2024/07/13(土) - 13:14
さいたま佐渡サンブレイブは拠点とするさいたま市内で記者会見を開き、武蔵コーポレーション株式会社とスポンサー契約を締結したことを発表した。武蔵コーポレーションの大谷代表にスポンサー締結の目的を、さいたま佐渡サンブレイブの加藤代表と藤田涼平にこれまでと今後について話を聞いた。
埼玉県さいたま市と新潟県佐渡市を拠点として活動するロードレースチーム「さいたま佐渡サンブレイブ」は、さいたま市に本社を置く「武蔵コーポレーション株式会社」とスポンサー契約を締結した。契約期間は2024年5月から2025年12月までの2年間。ユニフォーム(ジャージ)やチームカーなどへのスポンサーロゴ掲出だけでなく、チームが主催する自転車教室のネームスポンサーとなり、「武蔵コーポレーション自転車教室」として開催される。
さいたま市内で行われた記者会見には、武蔵コーポレーションの大谷義武代表取締役と、チームの運営会社である株式会社オリエンタルスポーツの加藤康則代表取締役、所属選手の藤田涼平と持留叶汰郎が出席して行われた
武蔵コーポレーションは不動産の売買・仲介などを手がける企業で、サッカーJリーグの「大宮アルディージャ」をはじめ埼玉県内に拠点を置くプロスポーツチームのスポンサーや大会協賛なども行う。今回さいたま佐渡サンブレイブのスポンサーとなることについて大谷代表は、「自転車を通じた地域の子供達への交通安全啓蒙活動に賛同し、スポンサーを引き受けることを決めた。子供達が自転車を通じてより良い社会人になるための一助となる活動に参画できることに社員一同誇りに思っている」と述べた。
加藤代表は「自転車はスポーツである前に移動手段であり、子供が大人社会に踏み入れる最初の乗り物。その自転車での事故を減らす活動を地域に根ざしてやっていくことが、自転車競技を知ってもらうことに繋がると考えている。武蔵コーポレーション様のご支援を頂き、今まで以上に力を入れていきたい。そして今年の公式戦で1勝挙げることが出来ればと思っている」と、話した。
大谷代表「交通手段としての自転車を通じて広く地域貢献活動を」
「自転車はスポーツであると同時に交通手段でもあります。野球やサッカー、バスケットボールのように種目で限定されるのではなく、自転車を通じた地域貢献活動は全ての人達に接することが出来るのが大きなメリットだと考えています。特に子供達への交通安全啓蒙活動への協賛は、長い目で見れば会社の知名度の浸透に寄与し、それが将来的にビジネスや就職・採用などという形で返ってくるものがあればと思っています」
加藤代表「代表を引き受けるのが遅かったらチームがバラバラになっていたかもしれない」
今年2月26日にさいたまディレーブと那須ブラーゼンの提携解消が発表され、「さいたま那須サンブレイブ」として活動してきたチームは「さいたま佐渡サンブレイブ」となった。加藤康則氏が運営会社のオリエンタルスポーツ代表に就任したのは3月7日。事業停止となった那須ブラーゼン運営会社(NASPO株式会社)とは別会社だったとは言え、その時点でチームの存続はギリギリの状態だったと言う。
「オリエンタルスポーツさんから代表就任のオファーを頂いて3月に就任した際、まだ何もやっていないのに選手やスタッフからお礼を言われました。その時点で選手や各所への支払いが滞っていて、首の皮1枚のギリギリのところまで追い詰められていた状況だったと後から知って、尚のことなんとかしなければと思いました。
僕自身、代表就任のオファーを引き受けるべきか否かを考え、精査して大丈夫そうだと判断して引き受けましたが、その返答がもう少し遅かったらチームはバラバラになっていたかもしれません。
そこからなんとか回せるようになって、さいたまと佐渡での交通安全教室などの地域貢献活動を無くさずに続けることが出来て、レース活動も出来る限り行けるようになりました。特に地域貢献活動の継続はオリエンタルスポーツの株主さん達の強い想いでもあったので、なんとか持ちこたえるまでに出来て良かったと思っています。
まだちゃんと回せていない部分があるのも確かですが、愚直に地域貢献活動を続けて我々の存在を知ってもらわなければ新たなファンが増えることもありません。そうして支えてくれる人達やスポンサーになってくれる企業さんが増えてくれて、良い選手を獲得してレースで良い成績を出せるという循環が出来るようになればと思います。
今年はUCIコンチネンタル登録を見送りましたが、近い将来に再登録というのもまだ難しい状況です。選手は早く再登録して欲しいと思っているかもしれませんが、来年か再来年と明言できる状況でないですし、そこまで甘くないです。この記事を読んで支援してくださる方がいらっしゃれば、ご連絡頂ければ嬉しいです」
藤田涼平「地域貢献活動はこれからも大事にしていきたい」
今年からオリエンタルスポーツの社員となってスタッフ兼選手として活動している藤田涼平。これまでの出来事はさすがに予想外だったと振り返る。
「昨年末にオリエンタルスポーツへの入社が決まっていたが、ここまで色々なことが重なるとは思っていませんでした。特に2月は色々考えさせられる時間になりましたが、4月にチャレンジロードで吉岡(直哉)選手が優勝してくれたり、武蔵コーポレーションさんがスポンサーに決まったりと、良いことが続きました。一から立て直していくところでサポートしてもらえると決まったのは心強かったです。
とは言え、スタッフが減ってしまい、僕が選手をやりつつ監督のようなポジションもメカニックも兼ねているような状況で、選手へのサポートが薄くなってしまい申し訳なく思っていたのですが、みんな僕の苦労を察してくれていてポジティブに頑張っていこうという想いもありました。吉岡選手の優勝もそうですが、サバイバルレースになった全日本選手権で完走した宇賀(隆貴 )選手の走りにもそれが現れていたと思っています。
自分がさいたまディレーブに加入した時から地域貢献活動を続けてきており、それが一番重要だと思っているのでこれからも大事にしていきたいです。そしてレースの成績も伸ばし、もっと大きな良いチームにしていきたいですね」
text&photo:Satoru Kato
埼玉県さいたま市と新潟県佐渡市を拠点として活動するロードレースチーム「さいたま佐渡サンブレイブ」は、さいたま市に本社を置く「武蔵コーポレーション株式会社」とスポンサー契約を締結した。契約期間は2024年5月から2025年12月までの2年間。ユニフォーム(ジャージ)やチームカーなどへのスポンサーロゴ掲出だけでなく、チームが主催する自転車教室のネームスポンサーとなり、「武蔵コーポレーション自転車教室」として開催される。
さいたま市内で行われた記者会見には、武蔵コーポレーションの大谷義武代表取締役と、チームの運営会社である株式会社オリエンタルスポーツの加藤康則代表取締役、所属選手の藤田涼平と持留叶汰郎が出席して行われた
武蔵コーポレーションは不動産の売買・仲介などを手がける企業で、サッカーJリーグの「大宮アルディージャ」をはじめ埼玉県内に拠点を置くプロスポーツチームのスポンサーや大会協賛なども行う。今回さいたま佐渡サンブレイブのスポンサーとなることについて大谷代表は、「自転車を通じた地域の子供達への交通安全啓蒙活動に賛同し、スポンサーを引き受けることを決めた。子供達が自転車を通じてより良い社会人になるための一助となる活動に参画できることに社員一同誇りに思っている」と述べた。
加藤代表は「自転車はスポーツである前に移動手段であり、子供が大人社会に踏み入れる最初の乗り物。その自転車での事故を減らす活動を地域に根ざしてやっていくことが、自転車競技を知ってもらうことに繋がると考えている。武蔵コーポレーション様のご支援を頂き、今まで以上に力を入れていきたい。そして今年の公式戦で1勝挙げることが出来ればと思っている」と、話した。
大谷代表「交通手段としての自転車を通じて広く地域貢献活動を」
