2024/08/20(火) - 08:13
2日連続の集団スプリントで決着したブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ。マイヨロホを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が前日勝者グローブスを退け、初出場で初勝利を手に入れた。
8月19日(月) 第3ステージ
ロウザン〜カシュテロ・ブランコ 191.2km(丘陵)
ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)3日目も、前日と同じく集団スプリントが予想された丘陵ステージ。ポルトガルのロウザンをスタートした選手たちはコース中盤に山岳地帯を訪れ、難易度の低い2級山岳と4級山岳をクリア。4級山岳の頂上からはフィニッシュまで42.6kmの下り&平坦路が続くため、スプリンターを擁するチームにとっては逃してはいけないレイアウトだ。
気温33度という大会を通して続くであろう暑さのなか、前日に落車・リタイアしたディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)を除く175名の選手たちが出発地点に並ぶ。マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着る前日勝者のカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)と、「今日は昨日と同じようなシナリオとなるだろう」と語ったマイヨロホのワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を先頭に、現地時間午後12時4分にスタートが切られた。
その直後から集団を飛び出したのは前日に逃げたイボン・ルイス(エキポ・ケルンファルマ)とルイス・マテ(エウスカルテル・エウスカディ)のスペイン人コンビ。それぞれがチームメイトを1名づつ誘い、4名の逃げ集団を形成する。遅れてメイン集団からはシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)とヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)、カスパー・アスグリーン(デンマーク、Tレックス・クイックステップ)というTTスペシャリスト3名が飛び出したものの、プロトンが必死に引き戻した。
40歳のマテが指南するスペイン勢による逃げグループに対し、プロトンはアルペシン・ドゥクーニンクとリベンジに燃えるヴィスマ・リースアバイクがコントロール。最大5分弱のリードを得た逃げでは、2級山岳の頂上をマテが先頭通過。チームメイトのシャビエル・イササ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)が2位通過したため、マテは現役最後のブエルタでマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)着用の権利を得た。
残り51.4km地点に設定された中間スプリントをイササがトップ通過した時点で、プロトンとの差は1分58秒。後続ではファンアールトがグローブスを退け、5位通過で得られる10ポイントをゲットした。
4級山岳でもマテ先頭通過して山岳ポイント(2pts)を加算。ここまで順調に距離を消化していた逃げはバラバラになり、最後まで粘ったイササも残り20kmで飲み込まれる。ひと塊になった集団は総合チームとスプリントチームが先頭に人数を集めながら、カシュテロ・ブランコの街に到着した。
それまで平均38km/hだった集団の速度は、残り15kmを過ぎると53km/hまでスピードアップ。残り10kmからはイネオス・グレナディアーズとEFエデュケーション・イージーポストが先頭で位置を取り、母国ポルトガルのロード王者であるルイ・コスタ(EFエデュケーション・イージーポスト)が牽引するシーンも。そして連続するラウンドアバウトの度に縦長になる集団から、残り2kmでヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)が飛び出した。
スプリンターのいないチームに勝利をもたらそうと懸命にもがくカンペナールツだったが、フラムルージュ(残り1km)直後に集団がキャッチ。アンテルマルシェ・ワンティを先頭に最終ストレートに突入し、前日はメカトラで役割を果たせなかったエドワルト・プランカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭でスピードを上げた。
プランカールトの背後でグローブスでスプリント開始のタイミングを伺うなか、更にその後ろについたファンアールトが先んじて腰を上げる。一拍遅れてグローブスもスプリントをスタート。しかしファンアールトの圧倒的なスピードを前にグローブスは並ぶことしかできず、ファンアールトがフィニッシュラインに飛び込んだ。
フィニッシュ直後に両手を拡げて羽ばたくポーズを見せ、個人スポンサーであるレッドブルを思わせるパフォーマンスを披露したファンアールト。「最後に勝利してから随分時間が経った。本当に気持ちがいいよ。今日の作戦は(先に仕掛けた)昨日と逆のことをすることだった。しかし今日も先に仕掛け、グローブスを驚かせることができた。最後は緩斜面だったものの、十分なスピードで完璧なスプリントができたよ」と、初出場のブエルタでマイヨロホを着て勝利したファンアールトは喜んだ。
2連勝を逃したグローブスに続き、区間3位にはベテランスプリンターであるジョン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)が入る。またスプリントで優勝候補に挙がりながらも、前日14位だったブライアン・コカール(フランス、コフィディス)は8位に順位を上げている。
総合首位はファンアールトがキープし、最終目標であるマイヨプントス(ポイント賞)でもグローブスを抜きトップに立っている。
8月19日(月) 第3ステージ
ロウザン〜カシュテロ・ブランコ 191.2km(丘陵)
ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)3日目も、前日と同じく集団スプリントが予想された丘陵ステージ。ポルトガルのロウザンをスタートした選手たちはコース中盤に山岳地帯を訪れ、難易度の低い2級山岳と4級山岳をクリア。4級山岳の頂上からはフィニッシュまで42.6kmの下り&平坦路が続くため、スプリンターを擁するチームにとっては逃してはいけないレイアウトだ。
気温33度という大会を通して続くであろう暑さのなか、前日に落車・リタイアしたディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)を除く175名の選手たちが出発地点に並ぶ。マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着る前日勝者のカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)と、「今日は昨日と同じようなシナリオとなるだろう」と語ったマイヨロホのワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を先頭に、現地時間午後12時4分にスタートが切られた。
その直後から集団を飛び出したのは前日に逃げたイボン・ルイス(エキポ・ケルンファルマ)とルイス・マテ(エウスカルテル・エウスカディ)のスペイン人コンビ。それぞれがチームメイトを1名づつ誘い、4名の逃げ集団を形成する。遅れてメイン集団からはシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)とヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)、カスパー・アスグリーン(デンマーク、Tレックス・クイックステップ)というTTスペシャリスト3名が飛び出したものの、プロトンが必死に引き戻した。
