ツアー・オブ・ブリテン・ウィメン第3ステージは集団スプリントで決着。盤石のリードアウトからロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)がコールを退け、チームに3連勝をもたらした。



スタート前にファンにサインするロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:Tour of Britain Women

ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が1級山岳で仕掛け、2連勝を飾ったツアー・オブ・ブリテン・ウィメンは第3ステージ。この日は106.8kmのコース中盤に2つの3級山岳を除き、平坦路が続くスプリントステージとなった。

序盤から逃げを打ったのは共にイギリス出身のマデレーン・リーチ(ライフプラス・ワフー)とジョー・テンドレー(プロノチス200°コーヒー・ハルグリーブスコントラクティング)。21歳のリーチと37歳のテンドレーという年の差の離れた2名はローテーションを回し、最大4分のタイム差をSDワークス・プロタイムの牽引するメイン集団から奪った。

SDワークス・プロタイムがコントロールしたプロトン photo:Tour of Britain Women

その後逃げへの合流を目指した動きが複数あったものの成功せず、また残り47km地点でリーチが遅れ、テンドレーが単独先頭に立つ。しかしテンドレーも残り12kmでメイン集団に捉まり、勝負は大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。

エーススプリンターであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)を擁し、スタートから終始プロトンを牽引するSDワークスに対し、ライバルのシャーロッテ・コール(オランダ)で勝利を狙うDSMフィルメニッヒ・ポストNLも残り5km地点から集団先頭にトレインを並べる。

またフローラ・パーキンスをエースに据えるイギリス・ナショナルチームも集団先頭に人数を固め、フィニッシュ手前のラウンドアバウトでは激しい位置取り争いが激化。しかし最終ストレートでSDワークスが主導権を再び握るとクリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク)がペースを上げ、バルバラ・グアリスキ(イタリア)に牽引が渡る。

残り12kmで逃げを捉え、勝負は集団スプリントに持ち込まれた photo:Tour of Britain Women

そして最終発射台を務めたロッテ・コペッキー(ベルギー)の背後から飛び出したウィーベスが、コールを退け勝利した。

ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)がチームに3連勝をもたらす photo:CorVos

チームに3連続勝利をもたらしたウィーベスは「高速で展開した最終盤となり”あと200mしかない”と急いでスプリントを開始した。チーム一丸となって掴んだ勝利がとても嬉しい」とコメント。3戦全勝だったライドロンドン・クラシックに続き、イギリスの地で勝利を飾った。

総合順位に大きな変動はなく、勝利に貢献したコペッキーが17秒のリードで総合首位に立っている。
ツアー・オブ・ブリテン・ウィメン2024第3ステージ結果
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) 2:44:42
2位 シャーロッテ・コール(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
3位 ジョージア・ベイカー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)
4位 ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
5位 フローラ・パーキンス(イギリス・ナショナルチーム)
6位 マーヨレイン・ファントゲルーフ(オランダ、ヘス・サイクリングチーム)
7位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)
8位 レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)
9位 ロクサーヌ・フルニエ(フランス、サンミッシェル・マヴィック・オーベル93)
10位 アリシア・ゴンサレス(スペイン、ライフプラス・ワフー)
個人総合成績
1位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) 10:25:49
2位 アンナ・ヘンダーソン(イギリス・ナショナルチーム) +0:17
3位 レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) +0:32
4位 ファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +0:38
5位 エリーヌ・ヤンセン(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム) +0:43
6位 エリザベス・ダイグナン(イギリス・ナショナルチーム)
7位 クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク、SDワークス・プロタイム)
8位 ビクトリー・ギルマン(カナダ、サンミッシェル・マヴィック・オーベル93) +3:00
9位 ルビー・ローズマンギャノン(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) +3:01
10位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) +4:19
その他の特別賞
ポイント賞 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)
山岳賞 エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)
ヤングライダー賞 エリーヌ・ヤンセン(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)
チーム総合成績 SDワークス・プロタイム
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos