「素晴らしいリードアウトから良いスプリントができた」とカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)は喜び、ファンアールトは「最後で脚が攣ってしまった」と敗因を語った。ブエルタ14日目を選手たちの言葉で振り返ります。



ステージ優勝 カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

ほぼ同時にスプリントを開始したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)とカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

レース後インタビュー

最高の気分だよ。今日は集団スプリントになると思っていなかったが、ユンボ(ヴィスマ・リースアバイク)が(そうなるよう)レースをコントロールした。一騎打ちでワウト(ファンアールト)を下す最高の戦いだった。登りでアタックが起きれば(集団に残るのは)厳しいと思っていた。だがユンボによるハイペース牽引がそれを防いでくれた。またチームメイトも側でサポートしてくれ、スプリントまで僕を導いてくれた。

エドワルト(プランカールト)は(第5ステージの)セビリアで見せたような素晴らしいリードアウトをしてくれた。今日は躊躇せず踏み込み、良いスプリントができた。まるでドラッグレース(停止状態から直線コースで競うモータースポーツ)のような戦いで、彼に勝つことができた。

―これでブエルタ通算6勝目だ。

スペインでのレースは好きだ。3度目のブエルタで区間6勝目は、変わらぬ相性の良さを表している。

スプリントを制し、頭を抱えたカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

表彰式後インタビュー

今日は逃げ切りで決着すると思っていた。だがユンボがワウトのためにコントロールし、僕は集団に食らいつくことができた。またチームとしても強さを見せた。昨日、逃げで脚を使っていたので調子はイマイチだったんだ。だけど登りでは風に当たらない位置を取り、チームメイトが僕を囲んでくれた。モチベーションの高いチームメイトのおかげだ。

―フィニッシュ直後に頭を抱えのは勝ったことが分からなかったからか?

いや、すぐに自分が勝ったことが分かった。ワウトの前輪の位置は見えていたからね。

ステージ2位&マイヨプントス&マイヨモンターニャ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

敗れながらもマイヨプントスを守ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Unipublic

今日はカーデンの方が僕より少しだけ強かった。スプリントでは何のミスも犯していないと思うし、登りスプリントなので早く踏み込み過ぎないよう気をつけていた。適切なタイミングで飛び出せたと思うし、彼の前に出た瞬間もあった。だがフィニッシュ手前数mで脚が攣ってしまったんだ。だからカーデンに抜かれてしまった。

―もっと登りで厳しいペースに持ち込み、人数を減らすべきだったと思うか?

あれ以上のペースだった僕もやられてしまっただろう(笑)。今日、チームメイトが見せた走りを誇りに思う。特に序盤は多くの選手が逃げに乗ろうと試みるなか、それを制御するチームが僕らしかいなかった。登りでも彼らがアタックを防いでくれた。その走りを勝利で報いることができず残念だ。

ステージ3位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)

3位に入ったコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

休息日からの数日間、軽い体調不良に見舞われていた。だからこそ今日、脚が戻ったことを確認できた。ジョージ・ベネットが良いアシストをしてくれたのだが、最終コーナーの手前で位置を下げてしまった。だから7番手辺りでスプリントを開始するしかなかった。3位という結果には満足しているが、ファンアールトとグローブスの背後からスプリントできれば勝てるチャンスがあったかもしれない。今後は終盤での位置取りを改善して臨みたい。

登りまでは苦しんでおり、「今日はだめだ」とチームメイトに伝えていた。だが意外にも登りで調子が上がり、集団についていくことができた。

マイヨロホ ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

前日勝者マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)と4賞ジャージが集団先頭に並ぶ photo:CorVos

集団スプリントに持ち込まれたことには驚いている。だけどカーデンが登れることは知っている。明日のステージに対して恐怖心などはなく、長い登りの方が得意というマインドで臨むつもりだ。そしてこのジャージを守りたい。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic