ツール・ド・フランスのステージ35勝を叶えたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)がWRC(FIA世界ラリー選手権)を訪問。トップドライバーたちとギリシャの田園地帯をロードバイクで駆け抜け、ラリーカーのナビシートでシェイクダウンを共にした。



WRCトップドライバーたちと並ぶマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:WRC - FIA World Rally Championship

9月5日から8日までギリシャで開催中のFIA世界ラリー選手権(WRC)アクロポリスラリーを表敬訪問したのはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)。開幕前日の9月4日、カヴェンディッシュは合計8回の世界チャンピオンに輝いたトヨタのセバスチャン・オジェ(フランス)やヒョンデのダニ・ソルド(スペイン)たちと共にサイクリングを楽しんだあと、オジェがドライブするトヨタのGR YARIS Rally1 HYBRIDに乗り込んでシェイクダウン走行を共にした。


「今までで最高の経験の一つになったよ」と、満面の笑顔を浮かべてカヴェンディッシュは言う。「世界最高のレーシングドライバーが全力で走る横に同乗できたのは最高だったよ。自転車に乗る人は自分がツール・ド・フランスを走れるかもと思うし、車を運転する人はラリーカーを運転できるかもしれないと思うだろう?そんな部分はラリーと自転車競技の共通点だと思うけれど、実際に体感すると全く異なるものだと分かるよ。それに、どちらも沿道のファンに支えられている競技だ。彼らはステージの一部で、極限までレースに近づくことができる。それは特別で、謙虚でいる必要もあるし、スポーツにおけるリアルなものなんだ」と加えている。

カヴェンディッシュを同乗させたオジェも「とても楽しい体験だったよ。他競技のスポーツ選手と経験をシェアするのが大好きなんだ。特に今回はロードレースのレジェンド選手だったし、彼が打ち立てた記録は信じられないものだ。今日(一緒に走った翌日)は僕の脚がちょっと痛いけど、マークはまだ胸の辺りがドキドキしてるんじゃないかな」と話している。

ティエリー・ヌービルとカヴ photo:WRC - FIA World Rally Championship

WRCドライバーたちとギリシャの田舎道を走るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:WRC - FIA World Rally Championship

疲れたドライバーたちと疲れていないマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:WRC - FIA World Rally Championship
セバスチャン・オジェ(フランス)と走るカヴェンディッシュ photo:WRC - FIA World Rally Championship



なおアクロポリスラリーは先ほど開幕を迎え、年間総合ランキングで2位につけるオジェはSS1でトップタイムをマークしている。

また、ツール・ド・フランスを終えてからのカヴェンディッシュはレースに参加しておらず、今後もスケジュールは未定。ツール・ド・フランスのシンガポールクリテリウムとさいたまクリテリウムを走って長い現役生活に幕を閉じる予定だ。

text:So Isobe