2024/10/07(月) - 12:30
10月6日(日)に開催された茨城シクロクロス第2戦土浦ステージ。JCXシリーズ開幕戦となったこの日、男子エリートで副島達海(大阪産業大学)が、女子エリートで小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がそれぞれ勝利した。
女子エリート:小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧勝
女子エリートは小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がホールショットを決めてリードを獲得。全日本女王に対し、石田唯(TRKWorks)、小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・NASK Trading・ラバネロ)、竹村舞葉(SHIDO-WORKS)が追いかけるも、最速ラップを叩き出し続ける小林との距離は広がる一方だった。
安定した強い走り。全日本チャンピオンのプレッシャーを感じさせない走りで小林が開幕戦を制した。後続は粘りの走りを見せた石田が2位、竹村が3位と続いた。
「独走状態でしたが、常に前に速い選手がいるようなイメージをして走り続けられた。ラップタイムを落とさずに走り続けることができました。今年の目標は12月に開催される全日本選手権で連覇することです。今後も頑張りたいと思います」とレースを振り返った。
男子エリート:激しい一騎打ち。副島達海がスプリントで織田聖を打破
JCXシリーズ開幕戦の男子エリート(ME1)に参戦したのは80名以上の選手たち。全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、良きライバル関係を築く沢田時(宇都宮ブリッツェン)、U23全日本王者の副島達海(大阪産業大学)に、「Utsunomiya Lux」のジャージを纏う元チャンピオン小坂光。関西勢の選手層は少々薄めだが、それでも関東勢を中心にJCX開幕戦に相応しいメンバーが顔を揃えた。
隊列中盤で発生した落車を尻目にダッシュを決めたのは副島だった。ホールショットを奪い、そのままテクニカルなコーナーで後続との差を開いて独走体制に持ちこむ。「時さんも聖さんもロードレースを走っていたので、2人のエンジンが掛かる前にダッシュした」と言う副島だったが、すぐに砂利が浮いたコーナーで落車してアドバンテージを帳消しにしてしまう。しかし「キツいけど高負荷に耐えれたし、楽しめていたので調子がいいなと思っていました」と、織田と沢田の合流を許しながらも余裕を持ちつつレースを進めたと言う。
織田と沢田、副島の3人パックが猛烈なペースで突き進み、その後ろに小坂、鈴木雷人(OnebyESU-ICV)、加藤健吾(臼杵レーシング)の4位グループが続く。スピードコースを得意とするメンバーが上位を占める中、フランスでロード武者修行を行った経験を持つ宇賀隆貴(SHIDO-WORKS)は徐々にポジションを上げ、小坂や加藤を抜き去って最終的に4位に入る走りを披露する。
80%ルールによって次々と下位選手を足切りに追いやっていく先頭グループからは、苦しげな表情を見せていた沢田が遅れ、シケインでの激しいクラッシュで完全にロストしてしまう。勝負が織田と副島の二人に絞られる中、「シクロクロス用の練習をしっかりできた成果だと思う」と言う副島が、反対に「ロードシーズンが忙しくシクロクロスの練習ができていなかった」と振り返る織田のアタックを全て捌き切った。
最終周回でもアタックは決まらず、勝負はどよめきに包まれるホームストレートでのゴールスプリントへ。「長いストレートでの我慢勝負(副島)」で織田を振り切った副島が力強く両手を振り上げた。
昨年に続く、幸先良いJCX開幕戦優勝。「とても嬉しい。でも聖さんはコーナーも少し甘かったし、まだ調子が上がっていないように見えました。だからこの先はもっと厳しい戦いになるでしょうね」と副島は気持ちを引き締めた。「国内で誰よりも強くなりたい。世界選手権も目標ですが、下位で走っていても意味がないので、まずは自分の力を上げることを目標にしたい。その上では聖さんと戦って追い抜く気持ちでいます。ここで自惚れずに上を目指したい」と加える。
一方「悔しいけれど、開幕戦の結果に一喜一憂しても仕方ない。ここからロードと違う専門的な練習をしてコンディションを上げていきます」と敗れた織田は言う。2年連続全日本王者の織田はJCX第2戦をスキップしてイタリアに渡り、毎週繰り返されるUCIレースを戦って世界選手権のスタート順を上げるためのポイント獲得を目指す。その後は一時帰国してツール・ド・おきなわを走り、シクロクロス全日本選手権に再び目標を切り替えるという忙しない秋冬を過ごすという。
クラッシュ後も粘り強くペースを維持した沢田が3位に入り、宇賀が4位で最終完走者に。ラップタイム4分台という短距離のハイスピードコースゆえ、たった4人しか生き残れないという厳しいレースとなった。
その他のレース結果
ジュニアでは中盤から抜け出した野嵜然新(桐光学園高等学校)が独走優勝。MU17は三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)、MU15は富樫悠太郎(CROSS YAMANASHI)、 WU15は阿部怜奈が優勝を決めた。
マスターズクラスのMM35は佐川祐太(SNEL)、MM40は村田憲治(岩井商会レーシング)、MM50は杉原貴弘(チーム バケラッタ)、MM60は中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU)、WMは綾野桂子(TEAM GRM)が優勝。
ME2は内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)、ME3は 海老名歩(アーティファクトレーシングチーム)、WE2+3は浅見直子(オツカレー部)、ME4Aは竹田天飛(弱虫ペダルサイクリングチーム)、ME4Bは森大地(TRYCLE.ing)が上位クラスへの昇格を決めている。
女子エリート:小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧勝
女子エリートは小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がホールショットを決めてリードを獲得。全日本女王に対し、石田唯(TRKWorks)、小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・NASK Trading・ラバネロ)、竹村舞葉(SHIDO-WORKS)が追いかけるも、最速ラップを叩き出し続ける小林との距離は広がる一方だった。
