カスクが手掛けるアイウェアブランド、KOOから新型アイウェア「HYPE」が本日からリリースされた。レッドブル・ボーラ・ハンスグローエの選手たちも使用する、機能性とデザイン性に優れた新型アイウェアを最速インプレッション。



KOO HYPE photo:Michinari TAKAGI

2016年にイタリアンヘルメットブランドのカスクが立ち上げたアイウェアブランド、KOO(クー)。人気の高いカスクのヘルメットと抜群の相性、そしてUCIワールドチームのレッドブル・ボーラ・ハンスグローエへの供給も相まって、注目を集める存在だ。今回、そのラインアップに新作となるHYPE(ハイプ)が加わった。

これまでのKOOアイウェアラインアップに通ずる直線基調のデザインのハーフリムフレームを与えられたHYPE。その最大の特徴はレンズデザインにある。一見すると、ノーズ部分で左右に分かれた二枚のレンズを採用しているように見えるが、実は左右のレンズはフレームの裏側で繋がっているシングルレンズ構成となっているのだ。

四角いレンズのデザインが特徴的である photo:Michinari TAKAGI

ノーズ部分で繋がっているため、シングルレンズが搭載されている photo:Michinari TAKAGI

このユニークな構造が実現したのが大きなセンターベンチレーションホール。フレームの両サイドとあわせ、合計3か所に大きな通気ポートを備えることで、より多くのフレッシュな空気を取り込み、レンズの曇りを効果的に防いでくれる。

レンズを手がけたのは、KOOの代表作でもあるNOVAやSUPERNOVAと同じくドイツの光学メーカーであるZeiss社。ポリカーボネート製のトーリックレンズは二重湾曲形状を採用し、ライド中にも歪みの少ないクリアな視界を提供することで、安全なライドの味方となってくれる。

二重湾曲形状のZeiss社製トーリックレンズを採用 photo:Michinari TAKAGI

フレームの両側と中央に3か所も大きな通気ポートを備える photo:Michinari TAKAGI

フレーム素材には45%バイオベースのポリマーを使用することで環境にも配慮しつつ、37gと軽量な仕上がりに。また、頭部にしっかりフィットするラップアラウンドデザインのテンプル形状により、優れたグリップ感と快適な着け心地を実現。長時間のロードライドはもちろん、激しく動くシクロクロスやXCレースでもズレないホールド力を手にした。

ノーズパッドはKOO初となるフックに引っ掛けるタイプが採用された。スタンダードサイズとより厚みのあるパッドの2種類が付属し、顔の形によって交換することで、最適なフィット感を得られるだろう。

ノーズパッドはフックに引っ掛けるタイプが採された photo:Gakuto Fujiwara

ノーズパッドはスタンダートと厚みのある2種類が付属 photo:Michinari TAKAGI

更に、KOOのオプションであるオプティカルクリップも装着可能。眼鏡を使用するサイクリストは度付きレンズを製作せずとも度を入れることができる。クリップの販売価格は6,600円(税込)だ。

フレームカラーはマット仕上げのALMOND WHITE MATT、DARK BLUE MATT、VIOLET GLASS MATT、半透明のスケルトンカラーのCRYSTALもラインアップされる。価格は31,900円(税込)で、取り扱いは日直商会。

KOO HYPE(ALMOND WHITE MATT) (c)日直商会
KOO HYPE(VIOLET GLASS MATT) (c)日直商会


KOO HYPE(DARK BLUE MATT) (c)日直商会
KOO HYPE(CRYSTAL) (c)日直商会




―編集部インプレッション

テンプルが短く、ヘルメットのアジャスターと干渉しない photo:Gakuto Fujiwara

今回、HYPEのテストを担当するCW編集部員の高木は、鼻が低くて頬骨が高い、いわゆる日本人顔の持ち主。これまでSPECTROやDEMOSなどKOOアイウェアのテストを手がけてきており、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエの選手たちが最近のレースでかけているHYPEも気になっていた。

まずは薄いスタンダードノーズパッドを装着した状態で掛けてみると、案の定、鼻が低い私では頬骨にフレームが当たってしまう。そこで同梱されている厚い方のノーズパッドに交換してみたところ、頬骨との接触も解消され快適にフィットしてくれ一安心。

簡単なカスタムを終えれば、HYPEは抜群のフィット感を発揮してくれる。緩やかな曲線を描くテンプルがサイドから頭を包み込むようにホールドしてくれる。テンプルの長さも短く、ヘルメットのアジャスターと干渉しないのもストレスフリー。今回はカスクのELEMENTOとの組み合わせとなり、流石に良く考えられているなと感心しきり。
コントラストも高められているため、路面の凹凸やひび割れなど路面状況も把握しやすい photo:Gakuto Fujiwara

上部に盛り上がるようなフレームデザインによってレンズの縦幅は広く確保されている。スプリントやエアロポジションなどの深い前傾姿勢となっても、アイウェアのフレームが邪魔になることなく、常に良好で広い視界を得られるのは重要なポイントだ。

今回、テストしたレンズカラーはターコイズ・ミラー(VLT 11%)。視界のコントラストを高めてくれるレンズで、路面の凹凸やひび割れ、小石など路面状況も把握しやすく、使いやすいレンズカラーだ。

HYPEのデザイン上の特徴である左右のエアインテイクとセンターベンチレーションは、実際に必要十分な換気能力を備えている。寒くなってきたこの時期の朝方であってもレンズが曇ることは無く、決して見かけだけの設計ではないことを体感した。一方、外側に張り出した四角いレンズ形状によって不要な風の巻き込みを防ぎ、顔を保護してくれている安心感もある。

下ハンドルを持つような場面でも、アイウェアのフレームが視界を遮ることない photo:Gakuto Fujiwara

落ち着いた印象を与えるマットなカラーラインアップとイタリアンブランドらしいデザインは、「良いもの」を身に着けている満足感を与えてくれる。カスクのヘルメットとの組み合わせはもちろん最高の相性を保証してくれるが、他のブランドのヘルメットと合わせても馴染んでくれることは間違いない。

ロードレースでも活躍できる機能性も、カフェライドにマッチするデザイン性も備えたHYPE。カスクのファンはもちろん、ちょっと人とは違うアイウェアを探している人に刺さる一着だ。



KOO HYPE
カラー(レンズカラー):ALMOND WHITE MATT(ブラウン VLT 30%)、DARK BLUE MATT(TURQUISE ミラー VLT 11%)、VIOLET GLASS MATT(PINK ミラー VLT13%)、CRYSTAL(TURQUISE ミラー VLT 11%)
サイズ:ワンサイズ(スタンダードフィット)
付属品:ブリッジノーズパッド・スタンダードノーズパッド
レンズ:ZEISS製
付属品:ノーズパッド、クリーニングクロス
価格:31,900円(税込)
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