40歳のマテが指南するスペイン勢による逃げグループに対し、プロトンはアルペシン・ドゥクーニンクとリベンジに燃えるヴィスマ・リースアバイクがコントロール。最大5分弱のリードを得た逃げでは、2級山岳の頂上をマテが先頭通過。チームメイトのシャビエル・イササ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)が2位通過したため、マテは現役最後のブエルタでマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)着用の権利を得た。
残り51.4km地点に設定された中間スプリントをイササがトップ通過した時点で、プロトンとの差は1分58秒。後続ではファンアールトがグローブスを退け、5位通過で得られる10ポイントをゲットした。
4級山岳でもマテ先頭通過して山岳ポイント(2pts)を加算。ここまで順調に距離を消化していた逃げはバラバラになり、最後まで粘ったイササも残り20kmで飲み込まれる。ひと塊になった集団は総合チームとスプリントチームが先頭に人数を集めながら、カシュテロ・ブランコの街に到着した。
それまで平均38km/hだった集団の速度は、残り15kmを過ぎると53km/hまでスピードアップ。残り10kmからはイネオス・グレナディアーズとEFエデュケーション・イージーポストが先頭で位置を取り、母国ポルトガルのロード王者であるルイ・コスタ(EFエデュケーション・イージーポスト)が牽引するシーンも。そして連続するラウンドアバウトの度に縦長になる集団から、残り2kmでヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)が飛び出した。
スプリンターのいないチームに勝利をもたらそうと懸命にもがくカンペナールツだったが、フラムルージュ(残り1km)直後に集団がキャッチ。アンテルマルシェ・ワンティを先頭に最終ストレートに突入し、前日はメカトラで役割を果たせなかったエドワルト・プランカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭でスピードを上げた。
プランカールトの背後でグローブスでスプリント開始のタイミングを伺うなか、更にその後ろについたファンアールトが先んじて腰を上げる。一拍遅れてグローブスもスプリントをスタート。しかしファンアールトの圧倒的なスピードを前にグローブスは並ぶことしかできず、ファンアールトがフィニッシュラインに飛び込んだ。
フィニッシュ直後に両手を拡げて羽ばたくポーズを見せ、個人スポンサーであるレッドブルを思わせるパフォーマンスを披露したファンアールト。「最後に勝利してから随分時間が経った。本当に気持ちがいいよ。今日の作戦は(先に仕掛けた)昨日と逆のことをすることだった。しかし今日も先に仕掛け、グローブスを驚かせることができた。最後は緩斜面だったものの、十分なスピードで完璧なスプリントができたよ」と、初出場のブエルタでマイヨロホを着て勝利したファンアールトは喜んだ。
2連勝を逃したグローブスに続き、区間3位にはベテランスプリンターであるジョン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)が入る。またスプリントで優勝候補に挙がりながらも、前日14位だったブライアン・コカール(フランス、コフィディス)は8位に順位を上げている。
総合首位はファンアールトがキープし、最終目標であるマイヨプントス(ポイント賞)でもグローブスを抜きトップに立っている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2024第3ステージ
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 4:40:42 |
2位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
3位 | ジョン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | |
4位 | アルネ・マーリッツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
5位 | パヴェル・ビットネル(チェコ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
6位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
7位 | アリエン・リヴィンズ(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
8位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
9位 | アントニオ・ソト(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) | |
10位 | カルロス・カナル(スペイン、モビスター) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 10:05:59 |
2位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:13 |
3位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | +0:15 |
4位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +0:19 |
5位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:21 |
6位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | +0:29 |
7位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:30 |
8位 | ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:31 |
9位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:32 |
10位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | +0:33 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 98pts |
2位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 90pts |
3位 | ルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | 35pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 | ルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | 9pts |
2位 | シャビエル・イササ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | 3pts |
3位 | イボン・ルイス(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) | 3pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | 10:06:14 |
2位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | +0:14 |
3位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:19 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 30:19:19 |
2位 | リドル・トレック | +0:12 |
3位 | ヴィスマ・リースアバイク | +0:13 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
Amazon.co.jp