「信じられない勝利」と頭を抱え、嬉し涙を流したのはペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター)。惜しくも敗れたアラフィリップやプラップなど、ジロ第6ステージを終えた選手たちの言葉を紹介します。



区間優勝 ペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター)

フィニッシュの瞬間、頭を抱えたペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

正直言うと、まだこの事実が受け入れられていない。僕にとってクレイジーな日になった。ジロが開幕して以降は勝利を争うコンディションになかったため、今日のために脚を溜めていた。狙い通り逃げに乗ることはできたものの、まさかステージ優勝できるとは思わなかった。

今日のレースは常に全力が求められる、厳しいレースになると思っていた。だから自分のチャンスが来るまで待った。レースが2時間を越えた頃からアタック合戦が始まり、僕も動いて逃げ集団に入った。その後は逃げの人数を絞り、プラップとアラフィリップの3名になった。

嬉し涙を流すペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター) photo:Movistar

(3名になってからは)協力しながらも抜け出そうと試みた。しかし上手くはいかず、最後はスプリント勝負に持ち込まれた。そして幸運にも勝利を手に入れた。

区間2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)

終盤の急坂でペースを上げるジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:RCS Sport

もちろんフィニッシュラインを2位で通過した瞬間は悔しかったよ。勝利を目指して走っていたからね。でも同時に今日のステージに満足している。調子が良く、良いレースができた。またスプリントも完璧だったのだが、相手が僕を上回っていただけ。だから後悔はないよ。

フィニッシュ直後からいままで(頭の中で)50回はあのスプリントを振り返っている。だが僕に落ち度はなく、勝利した彼を祝福したい。

区間3位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)

3名に逃げのきっかけを作ったルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

スプリントでは(サンチェスとアラフィリップに)敵わないので、グラベルの登りで仕掛けた。だが引き離すことはできず、その後は協力し合いながらフィニッシュを目指した。

グラベル区間は得意ではないものの、試走していたから戸惑いはなかった。他の2人は僕よりも爆発的な力に優れた選手なので、途中で脱落してもらうしか僕に勝機はなかった。残り1kmでもっと積極的に仕掛ければよかったのだろうが、頭には総合タイムのこともチラついていた。だから捨て身でステージ優勝を狙うか、保守的に走ってタイムを稼ぐかの二択だった。

―プロトンが君を総合争いの脅威と感じていたと思うか。

いや、多分違うだろう。でもスタート地点で見たUAEの”総合ライバル選手リスト”の中には僕の名前はあったよ(笑)。最初はUAEがペースをコントロールし、その後「さすがにこのまま最後まで行くことはできない」と、逃げを許したのだろう。でも僕が総合首位に立つことはないようにタイム差をコントロールされていた。

終盤にプロトンから飛び出し、4位に入ったアンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)

僕のこの姿(結晶化した汗のついたジャージ)を見てくれ。一日を通してフルガス(全力)だった。でもこれが世界最高のレース、ジロ・デ・イタリアだ。

マリアローザ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

この日もマリアローザを着てレースに臨むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:RCS Sport

チームとして力を使いたくなかったので、逃げ集団が形成されても構わなかった。たとえそれでプラップがマリアローザを獲得しても良いと思っていた。だけど未舗装路区間に入り、イネオスがペースを作り始めた。彼らは最後の登りでもハイペースに持ち込んだ。

僕にとって良いステージとなったし、再びこのグラベルコースを走ることができて楽しかったよ。でも僕はストラーデビアンケの方が好きだね。とにかく何事もなく終わって安心している。

脚の調子は良いので、明日のタイムトライアルも良い日にしたい。興味深いコースレイアウトだし、結果というよりも良い感覚で走りたい。

総合2位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

グラベル区間でプロトンの先頭に立ったのは、できる限り安全を確保したかったから。チーム一丸となり素晴らしい走りができた。また(初日以降調子の悪かった)テイメン(アレンスマン)の復調を見ることができて良かったよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)