メダルの期待高まるトラック短距離種目　世界ランキングを揺るがすか？

男子は太田海也、小原佑太、中野慎詞、BMXから転向した長迫吉拓の4名が出場。いずれも東京五輪後に再構成された日本の短距代表チームを牽引してきたメンバーだ。今回初めて出場枠を獲得したチームスプリントは、太田、小原、長迫の3名が出場予定。ネイションズカップ第1戦、第2戦では2位銀メダルを獲得しており、五輪での活躍も大いに期待される。

また、チームスプリントの出場枠獲得に伴ってケイリンとスプリントにそれぞれ2名ずつ出場可能となり、ケイリンには太田と中野、スプリントには太田と小原が出場する。ケイリンとスプリント両方に出場予定の太田は、ネーションズカップ第1戦ではスプリントで優勝、同第2戦ではケイリンとスプリントで優勝している。特に日本のお家芸でもあるケイリンでの悲願のメダル獲得に期待が高まる。

ハイパフォーマンスセンター（HPCJC）テクニカルディレクターのブノワ・べトゥ氏は「世界ランキングを揺るがすことが出来る」という。その言葉通りとなるか？

太田海也
「競技を始めた時からパリ五輪を目指してやってきたので、やっとスタートに立てたと思っている。過去の経験を今につなげて、今後の競輪や次の五輪につなげられる結果を出せるようにしたい。3種目に出場するが、特にケイリンは日本の競輪選手であることを誇りに、勝ち方にもこだわって勝負したい」

小原佑太
「今回残念ながら五輪出場が叶わなかったチームのメンバーや、スタッフ、コーチ、関係者の皆様、そしてここまでバトンを繋いでくださった先輩方の想いをメダルとして形に残せるよう、精一杯頑張りたい」

長迫吉拓
「BMXで五輪2大会に出場したがメダルに絡めず、でももう一度挑戦したいという気持ちがあり、チームスプリントの1走ならBMXで身につけたスタートで自分の強みを活かせると考えた。今回は自信をもってメダルを狙えると言えるようになったことが過去2大会との大きな違いと思う」

中野慎詞
「パリ五輪に出場することが目標ではなく、出場してメダルを取ることを目標としているので、代表に決まったことで嬉しいというより、これからだと思っている。チームパーシュートに出場することになったが、自分が与えられた種目を全力でこなすだけと考えている。思い切り自分の力をぶつけてメダルを取って帰ってきたい」

一方女子は、太田りゆと佐藤水菜の2名が、共にケイリンとスプリントに出場する。東京五輪代表候補に挙げられながらも出場は叶わず3年越しの悲願をパリ五輪で果たした太田と、2021年世界選手権のケイリンで銀メダル獲得して以降世界大会で表彰台の常連となった佐藤。国内大会でも優勝争いする2人が五輪の大舞台でどのような走りを見せるのか、大いに注目したい。

太田りゆ
「前回リザーブだったところから必死に3年間やってきて、目指してきた舞台に立てることを嬉しく思う。この3年間は色々なことがあったが、絶対止まらずにちょっとずつ進んできたので短くなかった。それでも歩みを止めずにここまできたことを誇りに思って本番を闘いたい」

佐藤水菜
「代表になったことで責任を感じている。しっかり胸を張ってメダルを取ってこれるようにしたい。五輪は結果以上のものが求められる大会。出られなかった人のためにも、この人が五輪に出て良かったと納得してもらえるような走りをしたい。目標は日本記録の更新とネイションズカップの時以上の結果を目指したい」


※各選手コメントは5月29日の発表記者会見より抜粋