ベルギーで行われたワンデーレース、シルキュイ・フランコ・ベルジュでビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)が集団スプリントを制す。ジロ・デ・イタリアを4日目で棄権した悔しさを、チーム一丸となった勝利で晴らした。



ベルギーのワロン地域で行われたシルキュイ・フランコ・ベルジュ photo:CorVos

ジロ・デ・イタリアが閉幕した3日後の5月29日(水)、ベルギーのワロン地域エノー州を舞台にシルキュイ・フランコ・ベルジュ(UCI1.Pro)が行われた。コースはトゥールネを出発して北にあるモン・ド・ランクリュを目指す190.6kmで、レース中盤から3つの小さな丘を含むコースを5周回する。

細かいアップダウンのあるベルギーらしいワンデーレースには、春のクラシックでの不調をジロ区間4勝で払拭したスーダル・クイックステップが出場。またジロで総合優勝を飾ったUAEチームエミレーツは、マルク・ヒルシ(スイス)をエースに完走直後のフアン・モラノ(コロンビア)も出場した。

メイン集団はアンテルマルシェ・ワンティやアルペシン・ドゥクーニンクが積極的にコントロールした photo:CorVos

レースは序盤にヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)ら5名が逃げ集団を作り、それをアンテルマルシェ・ワンティとアルペシン・ドゥクーニンクが先導するメイン集団が追走する。アンテルマルシェはジロでポイント賞ランキング2位だったカーデン・グローブス(オーストリア)をエースに、またアンテルマルシェはビニヤム・ギルマイ(エリトリア)での勝負を目論んだ。

2チームのハイペースな牽引により逃げは残り60km地点で捉えられ、縦長に伸びたプロトンからヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が仕掛ける。それにパスカル・エインコールン(オランダ、ロット・デスティニー)ら2名が追従したものの、これも残り24km地点で吸収。その後もシュールト・バックス(オランダ、UAEチームエミレーツ)などがアタックしたが、メイン集団は許さず勝負は集団スプリントで決着した。

スプリントを制したビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

最終ストレートの手前に設定された丘でラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタックし、マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がそれをキャッチ。直後にギルマイがコース右側からスプリントを開始し、ヒルシの背後からアクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)が飛び出す。そしてトップスピードに乗ったギルマイがスプリントを制した。

ジロでは第3ステージで3位に入ったものの、翌日のステージで2度落車して棄権したギルマイ。「チームとして相応しい勝利。彼らのハードワークを勝利という結果で報いることができた。最終ストレートではスプリントで勝つ自信があり、ツール・ド・フランスが楽しみだ」と、ギルマイは今季2勝目を喜んだ。

2位にはジングレ、3位はヒルシが入り表彰台に上がっている。またグローブスは10位だった。

シルキュイ・フランコ・ベルジュ2024結果表彰台:2位ジングレ、1位ギルマイ、3位ヒルシ photo:CorVos
シルキュイ・フランコ・ベルジュ2024結果
1位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) 4:37:52
2位 アクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)
3位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)
4位 イェノ・ベルクムース(ベルギー、ロット・デスティニー)
5位 エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエネルジー)
6位 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、アルケアB&Bホテルズ)
7位 パウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
8位 マティアシュ・コペツキー(チェコ、チーム ノボ ノルディスク)
9位 エデュアルド・プラデス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
10位 カーデン・グローブス(オーストリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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