2024/07/26(金) - 17:00
9月14~15日(土~日)に、福島県浜通り地域の15市町村を舞台とした公道ロードレース「ツール・ド・ふくしま」が初開催される。2日間で計245kmで競う、国内最大級の市民レーサー参加型のステージレースだ。
東日本大震災からの復興が進む福島県浜通り地域において、新たな市民ロードレース「ツール・ド・ふくしま」が産声を上げる。2日間計245kmのステージレース、そして各ステージラインレースという、国内市民ロードレースイベントとしては類を見ないスペックで開催される。
昨年、初開催に向けて大会準備を進めながらも、大会前後の豪雨災害によって開催中止の憂き目にあったツール・ド・ふくしま。そんな無念を払拭すべく、今年はコースや種目を一新して、第一歩を踏み出す。
大きく分けて、ロードレース部門とロングライド部門の2つのカテゴリーが用意され、シリアスレーサーはもちろん、ファンライドを楽しむサイクリストも気兼ねなく参加できる間口の広い大会となった。
ロードレース部門は、メイン種目となるステージレース「ふくしま240」を筆頭に、全6種目を開催。ふくしま240のコースをベースとしつつ、競技者のレベルに合わせた多くの種目が用意される。
2日間のステージレースとなるふくしま240の第1ステージは、「Jヴィレッジ」(楢葉町・広野町)をスタートし、海岸沿いを北上し浜通り北端の「釣師防災緑地公園」(新地町)へフィニッシュする85km。
コースの大部分は、津波被害や原発事故のあった象徴的な地域を通り、震災復興の象徴とも言える「浜街道」となる。レースながら、海岸沿いの絶景を楽しめる区間も登場し、福島に来たことを実感できる初日となるだろう。
フィニッシュの1.5km手前からはコーナーの連続に。初日で成績を残したいスプリンターは、熾烈なポジション争いが勃発しそうだ。フィニッシュ会場では第1ステージの表彰式(男女1~3位・1位にはリーダージャージと復興大臣賞を授与)を開催。選手らは新地または相馬エリアに宿泊し、翌朝の第2ステージに備えることになる。
第2ステージは初日とは打って変わって阿武隈山系を舞台とした山岳コースに。総合狙いの選手にとって、この日が正念場となるだろう。スタート/フィニッシュは初日の逆となり、「釣師防災緑地公園」から「Jヴィレッジ」を目指す、距離160km、獲得標高2,300m超のタフな1日となる。
スタートから一路内陸部を目指し、25km地点から真野ダムへの登坂が始まる。一部平坦区間を挟みつつ、56km地点の長泥の登りピークまで、標高差900m近くを駆け上がる序盤の勝負所だ。
一旦下りを挟みつつ、飯舘村と川俣町の村境に位置する大会最高標高地点(702m)へ向けてヒルクライム。その後も川俣町、浪江町、葛尾村、田村市と市町村を駆け抜ける間に、いくつものアップダウンを挟み、休みどころのないコースが続く。
特に勝負が掛かるだろうと予想されるポイントが、浪江町から田村市へ向けた国道399号線の登り区間。約4kmと長めの区間で、優勝を狙う選手らにとってはライバルの脚色を占うのにもってこいの登坂となる。
サバイバルな山岳区間も125km地点のトンネルをピークに下り基調に。フィニッシュのJヴィレッジまでは35kmとなるが、フィニッシュ手前に2kmには最後の仕掛け所となる700mの登坂区間も。総距離245km、獲得標高3,100mの2日間を制するのは誰か。ツールドおきなわの市民最高峰クラスを7度制している高岡亮寛を筆頭に、田崎友康、北野普識、下島将輝(シモジマン)らトップアマチュアレーサーたちの参戦も予定している。
トップ争いだけではない。完走者には特別なフィニッシャ―メダルを授与
とかく優勝者がフィーチャーされがちなレースイベントだが、この過酷な2日間を走りぬいた全ての人がヒーローだ。ツール・ド・ふくしまでは、完走もまた大きな目標となる。
2日目のコースには5か所の関門が用意されており、それぞれを制限時間内に通過しないと足きりとなる。タフなコースの中で、全ての関門をクリアしてフィニッシュした参加者には、この「ふくしま240」クラス限定のフィニッシャーメダルが授与される。
勝負をかけて競い合うだけがツール・ド・ふくしまではない。完走を目標に協調体制を作り上げ、お互いを励まし合いながらフィニッシュを目指す姿こそ、震災から復興する福島に相応しいはずだ。
初心者ウェルカムのショートレースも用意 3人1チームで参加する駅伝種目も
象徴的なふくしま240の他にも、様々な種目が用意されるツール・ド・ふくしま。ユニークなのが、ふくしま240を3人のチームで走る「駅伝240」だ。1日目を1区、2日目を前半と後半に分けた合計3区を走る種目で、チームの絆が試される。
また、ワンデイ種目も用意される。ふくしま240の1日目と2日目のコースをそれぞれ走るふくしま80とふくしま160。そしてそれぞれのコースのラスト付近を走るふくしま30とふくしま20という初心者向けの種目も用意されており、レースは初めてという方でも走り切れるカテゴリー編成となっている。
福島の復興を体感するロングライド部門
また、初日となる14日(土)にはロングライド種目も開催。Jヴィレッジを発着するコースで、それぞれ距離のことなる浜街道ライド110と、ホープライド50という2種目が用意される。
浜街道ライド110は、全長116kmの本格ロングライド。そのうち、約60kmはいわき市の7つの浜(ビーチ)をつなぐ復興サイクリングロード「いわき七浜海道」を走ることになる。美しい景観と、走りやすい自転車走行空間が整備されたルートで、距離は長いながら初心者でも安心して走れるコースとなっている。
116kmのコースの中には6つのエイドステーションを予定し、地元グルメも堪能できる盛りだくさんなロングライドになるだろう。
もう一つのホープライド50は、全長51kmと短めのコース設定で体力に自信のない初心者でも参加しやすい種目となっている。こちらのコースにも3つのエイドステーションが用意される予定で、短いながらもしっかり福島のおもてなしを受けられること間違いなし。
参加者募集中! 9月2日(月)まで
そんなツール・ド・ふくしまは現在参加者を募集中。申し込みはスポーツエントリーから受付中。エントリー期間は9月2日(月)までとなっている。なお、レース種目はJCF競技者登録が必要となるが、臨時登録手続きも行われるため未登録者でもエントリー可能となる
国内でも数少ない公道を利用した大規模市民レースだけに、人気が出ることが予想される。気になる方は早めに申し込んだ方が良いだろう。
ツール・ド・ふくしま2024
開催日:2024年9月14日(土)、15日(日)
申込期間:2024年7月23日(火)~2024年9月2日(月)
開催場所:福島県浜通り等15市町村(新地町、相馬市、南相馬市、飯舘村、川俣町、浪江町、葛尾村、双葉町、大熊町、田村市、川内村、富岡町、楢葉町、広野町、いわき市)※いわき市、広野町はロングライドのみ
レース種目:ふくしま240、駅伝240、ふくしま160、ふくしま80、ふくしま30、ふくしま20
ロングライド種目:浜街道ライド110、ホープライド50
東日本大震災からの復興が進む福島県浜通り地域において、新たな市民ロードレース「ツール・ド・ふくしま」が産声を上げる。2日間計245kmのステージレース、そして各ステージラインレースという、国内市民ロードレースイベントとしては類を見ないスペックで開催される。
昨年、初開催に向けて大会準備を進めながらも、大会前後の豪雨災害によって開催中止の憂き目にあったツール・ド・ふくしま。そんな無念を払拭すべく、今年はコースや種目を一新して、第一歩を踏み出す。
大きく分けて、ロードレース部門とロングライド部門の2つのカテゴリーが用意され、シリアスレーサーはもちろん、ファンライドを楽しむサイクリストも気兼ねなく参加できる間口の広い大会となった。
ロードレース部門は、メイン種目となるステージレース「ふくしま240」を筆頭に、全6種目を開催。ふくしま240のコースをベースとしつつ、競技者のレベルに合わせた多くの種目が用意される。
2日間のステージレースとなるふくしま240の第1ステージは、「Jヴィレッジ」(楢葉町・広野町)をスタートし、海岸沿いを北上し浜通り北端の「釣師防災緑地公園」(新地町)へフィニッシュする85km。
コースの大部分は、津波被害や原発事故のあった象徴的な地域を通り、震災復興の象徴とも言える「浜街道」となる。レースながら、海岸沿いの絶景を楽しめる区間も登場し、福島に来たことを実感できる初日となるだろう。
フィニッシュの1.5km手前からはコーナーの連続に。初日で成績を残したいスプリンターは、熾烈なポジション争いが勃発しそうだ。フィニッシュ会場では第1ステージの表彰式(男女1~3位・1位にはリーダージャージと復興大臣賞を授与)を開催。選手らは新地または相馬エリアに宿泊し、翌朝の第2ステージに備えることになる。
第2ステージは初日とは打って変わって阿武隈山系を舞台とした山岳コースに。総合狙いの選手にとって、この日が正念場となるだろう。スタート/フィニッシュは初日の逆となり、「釣師防災緑地公園」から「Jヴィレッジ」を目指す、距離160km、獲得標高2,300m超のタフな1日となる。
スタートから一路内陸部を目指し、25km地点から真野ダムへの登坂が始まる。一部平坦区間を挟みつつ、56km地点の長泥の登りピークまで、標高差900m近くを駆け上がる序盤の勝負所だ。