「自転車はスポーツであると同時に交通手段でもあります。野球やサッカー、バスケットボールのように種目で限定されるのではなく、自転車を通じた地域貢献活動は全ての人達に接することが出来るのが大きなメリットだと考えています。特に子供達への交通安全啓蒙活動への協賛は、長い目で見れば会社の知名度の浸透に寄与し、それが将来的にビジネスや就職・採用などという形で返ってくるものがあればと思っています」
加藤代表「代表を引き受けるのが遅かったらチームがバラバラになっていたかもしれない」
今年2月26日にさいたまディレーブと那須ブラーゼンの提携解消が発表され、「さいたま那須サンブレイブ」として活動してきたチームは「さいたま佐渡サンブレイブ」となった。加藤康則氏が運営会社のオリエンタルスポーツ代表に就任したのは3月7日。事業停止となった那須ブラーゼン運営会社(NASPO株式会社)とは別会社だったとは言え、その時点でチームの存続はギリギリの状態だったと言う。
「オリエンタルスポーツさんから代表就任のオファーを頂いて3月に就任した際、まだ何もやっていないのに選手やスタッフからお礼を言われました。その時点で選手や各所への支払いが滞っていて、首の皮1枚のギリギリのところまで追い詰められていた状況だったと後から知って、尚のことなんとかしなければと思いました。
僕自身、代表就任のオファーを引き受けるべきか否かを考え、精査して大丈夫そうだと判断して引き受けましたが、その返答がもう少し遅かったらチームはバラバラになっていたかもしれません。
そこからなんとか回せるようになって、さいたまと佐渡での交通安全教室などの地域貢献活動を無くさずに続けることが出来て、レース活動も出来る限り行けるようになりました。特に地域貢献活動の継続はオリエンタルスポーツの株主さん達の強い想いでもあったので、なんとか持ちこたえるまでに出来て良かったと思っています。
まだちゃんと回せていない部分があるのも確かですが、愚直に地域貢献活動を続けて我々の存在を知ってもらわなければ新たなファンが増えることもありません。そうして支えてくれる人達やスポンサーになってくれる企業さんが増えてくれて、良い選手を獲得してレースで良い成績を出せるという循環が出来るようになればと思います。
今年はUCIコンチネンタル登録を見送りましたが、近い将来に再登録というのもまだ難しい状況です。選手は早く再登録して欲しいと思っているかもしれませんが、来年か再来年と明言できる状況でないですし、そこまで甘くないです。この記事を読んで支援してくださる方がいらっしゃれば、ご連絡頂ければ嬉しいです」
藤田涼平「地域貢献活動はこれからも大事にしていきたい」
今年からオリエンタルスポーツの社員となってスタッフ兼選手として活動している藤田涼平。これまでの出来事はさすがに予想外だったと振り返る。
「昨年末にオリエンタルスポーツへの入社が決まっていたが、ここまで色々なことが重なるとは思っていませんでした。特に2月は色々考えさせられる時間になりましたが、4月にチャレンジロードで吉岡(直哉)選手が優勝してくれたり、武蔵コーポレーションさんがスポンサーに決まったりと、良いことが続きました。一から立て直していくところでサポートしてもらえると決まったのは心強かったです。
とは言え、スタッフが減ってしまい、僕が選手をやりつつ監督のようなポジションもメカニックも兼ねているような状況で、選手へのサポートが薄くなってしまい申し訳なく思っていたのですが、みんな僕の苦労を察してくれていてポジティブに頑張っていこうという想いもありました。吉岡選手の優勝もそうですが、サバイバルレースになった全日本選手権で完走した宇賀(隆貴 )選手の走りにもそれが現れていたと思っています。
自分がさいたまディレーブに加入した時から地域貢献活動を続けてきており、それが一番重要だと思っているのでこれからも大事にしていきたいです。そしてレースの成績も伸ばし、もっと大きな良いチームにしていきたいですね」
text&photo:Satoru Kato
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