2024/07/05(金) - 08:17
横風分断作戦が不発に終わったツール・ド・フランス第6ステージは、白熱の集団スプリントで決着。オランダ王者のディラン・フルーネウェーヘン(ジェイコ・アルウラー)がハンドル投げを制し、2着だったヤスペル・フィリプセンには降格処分が下された。
7月4日(木)第6ステージ
マコン〜ディジョン 163.5km(平坦)
前日に歴史的偉業を成し遂げたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)は2連勝を、ライバルたちはリベンジを果たすチャンスとなったツール・ド・フランス第6ステージ。この日も選手たちはぶどう畑の間を抜け、マコンから北のディジョンに向けて平坦路を駆けていく。
逃げ切りの可能性は極めて低いものの、スプリンターや総合勢が注意しなければならないのは進行方向が変わった直後に吹きつける横風。またディジョン手前20kmからはコーナーも多く、数々の小さな町を通っていくので狭い道幅での落車にもご用心。そしてラスト700mからの最終ストレートが集団スプリントの熱戦を演出する。
163.5kmのレースは雨がぱらつき、また強い風に警戒した選手たちによって静かな立ち上がりとなった。前日のフィニッシュスプリントで単独落車し、出走が危ぶまれたマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)は左の肘と膝に治療の後を残しながらスタート。10km地点に設定されたこの日唯一の4級山岳は、マイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が争うことなく先頭通過し、1ポイントを加算した。
そのまま単独先頭に立ったアブラハムセンには、前日に落車するピーダスンをバニーホップで交わしたアクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)が合流。逃げの2名はメイン集団に対し1分差をつけたものの、アブラハムセンはポイント賞ランキングでも3位につけているため31km地点の中間スプリントを前にプロトンが引き戻す。そしてスプリンターの調子を占う、スプリントポイントを賭けた前哨戦が行われた。
マイヨヴェールを着るビニヤム・ギルマイ(エリトリア)のためアンテルマルシェ・ワンティがトレインを組むなか、残り50mで踏み込んだヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭通過して最大20ポイントをゲット。2着にはギルマイ、3着には落車の影響を感じさせないピーダスンが入った。
その後はリーダーチームであるUAEチームエミレーツを中心に、ヴィスマ・リースアバイクやイネオス・グレナディアーズ、モビスターなどがプロトン先頭に位置を取る。進路が北から西に変わり、向かい風が横風になった残り100kmから集団の緊張感は跳ね上がり、ヴィスマのワウト・ファンアールト(ベルギー)とヨーロッパ王者クリストフ・ラポルト(フランス)、ティシュ・ベノート(ベルギー)が先頭を牽引。スピードが上がるプロトン後方ではカヴェンディッシュがメカトラでバイク交換を強いられた。
そして両端にぶどう畑を見る集団は残り80kmで分裂する。約60名に絞られた先頭にヴィスマやイネオスがエースとアシストを残すなか、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は単独となってしまう。しかしマイヨジョーヌはそれに気づかず先頭でローテーションに加わるシーンもありながら、遅れを取ったUAEのアシスト陣やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)を擁するジェイコ・アルウラーが追走した。
一時は1分差まで拡がった先頭と追走集団は10kmを過ぎた頃に一つになり、チームカーを利用しながらカヴェンディッシュも復帰。再びレースのペースは落ち着き、選手に笑顔が戻った。
残り45kmを過ぎると集団の速度は時速60kmを越え、今度はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエがエシュロン(横風分断)を狙う。しかし直後にアブラハムセンらウノエックス・モビリティの4名を巻き込む落車が発生し、それを知ったプロトンはペースダウン。集団は一つのままフィニッシュラインの引かれたディジョンの街に入った。
前日10位のマライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り7km地点の落車で脱落するなか、集団先頭でアブラハムセンがペースを作る。アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)で勝利を狙うウノエックスはそのままトレインを維持しながらフラムルージュ(残り1km地点)を通過。ロータリーを抜け、最終ストレートに入ってもなお先頭を譲らないウノエックスに対し、残り500mでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭に出た。
ヤスペル・フィリプセン(ベルギー)とファンアールト、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)がほぼ同時にスプリントを開始する。一拍遅れてギルマイ、そして唯一コース左側のラインを取ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)がもがく。
フィリプセンがコース右側を閉め、フェンスに追いやられたファンアールトが踏み止める一方、ギルマイやフルーネウェーヘンが踏み込む。驚異的な追い上げを見せたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)は届かず、フィリプセンとフルーネウェーヘンが同時にハンドルを投げる。そして写真判定の結果、フルーネウェーヘンに勝利が告げられた。
