2024/09/22(日) - 16:51
本日9月22日(日)、スイス・チューリッヒでロード世界選手権の男女エリート個人タイムトライアルが行われる。栄光のアルカンシエルを争うのは連覇を狙うエヴェネプールやガンナ、女子ではパリ五輪との二冠を目指すブラウンなど、有力選手やコース詳細をプレビューする。
ロードやトラック、MTBなど各カテゴリーの世界選手権が集ったUCI自転車世界選手権大会から1年。2024年は通常モードに戻ったロード世界選手権が、本日9月22日(月)から29日(日)にかけて行われる(パラサイクリングは21日から開催中だ)。
舞台となるのはスイス最大の都市チューリッヒで、スイスでは2020年に開催される予定があったものの、新型コロナウイルスの蔓延により急遽イタリアのイモラに変更。そして4年の時を経て、ようやくスイスの地でアルカンシエルを賭けた戦いが行われる。
大会初日に行われるのは、男子と女子エリートの個人タイムトライアル。男子エリートからコース詳細と注目選手を紹介しよう。
真ん中の丘が勝負を分かつTTスペシャリスト向きコース
チューリッヒのエルリコン・ヴェロドロームを出発した選手たちは、グライフェン湖畔の横を通過しながら南東へ進む。西に進路を変えた直後に距離2.4km/平均勾配4.9%の丘(最大勾配8.5%)を越え、その後はチューリッヒ湖を沿いながら北上。フィニッシュまでは緩いコーナーしかない直線路だ。
完全なフラットコースではないものの、高出力で踏み続けられるTTスペシャリストが活躍するであろうレイアウト。そのため優勝候補にはパワー自慢の選手たちが挙げられる。
エヴェネプールの連覇を阻むのは誰だ
優勝候補筆頭は直近のパリ2024オリンピックで個人TTとロードの2冠を達成したレムコ・エヴェネプール(ベルギー)。大会後は「母国ベルギーでのパーティーやセレモニーで(居を構える)スペインに戻って来ることができなかった」というものの、その後ツアー・オブ・ブリテンとトレーニングでコンディションは万全。アルカンシエルを守ると共にロードレースとのダブル2冠(五輪と世界選手権)を目指す。
対抗はパリ五輪でエヴェネプールに14秒差で敗れたフィリッポ・ガンナ(イタリア)。一時は「このまま今シーズンを終えることも考えた」と語るガンナだったが、「コンディションは良く気持ちも前向きだ」とモチベーションを取り戻した。ただ今回のコースについては「下りが少し危険で、なぜコースに組み込まれたのか理解に苦しむ」とコメントしている。
その他にはブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾り、東京五輪TTの金メダリストであるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が出場。また2週間前のヨーロッパ選手権を制したエドアルド・アッフィニ(イタリア)や、母国開催に燃えるシュテファン・キュング(スイス)、パリ五輪ではメカトラに見舞われながらも4位に入ったジョシュア・ターリング(イギリス)に注目だ。
ロードやトラック、MTBなど各カテゴリーの世界選手権が集ったUCI自転車世界選手権大会から1年。2024年は通常モードに戻ったロード世界選手権が、本日9月22日(月)から29日(日)にかけて行われる(パラサイクリングは21日から開催中だ)。
舞台となるのはスイス最大の都市チューリッヒで、スイスでは2020年に開催される予定があったものの、新型コロナウイルスの蔓延により急遽イタリアのイモラに変更。そして4年の時を経て、ようやくスイスの地でアルカンシエルを賭けた戦いが行われる。
大会初日に行われるのは、男子と女子エリートの個人タイムトライアル。男子エリートからコース詳細と注目選手を紹介しよう。
真ん中の丘が勝負を分かつTTスペシャリスト向きコース
チューリッヒのエルリコン・ヴェロドロームを出発した選手たちは、グライフェン湖畔の横を通過しながら南東へ進む。西に進路を変えた直後に距離2.4km/平均勾配4.9%の丘(最大勾配8.5%)を越え、その後はチューリッヒ湖を沿いながら北上。フィニッシュまでは緩いコーナーしかない直線路だ。
完全なフラットコースではないものの、高出力で踏み続けられるTTスペシャリストが活躍するであろうレイアウト。そのため優勝候補にはパワー自慢の選手たちが挙げられる。
エヴェネプールの連覇を阻むのは誰だ
優勝候補筆頭は直近のパリ2024オリンピックで個人TTとロードの2冠を達成したレムコ・エヴェネプール(ベルギー)。大会後は「母国ベルギーでのパーティーやセレモニーで(居を構える)スペインに戻って来ることができなかった」というものの、その後ツアー・オブ・ブリテンとトレーニングでコンディションは万全。アルカンシエルを守ると共にロードレースとのダブル2冠(五輪と世界選手権)を目指す。
対抗はパリ五輪でエヴェネプールに14秒差で敗れたフィリッポ・ガンナ(イタリア)。一時は「このまま今シーズンを終えることも考えた」と語るガンナだったが、「コンディションは良く気持ちも前向きだ」とモチベーションを取り戻した。ただ今回のコースについては「下りが少し危険で、なぜコースに組み込まれたのか理解に苦しむ」とコメントしている。
その他にはブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾り、東京五輪TTの金メダリストであるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が出場。また2週間前のヨーロッパ選手権を制したエドアルド・アッフィニ(イタリア)や、母国開催に燃えるシュテファン・キュング(スイス)、パリ五輪ではメカトラに見舞われながらも4位に入ったジョシュア・ターリング(イギリス)に注目だ。
ロード世界選手権男子エリートタイムトライアル歴代優勝者
2023年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
2022年 | トビアス・フォス(ノルウェー) |
2021年 | フィリッポ・ガンナ(イタリア) |
2020年 | フィリッポ・ガンナ(イタリア) |
2019年 | ローハン・デニス(オーストラリア) |
ブラウンが五輪との2冠で有終の美を狙う
女子エリートはゴッサウから男子と同じ丘を越え、チューリッヒ湖沿いを北上する29.9km。男子よりも距離が短いためフラットコースとは言えないものの、テクニカルと言うほどの難易度ではない。
そのため優勝候補の筆頭に挙がるのはグレース・ブラウン(オーストラリア)だ。パリ五輪では2位に1分31秒と大差をつけ金メダルを獲得したブラウンは、今年限りで現役を退く。そのため金メダルとアルカンシエルを手に、有終の美を飾るべくモチベーションは高い。
対するのはパリ五輪2位のアンナ・ヘンダーソン(イギリス)や昨年の優勝者であるクロエ・ダイガート(アメリカ)。また女子の自転車大国であるオランダは2021年、22年と連覇したエレン・ファンダイクに加えロードとの2冠を狙うデミ・フォレリングが出場。またロッテ・コペッキー(ベルギー)やカトリン・シュヴァインバーガー(オーストリア)などの走りも見逃せない。
そして日本からは、EF・オートリー・キャノンデールに加入した19歳の垣田真穂が女子エリートに出場。男子U23には鎌田晃輝(JCLチーム右京)、男子ジュニアには岩村元嗣(初芝立命館高等学校)と望月蓮(山梨県立吉田高等学校)が上位を目指す。
ロード世界選手権女子エリートタイムトライアル歴代優勝者
2023年 | クロエ・ダイガート(アメリカ) |
2022年 | エレン・ファンダイク(オランダ) |
2021年 | エレン・ファンダイク(オランダ) |
2020年 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ) |
2019年 | クロエ・ダイガート(アメリカ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp