連日白熱のスプリントが続くツアー・オブ・グワンシー第4ステージで、イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック)が2連勝。しかしヴァーノンはスティキーボトルにより20秒ペナルティが課されたため、カンターが総合首位に浮上している。



丘陵ステージが舞台となったツアー・オブ・グワンシー4日目 photo:CorVos

ジャパンカップ開幕間近の日本と同じ、アジアの中国で開催中のグリー・ツアー・オブ・グワンシー。後半戦に突入した第4ステージは2級、3級、3級、2級とコースにカテゴリー山岳が満遍なく設定された丘陵ステージ。しかし最後の山岳でもフィニッシュから30km以上離れているため、この日も集団スプリントで決着した。

獲得標高差2,140mのレースには119名の選手たちが臨み、序盤からワールドツアーらしくワールドチーム4名による逃げ集団が形成される。その中には大会2日目にも逃げたタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ)と元TT欧州王者であるシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト)が入った。

シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト)ら4名が逃げた photo:CorVos

クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)も集団牽引に加わる photo:CorVos

4つのカテゴリー山岳は、逃げに乗ったペピン・レインデリンク(オランダ、スーダル・クイックステップ)が全てで先頭通過して山岳賞ジャージをゲットする。それを追いかけるメイン集団はクリストファー・フルーム(イギリス)などイスラエル・プレミアテックが中心となって牽引。その甲斐もあり、プロトンは残り2km地点で逃げ集団を引き戻した。

その後はバーレーン・ヴィクトリアスが先頭でペースを作り、スプリント決着を嫌うチームのアタックを抑制する。今年オランダTT選手権を制した198cmの長身、ダーン・ホーレ(リドル・トレック)の飛び出しは決まらず、勝負は4日連続の集団スプリントに持ち込まれた。

ミック・ファンダイケ(オランダ)をエースに据えるヴィスマ・リースアバイクが先頭でトレインを組み、その後アスタナ、イスラエルと入れ替わる。そして最終リードアウトであるライリー・ピックレル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)の背後からイーサン・ヴァーノン(イギリス)がスプリントを開始。後方からマックス・カンター(ドイツ、アスタナ・カザクスタン)とアルベルト・ブルットメッソ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が迫ったものの、ヴァーノンのトップスピードには届かなかった。

総合リーダージャージを着て2連勝を決めたイーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

「最初の勝利は時として自信を与えてくれる。選手キャリアで何度か連続勝利を収めたことがある。モチベーションと勢いがつくと、素晴らしい結果に繋がるんだ」と、2日連続の勝利を掴んだヴァーノンは語った。

総合首位だったヴァーノンは-10秒のボーナスタイムを得たため、総合リードを拡大。しかしレース中にスティキーボトル(チームカーからボトルを受け取る際に、チームカーがアクセルを踏み加速させること)をしたとして、+20秒のペナルティが与えられた。そのため区間2位のカンターが総合首位に再び浮上している。
グリー・ツアー・オブ・グワンシー2024第4ステージ結果
1位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック) 4:02:11
2位 マックス・カンター(ドイツ、アスタナ・カザクスタン)
3位 アルベルト・ブルットメッソ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
4位 リオネル・タミニオー(ベルギー、ロット・デスティニー)
5位 ミック・ファンダイケ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
6位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、モビスター)
7位 ライリー・ピックレル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)
8位 ニクラス・メルクル(ドイツ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
9位 マテウジュ・ゴヴェカル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
10位 ヘイス・ファンフッケ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)
個人総合成績
1位 マックス・カンター(ドイツ、アスタナ・カザクスタン) 15:53:30
2位 スタン・デウルフ(ベルギー、デカトロンAG2Rラモンディアル) +0:01
3位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) +0:02
4位 ドリース・デボント(ベルギー、デカトロンAG2Rラモンディアル) +0:04
5位 ヘイス・ファンフッケ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) +0:06
6位 フィリプ・マチェユク(ポーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:07
7位 ルネ・ヘレホーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)
8位 ジェイク・スチュワート(イギリス、イスラエル・プレミアテック) +0:08
9位 アルベルト・ブルットメッソ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
10位 ロバート・スタナード(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:10
その他の特別賞
ポイント賞 イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック)
山岳賞 ペピン・レインデリンク(オランダ、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 フィリプ・マチェユク(ポーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
チーム総合成績 イスラエル・プレミアテック
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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