2024/07/08(月) - 16:26
長野県・富士見パノラマリゾートで開催されたMTB全日本選手権2日目XCOで、男子エリートは沢田時(宇都宮ブリッツェン)が前日のXCCに次ぐ完全優勝を達成した。U23では副島達海が勝利し、アジアチャンピオンジャージに日本チャンピオンジャージを重ね着することになる。男子各カテゴリーの熱戦をお伝えする。
長野県・富士見パノラマリゾートで開催されたMTB全日本選手権の2日めは、XCO=クロスカントリー・オリンピック種目。 JCFの「全日本選手権カテゴリー」は男女エリート、男女U23、男女ジュニア、男女マスターズ、男女ユースが対象。優勝者には日の丸をあしらったナショナルチャンピオンジャージが授与され、そのデザインのジャージを1年間着用する権利が与えられる。
前日の過ごしやすい曇り空とは一転、早朝から雲一つない快晴となったこの日の天気予報は「酷暑」を伝えていた。日陰の少ないゲレンデが広がるレースコースではこの暑さ対策も勝負を分ける鍵となった。そして前日の夕方の試走時間は雨が降ったため、試走の際は泥となったが、レースではドライというコンディションに慣れることが難しい状況。昨年と開催場所は同じだが今年のコースは手が加えられ、よりテクニカルになったと言う。とくに林間のロックセクションは難易度が増している。
水を被り、氷をジャージに仕込んだ選手たちが並ぶ。アジアチャンピオンジャージで登場した沢田時は、5月のCoupe de Japonびわ湖高島以来、出場したすべてのレースで連勝、日本代表として出場したアジア選手権大会(マレーシア)でも優勝している。
気温が40°に迫った午後2時スタートの男子エリート&U23は7周回でのレース。77人がエントリーした大集団がゲレンデに飛び出していく。
スタートループの序盤をリードしたのは平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)。昨日のXCCでは落車の影響で追い込めず、脚を残すことになった平林は一昨年覇者であり、ロックセクションでのテクニックにも秀でる。長く伸びた大集団がじりじりと分断を始めるなか、 沢田時(宇都宮ブリッツェン)、宮津旭(OLIVE)、竹内遼(MERIDA BIKING TEAM)の4人がリードして先行する。
早めに決まったこの4人が力的には抜けており、優勝争いをするであろうことは明らかだった。今年からプライベーターとなった横山航太(ペダル)は好走するも少しづつ離される展開に。前日のレース後に「冬に3回コロナに掛かってしまい、やっと走れるようにはなってきましたが、去年勝ったときのような好調はないです。でも今はようやく調子が戻ってきている」と語っていた昨年覇者の北林力(Sunn factory racing)はいったん先頭グループに加わるも走りが冴えず、勢いをなくしていく。
エリート男子がスタートして5分後にU23男子がスタートし、勢いある先頭集団がエリート男子を次々パスしていく構図に。2周目にアタックを仕掛けたのは竹内遼。これに沢田時が追従し、2人に。平林安里と宮津旭の2人が追う2×2の展開に。
先頭では竹内がしきりにペースを上げ、沢田が追従する。後方2人から宮津が先行して追い上げ、先頭にジョイン。暑さのなかフィードゾーンでは水を被りつつペースを上げる3人。沢田も前に出るようになると、好調な竹内と同調して宮津を引き離す。
4周目、後半にかけてふたたび調子を上げてきた平林がドロップした宮津に替わり沢田と竹内にジョインして3人に。中盤からは気温もピークに達し、灼熱ともいえる暑さに。3人の膠着状態から5周目に沢田がアタックを仕掛け、竹内が追従して再び2人に。
冷静に後方でレースを進めていた平林は前を行く2人に追いつくとカウンターアタックを仕掛けて先行。しかし沢田も冷静に対処し、カウンターで仕掛け返すと単独先頭に持ち込んだ。トラクションのかかる芝のゲレンデで、昨日同夜の鋭い加速を決めた沢田のスピードはロードとシクロクロス仕込みのアタックだった。
