ヴィスマがツールメンバー発表　ファンアールトやクスがヴィンゲゴーの3連覇を支える

6月29日（土）に開幕するツール・ド・フランスに向け、ヴィスマ・リースアバイクが出場する8名を発表。4月の大怪我から復帰したヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク）を中心に、ワウト・ファンアールト（ベルギー）やセップ・クス（アメリカ）など強力なメンバーが揃った。

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ヴィスマ・リースアバイクは6月20日（木）、開幕が9日後と迫ったツール・ド・フランスの出場メンバーを発表した。総合エースを務めるのは総合2連覇中のヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク）で、4月4日のレース中に負った鎖骨と肋骨の骨折、そして肺挫傷と気胸から驚異的な回復で出場に間に合った。

「ツールを走ることにワクワクしている。ここ数ヶ月は難しい時期もあったものの、家族やチームによる揺るぎないサポートのおかげで回復することができた。出場するという目標に向けて共に歩み、ここまで来ることができたことに感動している。状態は良く、モチベーションも高い」とヴィンゲゴーは語っている。

懸念されるヴィンゲゴーの状態について、メーリン・ゼーマン監督は「この数週間、ヨナス（ヴィンゲゴー）は身体的にも精神的にもチャンピオンであることを示した。レースには出れず理想的な準備ではなかったので、まだ彼がどこまで行けるかは分からない。だが彼は健康かつ高いモチベーションでツールに臨むだろう」とコメントしている。

ワウト・ファンアールト（ベルギー）は6年連続出場。当初はジロ・デ・イタリアに出場し、ツールは回避してパリ五輪に注力する予定だったものの、3月の落車によって鎖骨と肋骨、胸骨を骨折。そのためレーススケジュールを見直し、5月下旬のツアー・オブ・ノルウェーで実戦復帰してからメンバー入りした。

その他のメンバーでは山岳アシストのセップ・クス（アメリカ）やウィルコ・ケルデルマン（オランダ）が昨年と同じく選ばれ、マルチな役割をこなすティシュ・ベノート （ベルギー）と平坦区間やスプリント力が持ち味のヨーロッパ王者クリストフ・ラポルト（フランス）も出場する。またオランダ王者ディラン・ファンバーレが前哨戦であるクリテリウム・デュ・ドーフィネで鎖骨を骨折したため、代役にジロを走ったヤン・トラトニク（スロベニア）が選ばれた。

注目されるのが今年モビスターから移籍した24歳のマッテオ・ヨルゲンソン（アメリカ）だ。次期エース候補と目されるヨルゲンソンは今年3月のパリ〜ニースでレムコ・エヴェネプール（ベルギー、スーダル・クイックステップ）を退け総合優勝に輝き、直後のドワルス・ドール・フラーンデレンでは優勝。またドーフィネでもプリモシュ・ログリッチ（スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ）に次ぐ総合2位とキャリアハイの成績を残している。ヴィンゲゴーが振るわなかった場合、タイムトライアルも不得手ではないヨルゲンソンが総合エースを務める可能性が高い。

ヴィスマはマイヨジョーヌの黄色とのバッティングを避けるために毎年恒例となったツール特別ジャージを公開した。「ルネッサンス」がテーマのジャージは青ベースに黄色のモザイク柄があしらわれた高級感のあるデザイン。また両袖には新たなスポンサーとして加わった飲料メーカーであるパワーエイド（Powerade）のロゴが入っている。