鼻部分にエアロ効果を高めるパーツを付けた特注アイウェアを着用し、2022年の第3ステージ以来通算6勝目を飾ったフルーネウェーヘン。「(オランダ王者の証である)赤・白・青のジャージで勝つことができ、本当に嬉しい。フィニッシュの瞬間に喜ぶことはできなかったが、チームの頑張りを勝利につなげることができた。昨日は勝利を掴めず落ち込んでいたので、いまは最高の気分だよ」とフルーネウェーヘンは喜んだ。
2着だったフィリプセンにはファンアールトへの進路妨害が認められ。先頭集団の最後尾(107位)に降格と13ポイントの減点処分(+500スイスフランの罰金)が下された。そのためギルマイが区間2位に繰り上がり、マイヨヴェールのリード拡大に成功。またカヴェンディッシュは集団復帰する際にチームカーによるドラフティングを利用したとして、40秒のタイムペナルティなどの処分が課されている。
7月4日(木)第6ステージ
マコン〜ディジョン 163.5km(平坦)
前日に歴史的偉業を成し遂げたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)は2連勝を、ライバルたちはリベンジを果たすチャンスとなったツール・ド・フランス第6ステージ。この日も選手たちはぶどう畑の間を抜け、マコンから北のディジョンに向けて平坦路を駆けていく。
逃げ切りの可能性は極めて低いものの、スプリンターや総合勢が注意しなければならないのは進行方向が変わった直後に吹きつける横風。またディジョン手前20kmからはコーナーも多く、数々の小さな町を通っていくので狭い道幅での落車にもご用心。そしてラスト700mからの最終ストレートが集団スプリントの熱戦を演出する。
163.5kmのレースは雨がぱらつき、また強い風に警戒した選手たちによって静かな立ち上がりとなった。前日のフィニッシュスプリントで単独落車し、出走が危ぶまれたマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)は左の肘と膝に治療の後を残しながらスタート。10km地点に設定されたこの日唯一の4級山岳は、マイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が争うことなく先頭通過し、1ポイントを加算した。
そのまま単独先頭に立ったアブラハムセンには、前日に落車するピーダスンをバニーホップで交わしたアクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)が合流。逃げの2名はメイン集団に対し1分差をつけたものの、アブラハムセンはポイント賞ランキングでも3位につけているため31km地点の中間スプリントを前にプロトンが引き戻す。そしてスプリンターの調子を占う、スプリントポイントを賭けた前哨戦が行われた。
マイヨヴェールを着るビニヤム・ギルマイ(エリトリア)のためアンテルマルシェ・ワンティがトレインを組むなか、残り50mで踏み込んだヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭通過して最大20ポイントをゲット。2着にはギルマイ、3着には落車の影響を感じさせないピーダスンが入った。
その後はリーダーチームであるUAEチームエミレーツを中心に、ヴィスマ・リースアバイクやイネオス・グレナディアーズ、モビスターなどがプロトン先頭に位置を取る。進路が北から西に変わり、向かい風が横風になった残り100kmから集団の緊張感は跳ね上がり、ヴィスマのワウト・ファンアールト(ベルギー)とヨーロッパ王者クリストフ・ラポルト(フランス)、ティシュ・ベノート(ベルギー)が先頭を牽引。スピードが上がるプロトン後方ではカヴェンディッシュがメカトラでバイク交換を強いられた。
そして両端にぶどう畑を見る集団は残り80kmで分裂する。約60名に絞られた先頭にヴィスマやイネオスがエースとアシストを残すなか、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は単独となってしまう。しかしマイヨジョーヌはそれに気づかず先頭でローテーションに加わるシーンもありながら、遅れを取ったUAEのアシスト陣やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)を擁するジェイコ・アルウラーが追走した。
一時は1分差まで拡がった先頭と追走集団は10kmを過ぎた頃に一つになり、チームカーを利用しながらカヴェンディッシュも復帰。再びレースのペースは落ち着き、選手に笑顔が戻った。
残り45kmを過ぎると集団の速度は時速60kmを越え、今度はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエがエシュロン(横風分断)を狙う。しかし直後にアブラハムセンらウノエックス・モビリティの4名を巻き込む落車が発生し、それを知ったプロトンはペースダウン。集団は一つのままフィニッシュラインの引かれたディジョンの街に入った。
前日10位のマライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)が残り7km地点の落車で脱落するなか、集団先頭でアブラハムセンがペースを作る。アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)で勝利を狙うウノエックスはそのままトレインを維持しながらフラムルージュ(残り1km地点)を通過。ロータリーを抜け、最終ストレートに入ってもなお先頭を譲らないウノエックスに対し、残り500mでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が先頭に出た。
ヤスペル・フィリプセン(ベルギー)とファンアールト、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)がほぼ同時にスプリントを開始する。一拍遅れてギルマイ、そして唯一コース左側のラインを取ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)がもがく。