わずか9秒ほどの差をもって最終回に突入する沢田。それを追う平林も忍び寄るような静かな加速で沢田を追う。しかし平林の追従に気づいた沢田は差を詰めることを許さなかった。安心できる25秒の差をもって沢田がフィニッシュへ飛び込み、勝利の雄叫びを上げた。2021年の勝利から3年ぶりとなる全日本XCO勝利で、昨日のXCCでの勝利に続き2日連続となる全日本選手権完全優勝だ。アジアチャンピオンジャージに加えて全日本チャンピオンジャージも獲得した。
沢田は言う。「暑くて過酷なレースでした。アジア選手権の5月に調子を合わせたから再びピークを上げるには辛い時もありましたが、アジア選手権以上の走りを皆さんに観てもらいったくて準備してきました。今日はその走りができたと思う。ライバルたち皆が強くてキツいレースでしたが、だからアジア選よりもいい走りができた。最後まで諦めずに走り切ることができたのは応援の声があったから」。
2位に終わった平林は言う。「1周目に自分でペースを上げたツケが中盤にかけてきてしまった。実は1週間前にスイスのワールドカップで試走中にドロップオフ落車して歯を亜脱臼して口の中を10針縫っていたんです。その影響もゼロではなかったかな、と思います。でも体調は良かったので最初から行きました。
新しいバイクセッティングに慣れるのにも少し時間がかかってしまった。時さんはレースが巧かった。展開が上手で手強いなぁ、と感じながら走っていました。アタックのタイミングが絶妙で、強かったですね。最後は時さんのアタックの後、時さんがシングルトラックに消えたことを見届けてから追走アタックをかけて林間で差を詰めようと考えたんですが、つづら折れで目が合ってしまいバレてしまった。来年またリベンジします」。
U23は副島達海が連覇
男子エリートの5分後の時差スタートによる10人のレースとなった男子U23。昨年はエリート男子との混走だったが、今回は人数が揃ったことで分離独立して行われた。
U23アジアチャンピオンの副島達海(大阪産業大学)がリードし、昨日のXCCでエリート含む3位の座を占めた松本一成(TEAM RIDE MASHUN/高崎健康福祉大学)、昨年のジュニアのチャンピオン高橋翔 (日本体育大学)が3人で抜け出す。少し遅れて鈴木来人(アヴニールサイクリング山梨)と古江昂太(FUKAYA RACING)が追走する。
前を行く3人から松本が脱落し、副島と高橋のランデブーに。いったんは副島が先行、ラスト2周を前に高橋が追いついたが再び副島が脚の違いを見せて先行した。CJでは高橋に負かされた副島だが、今回は逆のパターンでフィジカルの強さを見せつけた。エリートの沢田と同じくアジアチャンピオンの日本チャンピオン獲得だ。
ユニークなポーズで喜びを表現してフィニッシュした副島を両親が迎えると、感謝の涙を流して抱き合った。
「アジア選手権で優勝できてから2ヶ月。やり切った感から気持ちと調子が下がり、(高橋)翔にCJで負けたりと、いろんなプレッシャーを感じながら2ヶ月間を過ごしました。でも親がずっと支えてくれて、鬱陶しいぐらい世話を焼いてくれた。両親を笑顔にすることができたし、皆さんに支えられて、有言実行できたことで新しい自分を見つけた気がします」。
U23初年度で副島に対抗した高橋は「ラスト2で追いついたときはすでに足がいっぱいでした。最後は副島さんにガンガン踏まれて、離されました。力負けです。でも離された後も気持ちが切れずに踏み続けることができたし、結果は負けましたが自分的には悔いのないレースでした」と話した。
ユースは中仙道侑毅が圧勝
ユースは中仙道侑毅(ATHLETE FARM MTB CLUB)と工藤遙真(TEAM BG8)のバトルとなり、中仙道が圧倒的な独走で勝利した。
中仙道侑のコメント
工藤君とはライバルとして切磋琢磨してきた仲なので今回バトルができて、そして勝つことができたのはシンプルに嬉しいです。工藤選手が先にアタックを掛けて追う展開だったんですが、行けると思ったところでアタックして振り切りました。JOCカップの小学生小学2年から5年まで勝って以来のタイトルです。
ジュニアは野嵜然新が念願の初タイトル獲得
