UCI2.2クラスのステージレース「ツール・ド・熊野」が、和歌山県古座川町で開幕。第1ステージは集団でのスプリント勝負となり、ジョン・カーター (キャッシュ・パー・クップ、オーストラリア)が優勝。2位に昨年総合優勝の岡篤志、3位に山本大喜(共にJCLチーム右京)が入った。



古座川に沿って走るコース photo:Satoru Kato

今日の漢字は「川」 photo:Satoru Kato
国指定の天然記念物「一枚岩」は、高さ150m、幅800mの巨大さ ©︎TOUR de KUMANO 2024


今年のツール・ド・熊野は、新たに古座川町でのステージを組み込んで3日間3ステージのレースとして復活。開催時期をおよそ1ヶ月早めて行われる。

第1ステージは、和歌山県南部を流れる古座川に沿って設定された1周42.6kmの周回コースを3周する126.7km。登り区間には3級山岳が設定され、国指定の天然記念物でもある「一枚岩」前にはスプリントポイントが設定される。

昼でも薄暗い山間部 photo:Satoru Kato

昨年はワンデーレースとして開催される予定だったが、悪天候のため中止となったため、事実上今年初開催となった(ジャパンサイクルリーグで開催されたレースとはコースが変更されている)。

リアルスタート直後からアタックと吸収が繰り返される photo:Satoru Kato

序盤の集団はキナンレーシングチームがコントロール photo:Satoru Kato

出場チームは海外5チーム、国内11チームの計16チーム。朝から晴れて青空が広がり、気温が上昇し始めた午前9時30分にスタートしたレースは、序盤からアタックと吸収が繰り返されていく。しかし飛び出しの動きに同調する選手が少なく、長続きする逃げにはならない。

1回目の山岳賞を競り合うベンジャミ・プラデス(VC福岡、写真中央)と小林海(マトリックスパワータグ、写真左) photo:Satoru Kato

山岳賞は1周目からベンジャミ・プラデス(VC福岡)と小林海(マトリックスパワータグ)が争う。1回目はプラデスが1位通過し、2回目、3回目は小林が1位通過。小林が初日の山岳賞を確定させた。

最終周回の登り区間、マトリックスパワータグを先頭にペースが上がる photo:Satoru Kato

終盤30名ほどまで絞られた集団 photo:Satoru Kato

2周目を終えるまで大きく崩れることなく進行してきた集団は、3周目に入るとマトリックスパワータグがコントロールを開始。登り区間を経て集団が分断されて30名ほどが先行すると、後続との差は1分以上まで開く。勝負は先行した集団でのスプリントに持ち込まれ、ハンドルの投げ合いを制したジョン・カーター(キャッシュ・パー・クップ)が制した。

横一線僅差のスプリント勝負 ©️TOUR de KUMANO 2024

ジョン・カーター(キャッシュ・パー・クップ)がスプリントを制して優勝 ©️TOUR de KUMANO 2024


ジョン・カーター コメント
「最後の集団スプリントに向けてチームが良い仕事をしてくれたおかげで勝つことが出来た。このチームで初めて勝つことが出来て嬉しい。明日以降もこのリーダージャージを守っていきたい」

ツール・ド・熊野第1ステージ表彰式 photo:Satoru Kato

ジョン・カーター(キャッシュ・パー・クップ)が個人総合、新人賞、ポイント賞を獲得した photo:Satoru Kato
山岳賞は小林海(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato


ツール・ド・熊野 第1ステージ 結果(126.7km)
1位 ジョン・カーター (キャッシュ・パー・クップ、オーストラリア) 2時間55分5秒
2位 岡 篤志 (JCLチーム右京) +0秒
3位 山本大喜 (JCLチーム右京)
4位 クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン (トレンガヌ・サイクリングチーム、エリトリア)
5位 ダニエル・グルド (レバンテフジ静岡、デンマーク)
6位 ドリュー・モレ (キナンレーシングチーム、オーストラリア)
7位 キム・ユロ (LXサイクリングチーム)
8位 テグシュバヤール・バッサイカン (ルージャイ・インシュランス、モンゴル)
9位 ルーベン・アコスタ (宇都宮ブリッツェン、コロンビア)
10位 ベンジャミ・プラデス (VC福岡、スペイン)
ポイント賞
1位 ジョン・カーター (キャッシュ・パー・クップ、オーストラリア) 25p
2位 岡 篤志 (JCLチーム右京) 25p
3位 山本大喜 (JCLチーム右京) 16p
山岳賞
1位 小林海(マトリックスパワータグ) 13p
2位 ベンジャミ・プラデス(VC福岡) 7p
3位 小石祐馬(JCLチーム右京) 5p
チーム順位
1位 キナンレーシングチーム 8時間45分15秒
2位 JCLチーム右京 +0秒
3位 マトリックスパワータグ +0秒


text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, TOUR de KUMANO 2024

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