「チームメイトが牽引したので勝ちにいった」とプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は勝利を振り返る。13日間着用したマイヨロホを手放したオコーナーなど、ブエルタ19日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝&マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

ログリッチのため高速牽引で後続との差を拡げるアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)) photo:CorVos

ステージ優勝を狙ってはいなかった。名前は明かさないが、チームメイトに「君の意見は無視しても僕たちは牽引をする」と言われたんだ。「僕らは他にやることもないのだから」とね。だから僕は了承し、心を一つにしないといけないと思い攻めたんだ。

―総合優勝の最有力として出場し、1分54秒差で首位に立った。もう勝負はついたと思っているか?

そうは思わない。僕らは「明日こそがクイーンステージ(最難関ステージ)だ」と毎日のように言い続けており、実際明日にも難易度の高いステージが待っている。厳しい戦いになるだろうし、最終日のマドリードもパレードランではなく個人タイムトライアルだ。だから決着がつくのはこれからだ。

区間3勝目を手に入れたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

―タイム差には驚いたか?

もちろんだ。5分遅れよりも遥かに良い結果だ(笑)。結果はもちろん、身体の機能やチームの走りに満足している。

ステージ2位&総合6位&マイヨブランコ マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)

46秒遅れでフィニッシュしたダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)とマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

本格的にグランツールで総合順位を争うのは初めてのこと。僕だけじゃなく皆疲れが見え始めている。プリモシュ(ログリッチ)は違うかもしれないけどね。全てのステージで限界を超えないようマネジメントし、その中で最大限の走りをするよう心がけている。

―最終日の個人TTを得意としているが、総合トップ5を目指しているか?

分からない。結果は自分の力を発揮した先についてくるもの。もし明日2分失おうが、個人TTで2分得ようが重要ではない。大事なのは同じ調子で走り続けること。明日の結果は運命次第だ。

ステージ4位&総合3位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)

追走集団を飛び出し、単独でログリッチを追うエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

最後は空っぽでスプリントすることができなかった。プリモシュ(ログリッチ)が勝ち、総合タイムも稼いだ。彼には祝福の言葉しかない。今日プリモシュが動いてくることは分かっていた。なぜなら彼は登りが一つしかないステージが好きだからね。

彼のスピードにはヨナス(ヴィンゲゴー)かタデイ(ポガチャル)ぐらいしか対応できないだろう。そのレベルではない僕たちは自分たちの力をマネジメントするしかない。一時は18〜20秒差まで迫ったのだが、最終的に2人の選手に抜かれてしまった。

ステージ8位 セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)

大会前半よりも調子が上がっている。その事実が精神的に良い影響を及ぼしている。いまの僕には失うものはない。この良い感覚のまま明日のステージも走りたい。明日、何か素晴らしい結果を残すために全力を尽くすよ。ブエルタのクイーンステージは何か特別なことをするのには完璧なタイミングだからね。

マイヨロホを失った総合2位のベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

マイヨロホを失ったベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

レースの後半までの調子は良かった。(レッドブル3名によるアタックに)驚きはなかったが、予想していたよりも脚が動かなかった。残念だがこれが現実だ。

―13日間に渡りマイヨロホを着用したが、いま何を思う?

月曜日にテラスに座ってビールを飲みたい。それだけだ。

―明日も難関ステージが待っている。総合2位を守りに行くつもりか?

そうだね。今日も総合順位を守るべくベストを尽くしたのだが、結果がついてこなかった。明日はもちろん、日曜日も勝負所となるだろう。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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