ジュニアはシクロクロスでもライバル関係にある野嵜然新(RACING TORQUE)と成田光志(OLIVE)のマッチが期待されたが、序盤から先行に持ち込んだ野嵜に対し、成田はチェーンを切るトラブルに見舞われて遅れる。ピットでチェーンをつなぎ合わせた成田は諦めず追走、2位まで追い上げたが2分45秒届かなかった。
野嵜然新のコメント
今まで選手権になると必ず力が発揮できず、今年もロードでは学連ロードで落車するなど今シーズンもツキの無いシーズンになっていましたが、ようやく勝てました。ようやく、ようやくタイトルがとれて、素直にホッとしています。
山本和弘がマスターズ総合優勝 30歳代は岡本紘幸、50歳代は小林義典
35歳以上の選手たちで争われるマスターズは年々参加者を増やし、今やもうひとつのメインレースの感さえある。全年齢一斉スタートによる混走で、30・40・50歳代が表彰対象で、今回は60歳代は表彰対象から外された。
先行したのはマスターズ連戦連勝の岡本紘幸。しかし1周が終わる頃には山本和弘(Cannondale Japan)が最後尾から追い上げて追いつき、ランデブーを開始する。岡本は30代、山本は40代ということで協力体制をとる2人。
落車もあって岡本は離れるが、山本の力強い走りは現役時代と変わらないほど。そして華麗なテクニックに見守る観客たちからは感嘆の声があがる。2020年以来の出場で4年ぶりに再びマスターズ40歳代の王者に。そして年代を問わない総合優勝も手にした。少し遅れてフィニッシュした岡本と握手。弟の山本幸平も祝福に駆けつけた。
山本のコメント「昨日仕事を終えてから昨夜に到着。朝1周だけ試走してすぐスタートで、最後尾からのレースでした。1周掛けて追いついてからは2周目からスイッチを入れて本気で走りました。いつまで好きなことできるかわからないけど、楽しいレースができて出て良かった」。
岡本のコメント「カズさんとランデブーするのは久々で、すごく楽しかった。先行してからカズさんと一緒に走りたくて少し待って、合流してから2人で行きました。でも登りでカズさんが強くて。年代は別だし、下りでもレベルが合うのでもともと2人で一緒に走ろうと話していたんです」。
全体3位フィニッシュの小林義典(TeamSoleil悠)が50歳台1位であり、つまり40代、30代・50代のトップの順でフィニッシュしたことに。2007年にエリートで13位になったのが過去のキャリア最高の成績だが、今までタイトル的な勝利は無かったという。
小林のコメント「50代になって初年度なので早めにタイトルを取ろうと思って、勝てました。後は衰えていくんでしょうけど、今後も挑戦を楽しみます」。
長野県・富士見パノラマリゾートで開催されたMTB全日本選手権の2日めは、XCO=クロスカントリー・オリンピック種目。 JCFの「全日本選手権カテゴリー」は男女エリート、男女U23、男女ジュニア、男女マスターズ、男女ユースが対象。優勝者には日の丸をあしらったナショナルチャンピオンジャージが授与され、そのデザインのジャージを1年間着用する権利が与えられる。
前日の過ごしやすい曇り空とは一転、早朝から雲一つない快晴となったこの日の天気予報は「酷暑」を伝えていた。日陰の少ないゲレンデが広がるレースコースではこの暑さ対策も勝負を分ける鍵となった。そして前日の夕方の試走時間は雨が降ったため、試走の際は泥となったが、レースではドライというコンディションに慣れることが難しい状況。昨年と開催場所は同じだが今年のコースは手が加えられ、よりテクニカルになったと言う。とくに林間のロックセクションは難易度が増している。
水を被り、氷をジャージに仕込んだ選手たちが並ぶ。アジアチャンピオンジャージで登場した沢田時は、5月のCoupe de Japonびわ湖高島以来、出場したすべてのレースで連勝、日本代表として出場したアジア選手権大会(マレーシア)でも優勝している。
気温が40°に迫った午後2時スタートの男子エリート&U23は7周回でのレース。77人がエントリーした大集団がゲレンデに飛び出していく。
