある。オルベアといえば日本でも今年に入ってぐっと注目度を高めている、今もっとも勢いのあるブランド。そして別府さんが今年アンバサダーに就任したことで、当然のようにオルベア本社訪問などもツアー内で可能になるという。こうしたつながりのあるバスク地方でのサイクリングツアーが企画されている。
もうひとつ紹介されたツアーはフランスの「ヴィアローナ(Via Rhôna)」。おそらく誰にとっても聞き慣れない名称だが、スイス・アルプスの麓ジュネーヴ湖からフランスの地中海沿岸のマルセイユまで、フランスを南北に流れるのがローヌ河だ。この大河沿いの約850kmの観光道路「ヴィアローナ」の整備が国を挙げて進んでいる。もともとヨーロッパの人々にとっては人気のあるサイクリングルートだが、近年に地元観光局がバイクルートを整備し、プロモーションをはじめたことで一気に注目度が増しているのだ。
フェローサイクルでは水澤代表がすでに昨年のうちにツアーを実施して走り、今年に入ってからも観光局とタイアップして再び試走会を実施し、サイクルツアーの実施に向けて体制を整えている。ツアーで走る予定なのはリヨンからの約530km。
別府さんは現在スイスに近いBourg-en-Bresse(ブールカン=ブレス)に住んでおり、フランス側の周辺は現在の日常的な自転車走行エリア。そしてヴィアローナが地中海に到達するマルセイユは、別府さんがかつてヨーロッパでの自転車キャリアをスタートさせた際に所属したラポム・マルセイユが拠点とした街とあって、別府さんにとっては多くの部分が馴染みのあるサイクルルートとなる。
こうしたサイクルツアーとツール・ド・フランス観戦ツアーにおいて別府さんもツアーに同行するなどのプランを調整中であり、そうなればファンにとっては嬉しいだろう。
会の後半はサイクルグッズが当たる抽選会やフランス・スペインワインの試飲&懇親会も開催。同社のツアーに参加した人も多く、美味しいワインと軽食をいただきながらの情報交換の場となった。
コロナ禍を経て海外サイクルツアーを実施できる旅行事業者は減ってしまったが、フェローサイクルはその状況を経ても元気にツアー催行を続けている唯一のツアー会社と言っていい。それはひとえに社長の水澤史人さんをはじめスタッフがサイクリングの経験豊富で造詣が深く、情熱を持って事業を継続しているから。ツアーはいずれも少人数制だが確かなサポートで満足のいくツアーに仕立ててくれる。各ツアーの展開についてはシクロワイアードでもフォローしていく予定だ。
text&photo:Makoto AYANO
「フェローサイクル」とは、ヨーロッパへのスキーツアー等を得意とする創業50年を迎える旅行会社フェロートラベルが、長年のアウトドアアクティビティとツアーのノウハウを活かして企画したサイクリスト向けのツアーブランド。同社は過去数々の海外サイクルツアーを企画・催行してきた実績があり、そのツアーの模様などはシクロワイアードでも度々お伝えしてきた。
今回企画された「フェローサイクルフェスタ」は、来季の海外サイクリングツアーやツール・ド・フランス観戦ツアーの内容についての発表とその概要の説明会だ。しかもゲストには元プロロードレーサーの別府史之さんが登場し、サイクルファン注目のイベントになった。
開催されたのはツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの翌日の11月3日。会場は東京・九段下の九段会館テラス。別府さん効果か、約80人もの参加者を集めた。フェロートラベルは海外ツアーの老舗とあって常連と呼べるファンも多く、何度もツアーに参加しているという人も。なかにはさいたまクリテリウムから続けて東京に残り、参加したという地方からの方もいた。ちなみに参加は無料だが事前のオンライン予約が必要だった。
会は2部構成で開催。まずは来年のツール・ド・フランス観戦ツアーの紹介から。ツール・ド・フランス2025のコースが発表されたのは数日前とあって、まずはそのコースを見ながら別府さんが概要や見どころを紹介。そしてツアーの紹介へと入っていく。
フェローサイクルのツール・ド・フランス観戦ツアーで重視しているのは山岳ステージだ。それは最もレースが盛り上がるステージということもあるが、なにより交通規制等があることで一般の人のアクセスが非常に難しいため。そこは何度も観戦ツアーを実施してきた同社のノウハウで沿道での観戦を可能にしてくれる。ときにクルマでのアクセスが難しいポイントまで自転車を活用しての自走による移動と観戦も組み合わせる。そしてレースが決する終盤のタイムトライアルなども観戦に組み入れる。
さっそく組まれた2025年のツアーは8日間と10日間の2コース。7月20日に出発、マルセイユヘ。モンペリエでの休息日を迎えるツール・ド・フランスに合流する。翌日の第16ステージはモン・ヴァントゥーの山岳ステージで、山頂付近で観戦。平坦の第17ステージはレース中間地点で観戦。第18ステージはクーシュベル(コル・デ・ラ・ロゼ)フィニッシュの山岳ステージではロズ峠で観戦。第19ステージはゴール地点のラ・プラーニュ山頂にて山頂フィニッシュを観戦。
翌日、8日間コースはジュネーブ空港へ移動後、夜便にて帰国の途へ。10日間コースは丘陵ステージとなる第20ステージへ。ナンチュア周辺のスタート付近で観戦し、パリへ移動。レース最終日の第21ステージはフリータイムののちパリ・シャンゼリゼで観戦。翌日に帰国の途へ。以上のような概略でツアーが実施される。細かくは現在手配&調整中だ。
第2部はサイクリングツアーの紹介。過去のツアーの様子やスタッフが視察した様子がわかるスライドを上映しながらの説明会形式で行われた。なかでもフェローサイクルが最近力を入れているスペイン・バスク周辺、フランスの「ヴィアローナ」を中心にサイクリングツアーの魅力が語られた。
スペイン・バスク地方は2023年のツール・ド・フランスのグランデパール(開幕地)としてサイクルファンに急速に知名度を高めたが、もともとスペインとは異なるユニークなバスク文化圏が特長であり、「ビスケー湾の真珠」と称される街サン・セバスティアンは世界屈指の美食の街としても知られる。ツアーではツール・ド・フランス第1ステージのコースになったルートも実際に走る予定だという。
また、バスク地方には自転車メーカーのオルベアの本社工場がある。オルベアといえば日本でも今年に入ってぐっと注目度を高めている、今もっとも勢いのあるブランド。そして別府さんが今年アンバサダーに就任したことで、当然のようにオルベア本社訪問などもツアー内で可能になるという。こうしたつながりのあるバスク地方でのサイクリングツアーが企画されている。
もうひとつ紹介されたツアーはフランスの「ヴィアローナ(Via Rhôna)」。おそらく誰にとっても聞き慣れない名称だが、スイス・アルプスの麓ジュネーヴ湖からフランスの地中海沿岸のマルセイユまで、フランスを南北に流れるのがローヌ河だ。この大河沿いの約850kmの観光道路「ヴィアローナ」の整備が国を挙げて進んでいる。もともとヨーロッパの人々にとっては人気のあるサイクリングルートだが、近年に地元観光局がバイクルートを整備し、プロモーションをはじめたことで一気に注目度が増しているのだ。
フェローサイクルでは水澤代表がすでに昨年のうちにツアーを実施して走り、今年に入ってからも観光局とタイアップして再び試走会を実施し、サイクルツアーの実施に向けて体制を整えている。ツアーで走る予定なのはリヨンからの約530km。
別府さんは現在スイスに近いBourg-en-Bresse(ブールカン=ブレス)に住んでおり、フランス側の周辺は現在の日常的な自転車走行エリア。そしてヴィアローナが地中海に到達するマルセイユは、別府さんがかつてヨーロッパでの自転車キャリアをスタートさせた際に所属したラポム・マルセイユが拠点とした街とあって、別府さんにとっては多くの部分が馴染みのあるサイクルルートとなる。
こうしたサイクルツアーとツール・ド・フランス観戦ツアーにおいて別府さんもツアーに同行するなどのプランを調整中であり、そうなればファンにとっては嬉しいだろう。
会の後半はサイクルグッズが当たる抽選会やフランス・スペインワインの試飲&懇親会も開催。同社のツアーに参加した人も多く、美味しいワインと軽食をいただきながらの情報交換の場となった。
コロナ禍を経て海外サイクルツアーを実施できる旅行事業者は減ってしまったが、フェローサイクルはその状況を経ても元気にツアー催行を続けている唯一のツアー会社と言っていい。それはひとえに社長の水澤史人さんをはじめスタッフがサイクリングの経験豊富で造詣が深く、情熱を持って事業を継続しているから。ツアーはいずれも少人数制だが確かなサポートで満足のいくツアーに仕立ててくれる。各ツアーの展開についてはシクロワイアードでもフォローしていく予定だ。
text&photo:Makoto AYANO
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