トラック競技の全日本選手権が、伊豆ベロドロームで開幕した。初日はチームパーシュートとチームスプリント、エリミネイションが行われ、パリ五輪女子代表を3名揃えたチーム楽天Kドリームスが女子チームパーシュートの大会新記録を樹立した。



2024年全日本選手権の会場は伊豆ベロドロームの250m板張りバンク photo:Satoru Kato

9月6日から9日の4日間にわたり伊豆ベロドロームで開催されるトラック競技の全日本選手権。パリ五輪が終わってから約半月というタイミングにも関わらず、エントリーリストには五輪代表選手の名前がずらりと並んだ。

エキシビジョンで走ったパリ五輪チームスプリントメンバー photo:Satoru Kato
チームジュニアナショナルにタイムを知らせるのは世界選銀メダリストの上野みなみさん photo:Satoru Kato


初日は主に団体種目が行われ、チームスプリントでは記録挑戦のエキシビジョンとして同種目でパリ五輪に出場した長迫、太田、小原が組むナショナルチームAとJPCAチームが走った。ナショナルチームAはパリ五輪で記録した日本記録まで約0.8秒まで迫る42秒855をマークした。また、チームパーシュートではジュニアのナショナルチームが出走し、4分12秒368を記録した。



チームパーシュート

男子チームパーシュート優勝 チームブリヂストンサイクリング(橋本、松田、河野、岡本) photo:Satoru Kato

男子チームパーシュート2位 Radical Aero Club from CycloDynamics Lab(伊澤、原田、佐藤、古谷田) photo:Satoru Kato

男子チームパーシュート決勝 ブリヂストンが追い抜き勝ちを決めた photo:Satoru Kato

男子は4チームが出場。予選を勝ち上がったチームブリヂストンサイクリングとRadical Aero Club from CycloDynamics Labが決勝で対戦。予選タイムで14秒上回るチームブリヂストンサイクリングが決勝でも速さを見せ、距離半ばにして追い抜き勝ちを決めた。

男子チームパーシュート表彰式 photo:Satoru Kato

女子チームパーシュート 大会新記録を樹立したチーム楽天Kドリームス(内野、垣田、池田、水谷)4分24秒189 photo:Satoru Kato

女子チームパーシュート 表彰式 photo:Satoru Kato

女子はチーム楽天Kドリームス1チームのみの出走。同種目のパリ五輪代表である内野艶和、池田瑞紀、垣田真穂に水谷彩奈を加えた4名で走り、大会新記録となる4分24秒189をマークした。



チームスプリント(250m×3)

男子チームスプリント優勝 Capricornis cramerpro(村田、吉川、志田) photo:Satoru Kato

男子チームスプリント2位 日本大学(高佐、村上、松岡) photo:Satoru Kato

男子の決勝はCapricornis cramerproと、日本大学との対戦。予選で唯一46秒台をマークしていたCapricornis cramerproはさらにタイムを縮めて45秒台をマーク。日本大学も1秒近くタイムを縮めたものの届かず、2位となった。3位決定戦は日本体育大学と鹿屋体育大学の対戦となり、約0.3秒の僅差で日本体育大学が競り勝った。

男子チームスプリント 表彰式 photo:Satoru Kato

女子チームスプリント優勝 鹿屋体育大学(年見、岩元、加藤) photo:Satoru Kato

女子チームスプリント2位 鳥取県選抜(相見、濱口、北中) photo:Satoru Kato

女子の決勝は鹿屋体育大学と鳥取県選抜が対戦。2周目は鳥取県選抜が僅かに先行していたものの、最終周回で鹿屋体育大学が僅かに逆転して優勝した。3位決定戦は順天堂大学がBicicletta di Maruを下した。

女子チームスプリント 表彰式 photo:Satoru Kato



エリミネイション

男子エリミネイション スタート photo:Satoru Kato

男子エリミネイション 粘った矢萩悠也(京都産業大学)が除外されてチームブリヂストンサイクリング3名の勝負へ photo:Satoru Kato

この日唯一の個人種目となったエリミネイション。14名が出走した男子は、矢萩悠也(京都産業大学)が残り4名まで粘るも脱落。最後はパリ五輪代表の橋本英也と今村駿介の勝負となり、橋本が制して同種目3連覇を達成した。

男子エリミネイション優勝を決めた橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

男子エリミネイション 表彰式 photo:Satoru Kato
橋本英也コメント
「チームパーシュートとあわせ2種目で勝てて嬉しい。東京五輪の後、メダルを獲りたいという想いでパリを目指して、でもフタを開けたら挑戦出来なくて虚しい結末になってしまった。でもそれを受け入れて前に進まなければいけない、走りを止めてはいけないと思った。パリ五輪を終えてこの大会にフォーカスしていたワケではなく、調子は良くなかったけれど優勝という結果が出せて良かったと思う。この大会はシンプルにレースを走れるありがたさを感じているし、まだまだ僕は走れるところを見せられたと思う」

7名が出走した女子エリミネイション photo:Satoru Kato

女子エリミネイション 梶原悠未(TEAM Yumi)と佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)の最後の勝負 photo:Satoru Kato

7名が出走した女子には、短距離選手の佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が参戦。内野や垣田らが脱落する中、佐藤は最後まで残って梶原悠未(TEAM Yumi)との一騎打ちに。惜しくも敗れたものの、新たな可能性を見せた。

女子エリミネイション 表彰式 photo:Satoru Kato
梶原悠未コメント
「全日本優勝32度目でもレース前はすごく緊張するので、気持ちを作るために全力で集中してきた。五輪を終えてからは人に会うことも出来ないくらい悔しかったけれど、次の目標を徐々に固めて新しい気持ちで臨んだ。最後は佐藤水菜選手と一騎打ちになり、スプリント勝負になったらちょっと自信は無かったけれど、この種目でアジアチャンピオンを獲っているので全日本も獲りたいという気持ちで全力で踏み切った。他に3種目出るので、そこでも勝ちたい」
チームパーシュート 結果
男子
1位 チームブリヂストンサイクリング(橋本、松田、河野、岡本) 4分0秒960(予選時)
2位 Radical Aero Club from CycloDynamics Lab(伊澤、原田、佐藤、古谷田) 4分14秒799(予選時)
3位 朝日大学(森本、加藤、齋藤、渡邉) 4分28秒799(予選時)
DNF 群馬グリフィンレーシングチーム(金子、伊藤、三宅、宇田川)
女子
1位 チーム楽天Kドリームス(内野、垣田、池田、水谷) 4分24秒189(大会新)
エキシビジョン
チームジュニアナショナル(金井、木綿、畑、三浦) 4分12秒368
チームスプリント(250m×3)結果
男子
1位 Capricornis cramerpro(村田、吉川、志田) 45秒941
2位 日本大学(高佐、村上、松岡) 46秒898
3位 日本体育大学(小嶋、清水、片野) 47秒557
4位 鹿屋体育大学(勝村、谷口、。岩谷) 47秒833
女子
1位 鹿屋体育大学(年見、岩元、加藤) 52秒886
2位 鳥取県選抜(相見、濱口、北中) 53秒132
3位 順天堂大学(沢登、田中、新沼) 54秒369
4位 Bicicletta di Maru(鈴木、清水、五味田) 54秒922
エキシビジョン
ナショナルチームA(長迫、太田、小原) 42秒855
JPCA(深谷、渡邉、簗田) 46秒794
エリミネイション 結果
男子 女子
1位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) 梶原悠未(TEAM Yumi)
2位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
3位 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) 垣田真穂(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)
4位 矢萩悠也(京都産業大学) 内野艶和(チーム楽天Kドリームス)
5位 伊澤将也(シエルブルー鹿屋) 水谷彩奈(チーム楽天Kドリームス/日本体育大学)
6位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) 池田瑞紀(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)
7位 廣田汰也(鹿屋体育大学) 岩元美佳(鹿屋体育大学)

text&photo:Satoru Kato

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