オルベアがXCレースバイクのOIZの2025モデルを発表。新型の一体型バーステムとドロッパーとロックアウトコントロールを一箇所に集約したSquidlockレバーを搭載し、更に戦闘力を高めた。



オルベア OIZ (c)オルベアジャパン

スペイン・バスク地方に拠点を構えるオルベア。ロット・デスティニーをサポートし、最高峰のロードレースシーンで活躍するオルベアだが、MTBの世界においてもその情熱は変わらない。

オルベアファクトリーチームとしてクロスカントリーワールドカップに参戦し、こちらもトップレベルのレースにおいてその実力を磨き続けてきた。年々過激さを増すXCレースの第一線で活躍するのがフルサスXCバイクであるOIZであり、登りと下りどちらのシーンでもライダーの助けとなる高性能を発揮する一台だ。

登りにおいて大きなアドバンテージをもたらす軽量性とペダリング効率を誇る (c)オルベアジャパン

登りにおいては、僅か1,740gという軽量性が大きなアドバンテージを生み出す。OIZはXCバイクとしては大きめの120mmストロークを持つバイクだが、完成車重量で9.98kgを実現。この数値はペダルやコンピューターマウント、ボトルケージとウォーターボトルまで含めた、実際のレーススペックでの重量というのだから驚きだ。

この重量を実現したのは、オルベアの誇るOMXカーボンレイアップや、UFOピボットレストライアングル、軽量なカーボンリンケージといった、数々の独自技術。XCレースの勝負所となる登りセクションにおいて、ライバル達からアドバンテージを奪う一台としてOIZは設計されている。

オルベア OIZ (c)オルベアジャパン

軽量でありながら、OIZは剛性にも優れている。クランクからホイールへ至るペダリングパワー伝達をより効率化するため、オルベアのエンジニアは「パワースパイン」と名付けたフレーム下部を高剛性化した。

更に、シートステーの表面積を増やしたり、リンク部のベアリングを大径化することで、フレーム全体の剛性を向上。前作に対して12%も高い剛性を生み出すことに成功している。

軽量かつ高い横剛性を持つファイバーリンケージ (c)オルベアジャパン

登りが勝者を決めるとすれば、下りは敗者を生み出す。登りで稼いだタイム差も、下りのワンミスで失い、大きなクラッシュを起こしてしまえばそのままリタイアすることになる。つまり、XCレースバイクは登りだけでなく下りにおいてもライダーの助けとなることが求められている。

OIZはプロライダーからのフィードバックを元に開発されたジオメトリーが与えられている。67°のヘッドアングルや120mmトラベルのフロントサスペンション前提の設計が過激なダウンヒルセクションやテクニカルセクションでもアグレッシブに攻められるコントロール性を実現。

下りでもライダーを力強くサポートする新型OIZ (c)オルベアジャパン

一方でペダリング効率も重視しているのがOIZの特徴だ。ハイピヴォットによる高いアンチスクワット、そしてストローク初期は硬く、サスが沈み込むにつれてしなやかになっていくリグレッシブなスプリングカーブを組み合わせることで、ペダリング程度では動じない一方で、激しい下り区間においてはしっかりと路面に追従する。

現代のXCレースに完璧にフィットしたフレームのポテンシャルを更に引き出すのが、新たに開発されたパーツ群だ。中でも独創的なのがSquidlockと名付けられたコントロールレバーだろう。

新たな武器となるSquidlockレバー (c)オルベアジャパン

Squidlockは2本のレバーを備えており、親指一本でドロッパーポストとサスペンションのロックアウトへとアクセス可能。シマノとスラムのブレーキクランプにマウントでき、多くのリモートロックアウトサスと互換性がある。登りと下りが目まぐるしく繰り返されるXCレースを走る上で、このSquidlockレバーは大きな味方となるはずだ。

オルベアは、新たなステム一体型ハンドルとドロッパーポスト、そしてカーボンホイールセットもOIZのために開発した。新型ハンドルはSICケーブルシステムを通してヘッドチューブから内装出来るI-LINEテクノロジーを採用。

新型のOCステム一体型ハンドル (c)オルベアジャパン

最もロスの少ないケーブルルーティングによって実現できる短いケーブル長は、摩擦やガタつきを抑え、クリーンな外観を実現。もちろん、軽量化にも貢献するはずだ。一方で、作業性にも優れており、トラディショナルなコックピットと同じレベルでメンテナンスを実施できるよう工夫されているという。

また、クラッシュ時にフレームへハンドルや各種レバーがヒットすることが無いよう「スピン・ブロック・テクノロジー」と呼ばれるステアリングリミッターも搭載した。

新開発のMP10ドロッパーポストは、100mmのトラベル量と419gという重量を実現。無段階調整が可能で、コースの状況に合わせて最適なシート長を実現できる。

登りも下りも最高の走りを実現する (c)オルベアジャパン

一部モデルに搭載されるMP30 LTDホイールは1,350gという軽さを誇るカーボンホイール。新たに採用されたOQUOハブは、スポークヘッドを回転軸に近づけることでパワー伝達効率を向上させた。ホイール自体にもクラッシュリプレイスメントプログラムと保証が付帯しており、過酷なレースユースでも安心して使える一本とされている。

様々な新要素によりその魅力を増したOIZは、もちろんオルベアのパーソナライズプログラムであるMyOによるカスタマイズも可能。様々なアップグレードやカラーに加え、OQUOホイールをカスタムすることも。

オルベア OIZ M-LTD(Diamond carbon view (matt) - Cherryred (gloss) (c)オルベアジャパン

オルベア OIZ M-TEAM FACTORY(Oft forest green - green mint (gloss) (c)オルベアジャパン
オルベア OIZ M-TEAM AXS(Cobalt blue (Gloss) - Carbon Raw(matt) (c)オルベアジャパン



OIZのMyOプログラムでは、ファイバーリンク・リンケージもカスタム可能となっており、自転車のカラーを選択するとリンケージもペイントされる芸の細かさが光る。

新型OIZはOMXモデルがオルベアファクトリーチームレプリカ(フォレストグリーン/ミントグリーン)、コバルトブルー/マットカーボンロウ、マットダイアンモンドカーボンビュー/バーニングレッドの3色、OMRモデルがマットダイアモンドカーボンビュー/グロスダイアモンドカーボンビュー、シーウィードカーボンビュー/マットスペースシップグリーン、アイボリーホワイト/マットバンブルビーイエロ―の3色が用意される。

オルベア OIZ M10 AXS(Ivory white (gloss) - bumblebeeyellow (matt) (c)オルベアジャパン

オルベア OIZ M21(Seaweed eaweed carbon view(gloss) - spaceship green (matt) (c)オルベアジャパン
オルベア OIZ M10(Diamond carbon view (matt-gloss) (c)オルベアジャパン





オルベア OIZ M-LTD
価格:1,661,000円(税込)

オルベア OIZ M-TEAM FACTORY
価格:1,312,300円(税込)

オルベア OIZ M-TEAM AXS
価格:1,155,000円(税込)

オルベア OIZ M-PRO
価格:996,600円(税込)

オルベア OIZ M10
価格:902,000円(税込)

オルベア OIZ M21
価格:727,100円(税込)
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