2024/08/19(月) - 18:30
2024年ツール・ド・フランスに出場した22チームのバイクを3チームごとに連載形式で紹介していくシリーズ第5弾。プロトと思しきロットのオルベア、モビスターの新型Aeroad、そしてスポンサー/チームカラー大刷新で話題を呼んだレッドブルのバイクをピックアップ。
ロット・デスティニー|オルベア ORCA AERO、ORCA
元アワーレコードホルダー、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)の逃げ切りステージ優勝に湧いたロット・デスティニー。今年からバスクに本拠地を置くオルベアとのスポンサー契約をスタートさせており、エアロロードのORCA AEROをメインに、山岳ステージでは軽量オールラウンダーのORCAを使用した。
エーススプリンターを務めたベルギーチャンピオンのアルノー・ドゥリーにはスペシャルペイントのORCA AEROが用意された(チャンピオン獲得後、急遽オルベア本社工場で塗装された模様)。また、ドゥリーとマキシム・ファンヒルス(ベルギー)には「OOLab」のロゴが加えられた塗装の薄いバイクが用意されていた。春先のチームキャンプ取材時にはカーボン積層の工夫で300gを削ぎ落としたORCA AEROが使用されていることが確認されているため、それないし、より研究を進化させたプロトモデルかと思われる。
コンポーネントはシマノDURA-ACEだが、FSA/ヴィジョンのクランクセットやハンドル周りを投入。しかしながらホイールはオルベアとの関係もある(オルベアのオリジナルホイールはジップ製ハブを採用)ジップ。波状リムが目立つ454NSWをメインに、303 Firecrestなど各モデルを使用していた。タイヤはヴィットリアのCORSA PROで、28cを基本に30cも使用する。
モビスター|キャニオン Aeroad CFR、Ultimate CFR
プロトン屈指の老舗チームであるモビスターは、アルペシン・ドゥクーニンクと同様に、キャニオンの新型Aeroad CFRをメインユース。山岳ステージでは稀にUltimate CFRを投入していることが興味深い。キャニオンはプロ向けレースバイクをAeroad、上質なライド体験を提供するホビーユーザーモデルをUltimateと位置付けているが、伝統的にクライマーを多く輩出してきたスペインチームらしい機材選択と言えるだろう。
チームは長らくスラムとパートナーシップを構築しており、新型のRED AXSとジップの353や454NSWホイール、タイムのペダル(チームカラーモデル)などスラム傘下のブランドをフル装備。しかしコンピュータはスラム傘下のハンマーヘッドではなくガーミンを継続採用している。
アルペシンとの違いは、変速用のサテライトスイッチ「Blips」を下ハンドル部分に装備していること。これもモビスターが例年採用しているカスタマイズの一つだ。組み合わせるタイヤはヴィットリアとシェアを二分するコンチネンタルのGrand Prix 5000S TR。他チームが採用する軽量TT用の「TT TR」はあまり使用されていないようだ。
レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ|スペシャライズド S-WORKS TARMAC
今ツール一番の注目チームの一つが、レッドブルが加わったことでチームカラーを一新したレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ。スペシャライズドのS-WORKS TARMACはモータースポーツでお馴染みのレッドブルカラーに変更されており、よく見ればフレームの白地には白いステッカーが貼られる凝りようだ。
コンポーネントは今年、シマノからスラムにチェンジ。最新の新型RED AXSをフル採用しているが、ペダルはシマノのまま。昨年はユンボ・ヴィスマ(現ヴィスマ・リースアバイク)の一部選手がスピードプレイに切り替えずシマノペダルを使い続けていた。
ホイールはロヴァールのRAPIDE CLX IIで、タイヤはクリンチャー/コットンケーシングのTurbo cottonをメインに一部選手がチューブレス/ナイロンケーシングのS-Works MondoやS-Works Turboを混用。同じくスラムを使うモビスターと異なりコンピューターはハンマーヘッドのKarooに変更された(マウントはチームロゴ入りの特別品)。なお、ブレーキレバーやクランクのSRAMロゴには白、赤・黄・紺のチームカラーが差し色として加えられている。