スタートループの序盤をリードしたのは平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)。昨日のXCCでは落車の影響で追い込めず、脚を残すことになった平林は一昨年覇者であり、ロックセクションでのテクニックにも秀でる。長く伸びた大集団がじりじりと分断を始めるなか、 沢田時(宇都宮ブリッツェン)、宮津旭(OLIVE)、竹内遼(MERIDA BIKING TEAM)の4人がリードして先行する。
早めに決まったこの4人が力的には抜けており、優勝争いをするであろうことは明らかだった。今年からプライベーターとなった横山航太(ペダル)は好走するも少しづつ離される展開に。前日のレース後に「冬に3回コロナに掛かってしまい、やっと走れるようにはなってきましたが、去年勝ったときのような好調はないです。でも今はようやく調子が戻ってきている」と語っていた昨年覇者の北林力(Sunn factory racing)はいったん先頭グループに加わるも走りが冴えず、勢いをなくしていく。
エリート男子がスタートして5分後にU23男子がスタートし、勢いある先頭集団がエリート男子を次々パスしていく構図に。2周目にアタックを仕掛けたのは竹内遼。これに沢田時が追従し、2人に。平林安里と宮津旭の2人が追う2×2の展開に。
先頭では竹内がしきりにペースを上げ、沢田が追従する。後方2人から宮津が先行して追い上げ、先頭にジョイン。暑さのなかフィードゾーンでは水を被りつつペースを上げる3人。沢田も前に出るようになると、好調な竹内と同調して宮津を引き離す。
4周目、後半にかけてふたたび調子を上げてきた平林がドロップした宮津に替わり沢田と竹内にジョインして3人に。中盤からは気温もピークに達し、灼熱ともいえる暑さに。3人の膠着状態から5周目に沢田がアタックを仕掛け、竹内が追従して再び2人に。
冷静に後方でレースを進めていた平林は前を行く2人に追いつくとカウンターアタックを仕掛けて先行。しかし沢田も冷静に対処し、カウンターで仕掛け返すと単独先頭に持ち込んだ。トラクションのかかる芝のゲレンデで、昨日同夜の鋭い加速を決めた沢田のスピードはロードとシクロクロス仕込みのアタックだった。
わずか9秒ほどの差をもって最終回に突入する沢田。それを追う平林も忍び寄るような静かな加速で沢田を追う。しかし平林の追従に気づいた沢田は差を詰めることを許さなかった。安心できる25秒の差をもって沢田がフィニッシュへ飛び込み、勝利の雄叫びを上げた。2021年の勝利から3年ぶりとなる全日本XCO勝利で、昨日のXCCでの勝利に続き2日連続となる全日本選手権完全優勝だ。アジアチャンピオンジャージに加えて全日本チャンピオンジャージも獲得した。
沢田は言う。「暑くて過酷なレースでした。アジア選手権の5月に調子を合わせたから再びピークを上げるには辛い時もありましたが、アジア選手権以上の走りを皆さんに観てもらいったくて準備してきました。今日はその走りができたと思う。ライバルたち皆が強くてキツいレースでしたが、だからアジア選よりもいい走りができた。最後まで諦めずに走り切ることができたのは応援の声があったから」。
2位に終わった平林は言う。「1周目に自分でペースを上げたツケが中盤にかけてきてしまった。実は1週間前にスイスのワールドカップで試走中にドロップオフ落車して歯を亜脱臼して口の中を10針縫っていたんです。その影響もゼロではなかったかな、と思います。でも体調は良かったので最初から行きました。
新しいバイクセッティングに慣れるのにも少し時間がかかってしまった。時さんはレースが巧かった。展開が上手で手強いなぁ、と感じながら走っていました。アタックのタイミングが絶妙で、強かったですね。最後は時さんのアタックの後、時さんがシングルトラックに消えたことを見届けてから追走アタックをかけて林間で差を詰めようと考えたんですが、つづら折れで目が合ってしまいバレてしまった。来年またリベンジします」。
U23は副島達海が連覇
男子エリートの5分後の時差スタートによる10人のレースとなった男子U23。昨年はエリート男子との混走だったが、今回は人数が揃ったことで分離独立して行われた。
