MTB世界選手権のXCO男子ジュニアレースで、昨年のロード&MTBジュニア世界王者でリドル・トレック入りを決めているアルベルト・フィリプセン(デンマーク)が圧勝。野嵜然新(桐光学園高等学校/RACING TORQUE)は59位、成田光志(学校法人石川高等学校/OLIVE)は64位で共に完走に手が届かなかった。



後続を突き放して独走するアルベルト・フィリプセン(デンマーク) photo:UCI

8月30日(金)に、アンドラ公国の山岳リゾート地パル・アリンサルで開催されたMTB世界選手権の男女ジュニアクロスカントリーレースには32ヶ国82名がエントリー。1周4kmコースを5周回、合計20kmを走るレースに野嵜然新(桐光学園高等学校/RACING TORQUE)と成田光志(学校法人石川高等学校/OLIVE)が参戦した。

もうもうと土煙が上がるドライコンディションのレースを序盤から引っ張り、突き放し、そして独走体制に持ち込んだのはデンマークのアルベルト・フィリプセン。昨年のスーパー世界選手権でジュニアのMTBクロスカントリーとロードの2冠を達成した17歳のスター選手がケタ違いの力を披露した。

ケタ違いの強さで圧勝したアルベルト・フィリプセン(デンマーク) photo:UCI

MTB世界選手権2024 ジュニア男子XCO:1位フィリプセン、2位フランコ、3位フッグス photo:UCI

2位以下を2分近くも引き離す圧勝。2025年から2028年までのリドル・トレック加入を決めているフィリプセンがMTB世界選手権2連覇を達成した。2025年からはロードを主軸にしつつ、MTB、そしてシクロクロスも含めたマルチジャンルでの活躍を目指すタレント選手が保有アルカンシエルをまた一枚追加することになった。

5周回中の3周回でファステストタイムという、フィリプセンの圧倒的ペースに苦しめられたのが日本勢2人だった。野崎は僅かにフルラップ叶わず周回遅れの選手の中で最上位となる59位。成田は65位でそれぞれレースを終えることとなった。

「これが自分の今の力。言いたい事も沢山あるけど今はまだ大き過ぎる理想と現実とのギャップに言葉が出て来ないです」と初の世界選手権でトップ選手たちとの差を痛感した野崎は言う。「それでもマウンテンバイクやってて本当に良かったと思えた昨日のレース。ずっと分からなくなってた自分が本当に目指す終着点はどこにあるのか、ようやくそれが分かった気がします。下を向いてる時間はないと思います。また前向いて走り出します」とリベンジを誓っている。

現地10時にジュニア女子レースがスタート photo:UCI

35秒リードで独走するヴィクトリア・クラドノヴァ(スロバキア) photo:UCI

MTB世界選手権2024 ジュニア男子XCO:1位クラドノヴァ、2位キャリア、3位シェルケツィ photo:UCI

ジュニア女子を制したのはヴィクトリア・クラドノヴァ(スロバキア)。アメリカのチームリレー優勝に貢献したロマン・ロペス(アメリカ)を振り切って先頭に立ち、2周目に得た35秒リードをフィニッシュまで維持しきった。
MTB世界選手権2024 ジュニア男子クロスカントリー結果
1位 アルベルト・フィリプセン(デンマーク) 1:01:59
2位 ユーゴ・フランコ(スペイン) +1:55
3位 ニコライ・フッグス(デンマーク) +1:56
4位 ニコラス・コネクニー(アメリカ) +1:59
5位 アントン・ウンガー(スウェーデン) +2:07
59位 野嵜然新(桐光学園高等学校/RACING TORQUE) LAP
64位 成田光志(学校法人石川高等学校/OLIVE) LAP
MTB世界選手権2024 ジュニア女子クロスカントリー結果
1位 ヴィクトリア・クラドノヴァ(スロバキア) 1:01:24
2位 ラファエレ・キャリア(カナダ) +0:36
3位 マルシャ・シェルケツィ(スロベニア) +1:31
4位 ロマン・ロペス(アメリカ) +2:05
5位 カミラ・アアセボ(ノルウェー) +2:21
text:So.Isobe
photo:UCI