安定した強い走り。全日本チャンピオンのプレッシャーを感じさせない走りで小林が開幕戦を制した。後続は粘りの走りを見せた石田が2位、竹村が3位と続いた。
「独走状態でしたが、常に前に速い選手がいるようなイメージをして走り続けられた。ラップタイムを落とさずに走り続けることができました。今年の目標は12月に開催される全日本選手権で連覇することです。今後も頑張りたいと思います」とレースを振り返った。
男子エリート:激しい一騎打ち。副島達海がスプリントで織田聖を打破
JCXシリーズ開幕戦の男子エリート(ME1)に参戦したのは80名以上の選手たち。全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、良きライバル関係を築く沢田時(宇都宮ブリッツェン)、U23全日本王者の副島達海(大阪産業大学)に、「Utsunomiya Lux」のジャージを纏う元チャンピオン小坂光。関西勢の選手層は少々薄めだが、それでも関東勢を中心にJCX開幕戦に相応しいメンバーが顔を揃えた。
隊列中盤で発生した落車を尻目にダッシュを決めたのは副島だった。ホールショットを奪い、そのままテクニカルなコーナーで後続との差を開いて独走体制に持ちこむ。「時さんも聖さんもロードレースを走っていたので、2人のエンジンが掛かる前にダッシュした」と言う副島だったが、すぐに砂利が浮いたコーナーで落車してアドバンテージを帳消しにしてしまう。しかし「キツいけど高負荷に耐えれたし、楽しめていたので調子がいいなと思っていました」と、織田と沢田の合流を許しながらも余裕を持ちつつレースを進めたと言う。
織田と沢田、副島の3人パックが猛烈なペースで突き進み、その後ろに小坂、鈴木雷人(OnebyESU-ICV)、加藤健吾(臼杵レーシング)の4位グループが続く。スピードコースを得意とするメンバーが上位を占める中、フランスでロード武者修行を行った経験を持つ宇賀隆貴(SHIDO-WORKS)は徐々にポジションを上げ、小坂や加藤を抜き去って最終的に4位に入る走りを披露する。
80%ルールによって次々と下位選手を足切りに追いやっていく先頭グループからは、苦しげな表情を見せていた沢田が遅れ、シケインでの激しいクラッシュで完全にロストしてしまう。勝負が織田と副島の二人に絞られる中、「シクロクロス用の練習をしっかりできた成果だと思う」と言う副島が、反対に「ロードシーズンが忙しくシクロクロスの練習ができていなかった」と振り返る織田のアタックを全て捌き切った。
最終周回でもアタックは決まらず、勝負はどよめきに包まれるホームストレートでのゴールスプリントへ。「長いストレートでの我慢勝負(副島)」で織田を振り切った副島が力強く両手を振り上げた。
昨年に続く、幸先良いJCX開幕戦優勝。「とても嬉しい。でも聖さんはコーナーも少し甘かったし、まだ調子が上がっていないように見えました。だからこの先はもっと厳しい戦いになるでしょうね」と副島は気持ちを引き締めた。「国内で誰よりも強くなりたい。世界選手権も目標ですが、下位で走っていても意味がないので、まずは自分の力を上げることを目標にしたい。その上では聖さんと戦って追い抜く気持ちでいます。ここで自惚れずに上を目指したい」と加える。
一方「悔しいけれど、開幕戦の結果に一喜一憂しても仕方ない。ここからロードと違う専門的な練習をしてコンディションを上げていきます」と敗れた織田は言う。2年連続全日本王者の織田はJCX第2戦をスキップしてイタリアに渡り、毎週繰り返されるUCIレースを戦って世界選手権のスタート順を上げるためのポイント獲得を目指す。その後は一時帰国してツール・ド・おきなわを走り、シクロクロス全日本選手権に再び目標を切り替えるという忙しない秋冬を過ごすという。
クラッシュ後も粘り強くペースを維持した沢田が3位に入り、宇賀が4位で最終完走者に。ラップタイム4分台という短距離のハイスピードコースゆえ、たった4人しか生き残れないという厳しいレースとなった。
その他のレース結果
ジュニアでは中盤から抜け出した野嵜然新(桐光学園高等学校)が独走優勝。MU17は三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)、MU15は富樫悠太郎(CROSS YAMANASHI)、 WU15は阿部怜奈が優勝を決めた。
マスターズクラスのMM35は佐川祐太(SNEL)、MM40は村田憲治(岩井商会レーシング)、MM50は杉原貴弘(チーム バケラッタ)、MM60は中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU)、WMは綾野桂子(TEAM GRM)が優勝。
ME2は内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)、ME3は 海老名歩(アーティファクトレーシングチーム)、WE2+3は浅見直子(オツカレー部)、ME4Aは竹田天飛(弱虫ペダルサイクリングチーム)、ME4Bは森大地(TRYCLE.ing)が上位クラスへの昇格を決めている。
エリート男子(ME1)リザルト
1位 | 副島達海(大阪産業大学) | 1:00:39.980 |
2位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +00:00 |
3位 | 沢田時(宇都宮ブリッツェン) | +02:46 |
4位 | 宇賀隆貴(SHIDO-WORKS) | +03:57 |
5位 | 加藤健悟(臼杵レーシング) | -1LAP |
エリート女子(WE1)リザルト
1位 | 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 48:35.270 |
2位 | 石田唯(TRKWorks) | +02:09 |
3位 | 竹村舞葉(SHIDO-WORKS) | +04:15 |
4位 | 林口ゆきえ(gufo cycleworks ) | -1LAP |
5位 | 小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・NASK) | -2LAP |
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