U23アジアチャンピオンの副島達海(大阪産業大学)がリードし、昨日のXCCでエリート含む3位の座を占めた松本一成(TEAM RIDE MASHUN/高崎健康福祉大学)、昨年のジュニアのチャンピオン高橋翔 (日本体育大学)が3人で抜け出す。少し遅れて鈴木来人(アヴニールサイクリング山梨)と古江昂太(FUKAYA RACING)が追走する。
前を行く3人から松本が脱落し、副島と高橋のランデブーに。いったんは副島が先行、ラスト2周を前に高橋が追いついたが再び副島が脚の違いを見せて先行した。CJでは高橋に負かされた副島だが、今回は逆のパターンでフィジカルの強さを見せつけた。エリートの沢田と同じくアジアチャンピオンの日本チャンピオン獲得だ。
ユニークなポーズで喜びを表現してフィニッシュした副島を両親が迎えると、感謝の涙を流して抱き合った。
「アジア選手権で優勝できてから2ヶ月。やり切った感から気持ちと調子が下がり、(高橋)翔にCJで負けたりと、いろんなプレッシャーを感じながら2ヶ月間を過ごしました。でも親がずっと支えてくれて、鬱陶しいぐらい世話を焼いてくれた。両親を笑顔にすることができたし、皆さんに支えられて、有言実行できたことで新しい自分を見つけた気がします」。
U23初年度で副島に対抗した高橋は「ラスト2で追いついたときはすでに足がいっぱいでした。最後は副島さんにガンガン踏まれて、離されました。力負けです。でも離された後も気持ちが切れずに踏み続けることができたし、結果は負けましたが自分的には悔いのないレースでした」と話した。
ユースは中仙道侑毅が圧勝
ユースは中仙道侑毅(ATHLETE FARM MTB CLUB)と工藤遙真(TEAM BG8)のバトルとなり、中仙道が圧倒的な独走で勝利した。
中仙道侑のコメント
工藤君とはライバルとして切磋琢磨してきた仲なので今回バトルができて、そして勝つことができたのはシンプルに嬉しいです。工藤選手が先にアタックを掛けて追う展開だったんですが、行けると思ったところでアタックして振り切りました。JOCカップの小学生小学2年から5年まで勝って以来のタイトルです。
ジュニアは野嵜然新が念願の初タイトル獲得
ジュニアはシクロクロスでもライバル関係にある野嵜然新(RACING TORQUE)と成田光志(OLIVE)のマッチが期待されたが、序盤から先行に持ち込んだ野嵜に対し、成田はチェーンを切るトラブルに見舞われて遅れる。ピットでチェーンをつなぎ合わせた成田は諦めず追走、2位まで追い上げたが2分45秒届かなかった。
野嵜然新のコメント
今まで選手権になると必ず力が発揮できず、今年もロードでは学連ロードで落車するなど今シーズンもツキの無いシーズンになっていましたが、ようやく勝てました。ようやく、ようやくタイトルがとれて、素直にホッとしています。
山本和弘がマスターズ総合優勝 30歳代は岡本紘幸、50歳代は小林義典
35歳以上の選手たちで争われるマスターズは年々参加者を増やし、今やもうひとつのメインレースの感さえある。全年齢一斉スタートによる混走で、30・40・50歳代が表彰対象で、今回は60歳代は表彰対象から外された。
先行したのはマスターズ連戦連勝の岡本紘幸。しかし1周が終わる頃には山本和弘(Cannondale Japan)が最後尾から追い上げて追いつき、ランデブーを開始する。岡本は30代、山本は40代ということで協力体制をとる2人。
落車もあって岡本は離れるが、山本の力強い走りは現役時代と変わらないほど。そして華麗なテクニックに見守る観客たちからは感嘆の声があがる。2020年以来の出場で4年ぶりに再びマスターズ40歳代の王者に。そして年代を問わない総合優勝も手にした。少し遅れてフィニッシュした岡本と握手。弟の山本幸平も祝福に駆けつけた。
山本のコメント「昨日仕事を終えてから昨夜に到着。朝1周だけ試走してすぐスタートで、最後尾からのレースでした。1周掛けて追いついてからは2周目からスイッチを入れて本気で走りました。いつまで好きなことできるかわからないけど、楽しいレースができて出て良かった」。
岡本のコメント「カズさんとランデブーするのは久々で、すごく楽しかった。先行してからカズさんと一緒に走りたくて少し待って、合流してから2人で行きました。でも登りでカズさんが強くて。年代は別だし、下りでもレベルが合うのでもともと2人で一緒に走ろうと話していたんです」。
全体3位フィニッシュの小林義典(TeamSoleil悠)が50歳台1位であり、つまり40代、30代・50代のトップの順でフィニッシュしたことに。2007年にエリートで13位になったのが過去のキャリア最高の成績だが、今までタイトル的な勝利は無かったという。
小林のコメント「50代になって初年度なので早めにタイトルを取ろうと思って、勝てました。後は衰えていくんでしょうけど、今後も挑戦を楽しみます」。
MTB全日本選手権2024XCO リザルト
男子エリート | ||
1位 | 沢田時(宇都宮ブリッツェン) | 1:18:54.47 |
2位 | 平林安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM) | +25.71 1 |
3位 | 宮津旭(OLIVE) | +1:19.97 |
4位 | 竹内遼(MERIDA BIKING TEAM) | +3:23.98 |
5位 | 横山航太(ペダル) | +3:35.21 |
6位 | 小林勇輝(prologue) | +5:14.47 |
7位 | 山本幸平 (Team Athlete Farm) | +5:20.48 |
8位 | 門田基志(GIANT KOIDERU) | +5:37.79 |
9位 | 竹之内悠(/slash - Transition Bikes) | +5:57.88 |
10位 | 西山靖晃(GIANT KOIDERU) | +6:18.38 |
男子U23 | ||
1位 | 副島達海(大阪産業大学) | 1:19:20.87 |
2位 | 高橋翔 (日本体育大学) | +1:00.65 |
3位 | 鈴木来人(アヴニールサイクリング山梨) | +3:22.87 |
4位 | 嶋崎亮我(FUKAYA Racing) | +4:30.41 1 |
5位 | 高本亮太(立命館大学) | +8:07.02 |
6位 | 松本一成(TEAM RIDE MASHUN/高崎健康福祉大学) | +8:07.67 |
男子ジュニア | ||
1位 | 野嵜然新(RACING TORQUE) | 0:45:57.54 |
2位 | 成田光志(OLIVE) | +1:45.74 |
3位 | 内野友太(Q-SHU UNION CJ UNIT) | +3:11.03 |
男子ユース | ||
1位 | 中仙道侑毅(ATHLETE FARM MTB CLUB) | 0:36:43.16 |
2位 | 工藤遙真(TEAM BG8) | +31.36 |
3位 | 松山海司(Sonic‐Racing) | +52.88 |
男子マスターズ | ||
1位 | 山本和弘(Cannondale Japan) | 0:49:46.89 |
2位 | 岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING) | +1:31.06 |
3位 | 小林義典(TeamSoleil悠) | +5:16.21 1 |
4位 | 吉元健太郎(チーム鳴木屋) | +6:44.35 |
5位 | 植川英治(tours.net) | +6:54.50 |
6位 | 藤田耕志(TEAM RINGO ROAD) | +7:02.37 1 |
7位 | 酒居良和(マウンテンポテト) | +7:14.95 |
8位 | 影森信一郎(TRYCLE.ing) | +7:45.38 |
マスターズ各年代別優勝 | ||
30歳台1位 | 岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING) | |
40歳台1位 | 山本和弘(Cannondale Japan) | |
50歳台1位 | 小林義典(TeamSoleil悠) |
フルリザルト(JCF)
text&photo:Makoto AYANO
text&photo:Makoto AYANO
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