text:So Isobe,Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji
ロット・デスティニー|オルベア ORCA AERO、ORCA
元アワーレコードホルダー、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)の逃げ切りステージ優勝に湧いたロット・デスティニー。今年からバスクに本拠地を置くオルベアとのスポンサー契約をスタートさせており、エアロロードのORCA AEROをメインに、山岳ステージでは軽量オールラウンダーのORCAを使用した。
エーススプリンターを務めたベルギーチャンピオンのアルノー・ドゥリーにはスペシャルペイントのORCA AEROが用意された(チャンピオン獲得後、急遽オルベア本社工場で塗装された模様)。また、ドゥリーとマキシム・ファンヒルス(ベルギー)には「OOLab」のロゴが加えられた塗装の薄いバイクが用意されていた。春先のチームキャンプ取材時にはカーボン積層の工夫で300gを削ぎ落としたORCA AEROが使用されていることが確認されているため、それないし、より研究を進化させたプロトモデルかと思われる。
コンポーネントはシマノDURA-ACEだが、FSA/ヴィジョンのクランクセットやハンドル周りを投入。しかしながらホイールはオルベアとの関係もある(オルベアのオリジナルホイールはジップ製ハブを採用)ジップ。波状リムが目立つ454NSWをメインに、303 Firecrestなど各モデルを使用していた。タイヤはヴィットリアのCORSA PROで、28cを基本に30cも使用する。
モビスター|キャニオン Aeroad CFR、Ultimate CFR
プロトン屈指の老舗チームであるモビスターは、アルペシン・ドゥクーニンクと同様に、キャニオンの新型Aeroad CFRをメインユース。山岳ステージでは稀にUltimate CFRを投入していることが興味深い。キャニオンはプロ向けレースバイクをAeroad、上質なライド体験を提供するホビーユーザーモデルをUltimateと位置付けているが、伝統的にクライマーを多く輩出してきたスペインチームらしい機材選択と言えるだろう。
チームは長らくスラムとパートナーシップを構築しており、新型のRED AXSとジップの353や454NSWホイール、タイムのペダル(チームカラーモデル)などスラム傘下のブランドをフル装備。しかしコンピュータはスラム傘下のハンマーヘッドではなくガーミンを継続採用している。
アルペシンとの違いは、変速用のサテライトスイッチ「Blips」を下ハンドル部分に装備していること。これもモビスターが例年採用しているカスタマイズの一つだ。組み合わせるタイヤはヴィットリアとシェアを二分するコンチネンタルのGrand Prix 5000S TR。他チームが採用する軽量TT用の「TT TR」はあまり使用されていないようだ。
レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ|スペシャライズド S-WORKS TARMAC
今ツール一番の注目チームの一つが、レッドブルが加わったことでチームカラーを一新したレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ。スペシャライズドのS-WORKS TARMACはモータースポーツでお馴染みのレッドブルカラーに変更されており、よく見ればフレームの白地には白いステッカーが貼られる凝りようだ。
コンポーネントは今年、シマノからスラムにチェンジ。最新の新型RED AXSをフル採用しているが、ペダルはシマノのまま。昨年はユンボ・ヴィスマ(現ヴィスマ・リースアバイク)の一部選手がスピードプレイに切り替えずシマノペダルを使い続けていた。
ホイールはロヴァールのRAPIDE CLX IIで、タイヤはクリンチャー/コットンケーシングのTurbo cottonをメインに一部選手がチューブレス/ナイロンケーシングのS-Works MondoやS-Works Turboを混用。同じくスラムを使うモビスターと異なりコンピューターはハンマーヘッドのKarooに変更された(マウントはチームロゴ入りの特別品)。なお、ブレーキレバーやクランクのSRAMロゴには白、赤・黄・紺のチームカラーが差し色として加えられている。
text:So Isobe,Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji
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