2024/08/27(火) - 18:59
2024年ツール・ド・フランスに出場した22チームのバイクを3チームごとに連載形式で紹介していくシリーズ第7弾。ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)のフロントシングルバイクや、トタルのオールロード、そしてUno-Xが投入した超エアロセッティングのバイクを取り上げます。
ヴィスマ・リースアバイク|サーヴェロ S5、R5
3年連続のマイヨジョーヌ獲得こそ叶わなかったものの、それでもヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)による激しい総合バトルやステージ優勝で話題を呼んだヴィスマ・リースアバイク。今年もサーヴェロにスラムのコンポーネント、そしてリザーブのホイールというバイクの基本構成は変わらずシーズン最大のレースへと挑んだ。
チームはエアロモデルのS5と山岳軽量モデルのR5を使い分けるが、今年も圧倒的にS5の使用率が高かった。ヴィンゲゴーは前半の山岳ステージこそR5に乗っていたが、後半はS5をセレクト。しかもヴィンゲゴーのS5はスラムREDのフロントシングル50Tにリア10-36Tというセッティングであり、山岳ステージであっても平坦路や下りのスピードを優先していることが分かる。
ツールでのチームキット変更に伴い装いを新たにしたバイクを使用したが、ヨーロッパチャンピオンであるクリストフ・ラポルト(フランス)は普段通りの特別ペイントS5を使用。黒に黄色の通常バイクはスペアとしてチームカーの上に積まれていた。
リザーブの新型ホイールには履かせるタイヤは他の多くのチームと同様にヴィットリアのCORSA PROだが、29Cという見慣れないタイヤ幅を使用していた。チームは昨年大会でもヴィットリアの未発表タイヤをレース投入するなど、他チームに比べてもタイヤメーカーとの繋がりがより密接であることが分かる。
トタル・エネルジー|エンヴィ MELEE
バイク盗難で話題となったトタルエネルジーのバイクは2024年、そして2025年の2年間パートナーシップを締結したエンヴィのMELEE(メレ)。35mmのタイヤクリアランスを誇る「レーシングエアロオールロード」であり、UCIワールドチーム史上初めてグラベルユースも視野に入れたオールロードを使うということで話題を振りまいた。フレームカラーはトタルのコーポレートカラーに合わせて複数種類が用意されていた。
ホイールやハンドルもちろんエンヴィで、SESシリーズの4.5をメインに平坦ステージではよりリムハイトの高い6.7を使用。コンポーネントはシマノDURA-ACEで、ノバロードのプーリーを何名かの選手が使用していた。
幅広リムに組み合わせるタイヤはコンチネンタルののGrand Prix 5000シリーズで、これはUAEチームエミレーツと同じ仕様。タイムトライアル用の軽量モデルであるTT TRを使用したほか、グラベル(未舗装路)ステージでは高耐久モデルのAS TRが投入されていた。32mmタイヤは全出場チームの中でも最大サイズだった。
ウノエックス・モビリティ|ディアー VA-AFO、VSRu
ウノエックス・モビリティは昨年に引き続きノルウェーのディアーに乗るが、来年以降はリドレーと長期パートナーシップを締結。ロット・ディステニーへの供給が2023年限りで終了したリドレーにとっては1年の休止期間を経てワールドツアーへの復帰を叶えることになる。
同じくディアーに乗る愛三工業レーシングは軽量モデルの「MA」を使うが、パンチャーやスプリンター中心のウノエックスが駆るのはVSRu。しかしながら、ヘッドチューブ周りのボリュームが凄まじい新モデル「VA-AFO」も投入。翼状に扁平したド迫力のステム一体型ハンドルもセットで使用され、大会序盤は売り出し中の若手選手、ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー)がマイヨアポワをキープして注目を集めていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACEだが、FSAのクランクセットやエアロチェーンリング、セラミックスピードの新型プーリーを採用するなど、チームとしてエアロを突き詰めている様子が窺える。ホイールはDTスイスで、出場チーム中唯一のシュワルベタイヤ使用チームだった。
text:So Isobe,Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji
ヴィスマ・リースアバイク|サーヴェロ S5、R5
3年連続のマイヨジョーヌ獲得こそ叶わなかったものの、それでもヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)による激しい総合バトルやステージ優勝で話題を呼んだヴィスマ・リースアバイク。今年もサーヴェロにスラムのコンポーネント、そしてリザーブのホイールというバイクの基本構成は変わらずシーズン最大のレースへと挑んだ。
チームはエアロモデルのS5と山岳軽量モデルのR5を使い分けるが、今年も圧倒的にS5の使用率が高かった。ヴィンゲゴーは前半の山岳ステージこそR5に乗っていたが、後半はS5をセレクト。しかもヴィンゲゴーのS5はスラムREDのフロントシングル50Tにリア10-36Tというセッティングであり、山岳ステージであっても平坦路や下りのスピードを優先していることが分かる。
ツールでのチームキット変更に伴い装いを新たにしたバイクを使用したが、ヨーロッパチャンピオンであるクリストフ・ラポルト(フランス)は普段通りの特別ペイントS5を使用。黒に黄色の通常バイクはスペアとしてチームカーの上に積まれていた。
リザーブの新型ホイールには履かせるタイヤは他の多くのチームと同様にヴィットリアのCORSA PROだが、29Cという見慣れないタイヤ幅を使用していた。チームは昨年大会でもヴィットリアの未発表タイヤをレース投入するなど、他チームに比べてもタイヤメーカーとの繋がりがより密接であることが分かる。
トタル・エネルジー|エンヴィ MELEE
バイク盗難で話題となったトタルエネルジーのバイクは2024年、そして2025年の2年間パートナーシップを締結したエンヴィのMELEE(メレ)。35mmのタイヤクリアランスを誇る「レーシングエアロオールロード」であり、UCIワールドチーム史上初めてグラベルユースも視野に入れたオールロードを使うということで話題を振りまいた。フレームカラーはトタルのコーポレートカラーに合わせて複数種類が用意されていた。
ホイールやハンドルもちろんエンヴィで、SESシリーズの4.5をメインに平坦ステージではよりリムハイトの高い6.7を使用。コンポーネントはシマノDURA-ACEで、ノバロードのプーリーを何名かの選手が使用していた。
幅広リムに組み合わせるタイヤはコンチネンタルののGrand Prix 5000シリーズで、これはUAEチームエミレーツと同じ仕様。タイムトライアル用の軽量モデルであるTT TRを使用したほか、グラベル(未舗装路)ステージでは高耐久モデルのAS TRが投入されていた。32mmタイヤは全出場チームの中でも最大サイズだった。
ウノエックス・モビリティ|ディアー VA-AFO、VSRu
ウノエックス・モビリティは昨年に引き続きノルウェーのディアーに乗るが、来年以降はリドレーと長期パートナーシップを締結。ロット・ディステニーへの供給が2023年限りで終了したリドレーにとっては1年の休止期間を経てワールドツアーへの復帰を叶えることになる。
同じくディアーに乗る愛三工業レーシングは軽量モデルの「MA」を使うが、パンチャーやスプリンター中心のウノエックスが駆るのはVSRu。しかしながら、ヘッドチューブ周りのボリュームが凄まじい新モデル「VA-AFO」も投入。翼状に扁平したド迫力のステム一体型ハンドルもセットで使用され、大会序盤は売り出し中の若手選手、ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー)がマイヨアポワをキープして注目を集めていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACEだが、FSAのクランクセットやエアロチェーンリング、セラミックスピードの新型プーリーを採用するなど、チームとしてエアロを突き詰めている様子が窺える。ホイールはDTスイスで、出場チーム中唯一のシュワルベタイヤ使用チームだった。
text:So Isobe,Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji
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