フィリプセンがコース右側を閉め、フェンスに追いやられたファンアールトが踏み止める一方、ギルマイやフルーネウェーヘンが踏み込む。驚異的な追い上げを見せたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)は届かず、フィリプセンとフルーネウェーヘンが同時にハンドルを投げる。そして写真判定の結果、フルーネウェーヘンに勝利が告げられた。
鼻部分にエアロ効果を高めるパーツを付けた特注アイウェアを着用し、2022年の第3ステージ以来通算6勝目を飾ったフルーネウェーヘン。「(オランダ王者の証である)赤・白・青のジャージで勝つことができ、本当に嬉しい。フィニッシュの瞬間に喜ぶことはできなかったが、チームの頑張りを勝利につなげることができた。昨日は勝利を掴めず落ち込んでいたので、いまは最高の気分だよ」とフルーネウェーヘンは喜んだ。
2着だったフィリプセンにはファンアールトへの進路妨害が認められ。先頭集団の最後尾(107位)に降格と13ポイントの減点処分(+500スイスフランの罰金)が下された。そのためギルマイが区間2位に繰り上がり、マイヨヴェールのリード拡大に成功。またカヴェンディッシュは集団復帰する際にチームカーによるドラフティングを利用したとして、40秒のタイムペナルティなどの処分が課されている。
ツール・ド・フランス2024第6ステージ
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | 3:31:55 |
2位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
3位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
6位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | アルノー・デマール(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | |
8位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
9位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック) | |
10位 | ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス) | |
19位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) | |
107位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 26:47:19 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:45 |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:50 |
4位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:10 |
5位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:14 |
6位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +1:16 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +1:32 |
8位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +3:20 |
10位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +3:21 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | 149pts |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | 11pts |
3位 | ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 87pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 26pts |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 20pts |
3位 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) | 16pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 26:48:04 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:25 |
3位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +0:31 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 80:25:01 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +4:54 |
3位 | スーダル・クイックステップ | +5:02 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
Amazon.co.jp
パーフェクトワンフォーカス スムースクレンジングバーム 75g (スムースクレンジングバームディープブラック 単品) W洗顔不要 まつエクOK 毛穴 黒ずみ 角質ケア PERFECT ONE FOCUS
新日本製薬
¥2,970 (¥2,970 / 個)