一旦下りを挟みつつ、飯舘村と川俣町の村境に位置する大会最高標高地点(702m)へ向けてヒルクライム。その後も川俣町、浪江町、葛尾村、田村市と市町村を駆け抜ける間に、いくつものアップダウンを挟み、休みどころのないコースが続く。
特に勝負が掛かるだろうと予想されるポイントが、浪江町から田村市へ向けた国道399号線の登り区間。約4kmと長めの区間で、優勝を狙う選手らにとってはライバルの脚色を占うのにもってこいの登坂となる。
サバイバルな山岳区間も125km地点のトンネルをピークに下り基調に。フィニッシュのJヴィレッジまでは35kmとなるが、フィニッシュ手前に2kmには最後の仕掛け所となる700mの登坂区間も。総距離245km、獲得標高3,100mの2日間を制するのは誰か。ツールドおきなわの市民最高峰クラスを7度制している高岡亮寛を筆頭に、田崎友康、北野普識、下島将輝(シモジマン)らトップアマチュアレーサーたちの参戦も予定している。
トップ争いだけではない。完走者には特別なフィニッシャ―メダルを授与
とかく優勝者がフィーチャーされがちなレースイベントだが、この過酷な2日間を走りぬいた全ての人がヒーローだ。ツール・ド・ふくしまでは、完走もまた大きな目標となる。
2日目のコースには5か所の関門が用意されており、それぞれを制限時間内に通過しないと足きりとなる。タフなコースの中で、全ての関門をクリアしてフィニッシュした参加者には、この「ふくしま240」クラス限定のフィニッシャーメダルが授与される。
勝負をかけて競い合うだけがツール・ド・ふくしまではない。完走を目標に協調体制を作り上げ、お互いを励まし合いながらフィニッシュを目指す姿こそ、震災から復興する福島に相応しいはずだ。
初心者ウェルカムのショートレースも用意 3人1チームで参加する駅伝種目も
象徴的なふくしま240の他にも、様々な種目が用意されるツール・ド・ふくしま。ユニークなのが、ふくしま240を3人のチームで走る「駅伝240」だ。1日目を1区、2日目を前半と後半に分けた合計3区を走る種目で、チームの絆が試される。
また、ワンデイ種目も用意される。ふくしま240の1日目と2日目のコースをそれぞれ走るふくしま80とふくしま160。そしてそれぞれのコースのラスト付近を走るふくしま30とふくしま20という初心者向けの種目も用意されており、レースは初めてという方でも走り切れるカテゴリー編成となっている。
福島の復興を体感するロングライド部門
また、初日となる14日(土)にはロングライド種目も開催。Jヴィレッジを発着するコースで、それぞれ距離のことなる浜街道ライド110と、ホープライド50という2種目が用意される。
浜街道ライド110は、全長116kmの本格ロングライド。そのうち、約60kmはいわき市の7つの浜(ビーチ)をつなぐ復興サイクリングロード「いわき七浜海道」を走ることになる。美しい景観と、走りやすい自転車走行空間が整備されたルートで、距離は長いながら初心者でも安心して走れるコースとなっている。
116kmのコースの中には6つのエイドステーションを予定し、地元グルメも堪能できる盛りだくさんなロングライドになるだろう。
もう一つのホープライド50は、全長51kmと短めのコース設定で体力に自信のない初心者でも参加しやすい種目となっている。こちらのコースにも3つのエイドステーションが用意される予定で、短いながらもしっかり福島のおもてなしを受けられること間違いなし。
参加者募集中! 9月2日(月)まで
そんなツール・ド・ふくしまは現在参加者を募集中。申し込みはスポーツエントリーから受付中。エントリー期間は9月2日(月)までとなっている。なお、レース種目はJCF競技者登録が必要となるが、臨時登録手続きも行われるため未登録者でもエントリー可能となる
国内でも数少ない公道を利用した大規模市民レースだけに、人気が出ることが予想される。気になる方は早めに申し込んだ方が良いだろう。
ツール・ド・ふくしま2024
開催日:2024年9月14日(土)、15日(日)
申込期間:2024年7月23日(火)~2024年9月2日(月)
開催場所:福島県浜通り等15市町村(新地町、相馬市、南相馬市、飯舘村、川俣町、浪江町、葛尾村、双葉町、大熊町、田村市、川内村、富岡町、楢葉町、広野町、いわき市)※いわき市、広野町はロングライドのみ
レース種目:ふくしま240、駅伝240、ふくしま160、ふくしま80、ふくしま30、ふくしま20
ロングライド種目:浜街道ライド110、ホープライド50
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